山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス
山城ACTレベル
頂上到達までに40分前後を要しますが、登城路は整備された石段が中心で、危険箇所や高度な歩行技術は求められません。ペース配分もしやすく、体力的な消耗は限定的なため、初級(★☆☆)と判断しました。
山城Wレベル
登城初期から遺構密度が高く、構造理解・景観変化・空間の切り替えが連続します。
体力消費よりも「気づき」と「構造把握」によって没入が深まりやすく、短時間でも満足度が高い。低負荷でW3に到達できる、非常にコストパフォーマンスの高い城です。
主なルート
・大手道入口〜家臣団屋敷群〜黒金門〜主郭往復:約1時間30分〜2時間
・付近の博物館・史跡と組合わせ:+30〜60分
累積標高差と所要時間
累積標高差:未計測/全体目安:約2〜3時間
アクセス・駐車場
登山口・駐車場
- 安土城跡入口付近に有料駐車場が整備されています(普通車向けの観光駐車場)。
- 駐車場から大手道入口までは案内板があり、迷いにくい構造です。
公共交通機関
- JR東海道本線(琵琶湖線)「安土駅」下車。
- 駅から安土城跡入口までは、徒歩で約20〜25分が目安です。
現地レポート|ルートと見どころ
縄張り図 現地看板


特別史跡は、国宝級という意味です


安土城は整備が進んでいますが、まだ途中の部分もあるようです。個人の私有地が関わる場所もあるらしい、という話も聞きました。

大手道直線階段 島原の日野江城との共通点



ここが一番特徴的なところです。勝手に「日本三大階段遺跡」と言っていますが、どうして防御を無視したような直線階段を付けたのか。ヒントは、長崎の日野江城にあるような気がします。
あちらにも、規模は違いますが階段遺構があります(現在は埋め戻されております)。
織田信長と有馬晴信の共通点
1.切支丹大名
2.ポルトガル イエズス会の存在
3.日本で数か所のセミナリオの存在
などではないでしょうか。特に安土城は、近年では「テラス」の存在も確認されているので、当時の対外交流や新しい様式の受容が、城づくりにも影響した可能性はあるのかもしれません(私見)。
階段に組み込まれた石仏




階段を登っていると、これらの石仏に気が付きます(賽銭がそのままというところも、いかにも日本的です)。多くの紹介では「石材が足らないから組み込まれた」などが通説ですが、長崎の日野江城の階段遺構でも同じことが行われています。
他にも、熊本の小西行長関連で、宇土古城でも「宝篋印塔 五輪塔」の大量遺棄があります。小西行長も切支丹大名ですから。

キリスト教との絡みが強い気がしますが
(※このあたりは私見です)宗教的な背景まで断定はできませんが、日野江城でも似た扱いがあるので、気になる点ではあります。
伝家臣団の館跡



ここは見ごたえがあります。何段にも積み上げられております。


伝羽柴秀吉の館跡よりも、伝前田利家の館跡の方が、見ごたえがあります。
まだまだ階段は続く。。。


黒金門跡に到着




これは、なんという威圧感!


この石垣!
切り込みハギや打ち込みハギとは違い野面積みでも、「統一性」「規則性」が取れていて美しい。長辺の岩を横に並べて小さな石もラインを崩さないように並べている。これは、業ですね。

どこかで見たことがあるなあ

大分県の「角牟礼城」!!


大分県の角牟礼城の山頂 三の丸駐車場にも、これぐらいの腰石垣がありました。加えて、角牟礼城にも穴太積みがあります。安土城の黒金門正面石垣と比べると


同じように長辺石を並べて、整然と並べているように見えます。

穴太積み工法が同じなら面白いですね
対馬の清水山城との共通点!?


ここの積み方は、「しのぎ積み」と言います。角を直角ではなく、90度以上に開いて組む。安土城でも何か所かに見られます。

見たことがありますねえ
対馬の清水山城!!


良く似ている気もする。加えて、対馬の清水山城の二ノ丸石垣を良く見てみると

ここの石垣も、長辺を並べてラインを崩さずに組んだ野面積みに見えます。似ているなあ~。対馬の清水山城も秀吉が来ることを想定したお城なので、こういう部分が重なると面白いです。

清水山城の一部も穴太積みかも!?
主郭部と眺望

まだまだ、未公開の場所が多数あります

早く整備されたら良いですね。
この城の概要
安土城は、織田信長が琵琶湖東岸の安土山に築いた巨大城郭で、山上の天主と家臣団の屋敷群・石垣を備えた、近世城郭草創期を代表する特別史跡です。
直線的大手道や黒金門周辺の石垣など、石垣造りの発展段階を示す貴重な遺構がまとまって残ります。
この山城の魅力|3つのポイント
① 体験価値(ウェルネス)
登城開始直後から城域に入り、石段・石垣・視界の変化が連続して現れます。
歩行そのものに強い負荷はなく、身体は自然に順応していく一方で、視覚情報と構造理解が先行して立ち上がるため、「歩きながら気づく」没入が早い段階から始まります。
② 遺構の固有性
直線的大手道、家臣団屋敷群、黒金門周辺の石垣帯など、近世城郭草創期の要素が整理された形で連続します。複雑すぎず、かといって単調でもないため、「なぜこう造ったのか」が現地で読み取りやすい。初見でも構造が頭に残りやすい点が、この城の大きな強みです。
③ 景観・地形の固有性
高度が上がるにつれて、琵琶湖と平野の見え方が段階的に変化します。主郭部では視界が一気に開き、歩行体験が「上る」から「見渡す」へと切り替わる。この空間転換が、短時間でも強い印象を残します。
地形・地質のポイント
- 立地:琵琶湖東岸に独立する丘陵・安土山の山頂部〜中腹に築かれ、周囲の平野と湖を一望できる位置にあります。
- 地形:山腹に段々状の曲輪や家臣団屋敷跡、主郭周辺に平坦な郭と石垣、要所に虎口が配置され、山の斜面を利用した構造になっています。
- 築城との関係:黒金門周辺などは石垣が集中し、見た目の統一感も強いです。山上で「見せる部分」と「導線」がはっきりしている点が、この城の特徴だと思います。
眺望

琵琶湖が一望できる。ちょっと、地質を調べてみる

なるほど~
この三つの山城の地質は同じ
流紋岩
とのこと。
詳細は「観音寺城 その2」で理由が判明します。
あと、気になるのは、

良く見ると、西の海・伊庭内湖の形が不自然。残った感じ。調べてみると、赤丸地点を後世に埋め立てた様子。かつては、安土城の麓まで湖だったみたいですね。

埋め立て地
周辺観光・温泉(地域共鳴)
温泉|長命寺温泉 天葉の湯(車で約20〜25分)
琵琶湖湖畔にある「長命寺温泉 天葉の湯」は、日帰りで入りやすい温泉施設です。登城後のクールダウンとして、立ち寄りやすい距離感です。
まとめ
この山城は、低負荷にもかかわらずW3(高没入)を回収できる、非常に珍しいタイプです。
登城開始直後から城域に入り、歩行量が増える前に体験の核が提示されるため、体力や年齢、城経験の有無を問わず楽しめます。
「きつくないのに、記憶に残る」
「短時間なのに、構造が頭に残る」
そんな条件を満たす、万人におすすめできる高コスパ山城。
入門編としても、再訪しての読み直し用としても、価値の高い一城です。
主な出典
- 安土城跡・滋賀県立安土城考古博物館 現地案内・公式パンフレット
- 産総研地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図V2」
- 長命寺温泉 天葉の湯 公式ウェブサイト、その他周辺施設の公式情報
免責
本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。







コメント