山城ACTレベル:上級 ★★★
山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス
山城ACTレベルの設定理由
標高差が約350〜400mと大きく、麓から長時間続く急坂と石段で体力負荷が高い山城です。
巡礼道〜観音正寺〜各曲輪へと歩き続ける行程は長く、距離感もしっかりあります。
休憩を挟まないと体力的に厳しくなる場面が多いため、「上級 ★★★」と判断しました。
山城Wレベルの設定理由
巨石群・石垣帯・屋敷跡が山上に密集し、空間の切り替わりが連続して没入感が非常に深い構造です。寺院遺構と城郭遺構が重なり、視覚情報量が大きく、「山城世界の階層」を歩く体験になります。景観・構造・密度が濃く、歩くほどに没入が増していくため、W3 ★★★ としました。
今回の主なルート
・麓 → 巡礼道 → 観音正寺 → 伝本丸 → 伝平井丸 → 伝池田丸(往復 約7〜8km)
累積標高差と所要時間
・所要時間:約4時間(標準)
地形の特徴
急斜面に巨石・段々曲輪・石垣帯が重なり、立体的な山頂構造が続く山城です。
アクセス・駐車場
【車】
・名神「八日市IC」「竜王IC」から約30〜40分。
・観音正寺の表参道・裏参道に山上駐車場あり。
・山上から観音正寺経由で主郭部へ。
※ルートが多いため事前確認が安心です。
現地レポート|ルートと見どころ
巡礼道ルートをひたすら登る

さ、登るぞ~!

日吉神社
石寺古墳群
御屋形跡
を抜けて進みます
現地レポート
最初は「景清道」をまたぎ、日吉神社、石寺古墳群、御屋形跡といったポイントを順に抜けていきます。まだこのあたりは、歴史散歩の延長のような感覚です。
しかし、城域に近づくにつれて様子が変わります。


ここから地獄が始まる

登る

ドンドン登る ひたすら登る

まだまだ登る

ちょっと休憩!

そして、追い抜かす

そして登る。き、きつい
(中間分岐点)観音正寺に到着

ようやく先が見えてきたところで、まずは観音正寺に到着します。 「よく登り切ったなあ」と自分をねぎらいたくなる階段の連続で、この時点で体力の半分は使い果たした感覚。
観音正寺は、聖徳太子が人魚を救い、千手観音を祀ったという伝承を起源とする古刹。
近江国の要衝・安土山に位置し、古代から中世にかけて山岳信仰の拠点となった。
中世には佐々木氏(六角氏)の庇護を受け、武家と仏教が結びついた寺院として栄える。
戦国期の兵火で衰退するも、江戸時代に西国三十三所札所として再興された。

疲れました。
膝はしっかり笑っています。しかし、観音寺城はこの先に!行くしかない。

うわ~なんかすごいなあ。来迎図かなんかを岩で現わしているのでしょうか。さ、息も整ったところで先に進みます。
一気に本丸を攻めます


伝本丸へ至る 大石段

苔むした石段の雰囲気が非常に良く、「これぞ山城×寺院の世界」という空気をつくり出しています。

この階段は、伝本丸へ続く一本道
折れや升形など一切ない。こんなにアクセスが良くて防備は大丈夫なのかとも思う。かつては、「大手道」とか言われていましたが、
最新の研究では「大手道ではない」とされつつあるようです。何か、お寺の参道のような気もします。
どのような目的でこれが作られただろうか。安土城や日野江城の階段遺構とは、意味合いが少し違う気もします
階段を上がると 伝本丸へ

伝本丸へ上がったものの、ここは山頂ではない。ちょっと低い場所に伝本丸があります。謎ですね


巨石による違い虎口。なかなかの大きさ。一乗谷の入口を彷彿とさせます。素晴らしいです。
有名な伝平井丸


埋み門があります

中にも虎口があります


完全な住居スペースに思えます。かなり広い

伝平井丸の虎口。威厳の圧が凄いし。強いて言えば、

ジャングル密林の巨大遺跡!
家臣でこの規模は必要!?平井氏とは相当の権力者だったのでしょう。

かなりの巨石を打ち込みハギで造っている。ここまで巨大な岩石を使うケースは珍しい。圧巻です。

ゴールの伝池田丸へ


地下室??伝平井丸にもありました

結構な歩数と情報量で疲れ果て、

30分ぐらいボーとしていました
さ、戻るか。
伝落合丸を通って、再び伝池田丸へ


伝平井丸に戻って来ました。これまで歩いてきましたが、この城は、どれが「大手道」になるのか不明です。伝池田丸~伝平井丸への道は、かなり立派です。
感じたこととしては
家臣団との集団生活が凄い

城内には「伝〇〇邸」と呼ばれる屋敷地が北部を含めて無数に存在しており、時間と体力の関係で全ては回り切れないほど。
それでも、家臣団の屋敷が山中にこれだけ密集しているという事実から、
「縦よりも横の関係が強かったのかもしれない」
という印象が残りました。
この城の概要
観音寺城は、滋賀県近江八幡市の観音寺山に築かれた大規模山城で、六角氏の中心となった中世屈指の城郭です。
標高約432mの山上から南側まで広く郭が分布し、巨石の虎口・屋敷群・段々曲輪が続く構造が特徴で、日本100名城(No.52)にも選ばれています。
この山城の魅力|3つのポイント
① 体験価値(ウェルネス)
・麓から巡礼道を登る時間そのものが静かに深まり、“歩くリズム”に集中しやすい。
・観音正寺から山腹の屋敷群に進むほど、巨石と石垣が重なる空間に包まれ、場面の切り替わりが続く。
② 遺構の固有性
・伝本丸・伝平井丸・伝池田丸が谷を挟んで並び、屋敷城的な空間が山腹に広く展開する。
・巨石虎口・埋み門・居住的な曲輪群が連続し、日本100名城にふさわしい大規模さを感じる。
③ 景観・地形の固有性
・標高約432mの観音寺山全体に郭が散らばり、“全山要塞”の起伏を歩きながら味わえる。
・急斜面の段々曲輪と巨石群、そして眺望が重なり、地形と城郭が一体となった景観が立ち上がる。
地形・地質のポイント

観音寺城の立地する観音寺山は、湖東流紋岩を主体とした硬い岩盤からなる山で、安土山と並んで湖東の火山地形の一部として語られることもあります。
山上と山腹にはこの湖東流紋岩の巨石が露頭し、その石材を利用した石垣・虎口・段々曲輪が、急斜面に段状の居住空間を刻み込んでいます。
「なぜここに城が築かれたか」という点では、急峻な尾根と谷が防御上のまとまりを作り、巨石を虎口や石垣に転用しやすい地形だったことが、背景として考えやすいです。

安土城と同じ「流紋岩(ピンク部分)」。通ってきた「観音正寺」裏に祭られている。

これらの仏様も流紋岩ということになります。
周辺観光・温泉(地域共鳴)
温泉|長命寺温泉 天葉の湯(車で約20〜25分)
観音寺城から湖岸側へ下り、近江八幡市・長命寺山の麓にある日帰り温泉「長命寺温泉 天葉の湯」は、城歩き後に立ち寄りやすい距離感の施設です。
- 泉質:単純弱放射能温泉(天然温泉)
登城後に汗を流しつつ、琵琶湖エリアの余韻で静かに区切りをつけるのに向きます。
グルメ|温泉併設の食事処・湖畔の定食
長命寺温泉 天葉の湯には、和食中心の食事処が併設されており、湯上がりに軽めの定食やうどん・そばといったメニューを楽しめます。
城登山 → 温泉 → 定食という流れにすると、動線が作りやすいです。
名所|西国三十三所 第31番札所・長命寺
温泉のすぐ近くにある長命寺は、西国三十三所第31番札所として知られる古刹で、808段の石段を上った先に、琵琶湖を一望できる堂宇が並びます。
観音正寺(第32番)とあわせて巡ることで、
「観音寺城+観音正寺+長命寺+温泉」という、歴史と景観がひと続きになる周遊コースが組めます。
まとめ
観音寺城は、麓から登った場合
・麓からの巡礼道と急な石段で、歩きごたえと達成感が強い点、
・巨石を用いた虎口や屋敷群がつくる“家臣団との集団生活空間”を身体で感じられる点、
・湖東流紋岩の急峻な地形と琵琶湖の眺望が重なるダイナミックな景観、
という意味で、初心者よりは「山城に少し慣れてきた中高年ハイカー」に向く山城ウェルネス・フィールドだといえます。
最も印象的なのは、やはり伝平井丸・伝池田丸周辺の巨石石垣と屋敷群。
「山の上にこれほどの街があったのか」と感じる瞬間が、この城ならではのハイライトではないでしょうか。
主な出典
- 近江八幡市公式サイト「観音寺城跡」
- 観音正寺・長命寺 現地案内・公式情報
- 産総研地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図V2」
- 『観音寺城跡 整備基本計画』近江八幡市教育委員会ほか
免責
本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。





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