滋賀

小谷城(滋賀県長浜市)|黒鉄門は、なぜ「あの位置」に築かれたのか?

山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス

山城ACTレベルの設定理由
全体は寄り道込みで3時間前後になり、低山ハイクとしては「しっかり歩く」部類です。
前半は緩やかで歩きやすく、後半ほど段差・傾斜が増して負荷が上がっていきます。
段階的に強くなる構成なので、中級(★★☆)に置きました。

山城Wレベルの設定理由
遺構が“段階的にスケールアップ”していくため、途中から没入が深まりやすい城です。
黒金門付近から上は、石垣帯・大堀切などで空気感が切り替わる場面が連続します。
終盤の密度が高く、W3に置くのが自然だと判断しました。

主なルート
小谷城戦国歴史資料館登山口 → 御茶屋跡 → 御馬屋跡 → 金吾丸 → 黒金門跡 → 大広間跡 → 本丸・中の丸 → 京極丸 → 小丸 → 山王丸・大石垣
往復約3時間(寄り道多めで+30〜60分)

累積標高差と所要時間
累積標高差:未計測 / 所要時間:目安 約3時間(寄り道で増減)

地形の特徴
前半は緩斜面主体の尾根道、後半は段々曲輪と石垣帯が集中します。

アクセス・駐車場

  • 登山口の位置
    小谷城戦国歴史資料館周辺が主な起点になります。資料館から登山道に入る大手道コースが一般的で、案内板もしっかり整備されています。
  • 駐車場
    • 小谷城戦国歴史資料館近くに来訪者用駐車場あり。
    • さらに上部に中腹駐車場も整備されており、体力や時間に応じて駐車位置を選ぶことができます。

現地レポート|ルートと見どころ

小谷城の登城道と周辺の雰囲気(尾根筋の登り始め)

尾根構造と曲輪配置
山腹までは比較的なだらかな尾根に広い曲輪(御茶屋跡・御馬屋跡など)が並び、上部に向かうにつれて尾根が細くなり、大広間〜本丸〜山王丸へと段々に曲輪が積み重なる構造です。

大堀切とチャート石垣
本丸背後には幅約20 m級の大堀切が掘り割られ、この土木作業で大量のチャートが得られたと考えられます。そのチャートが本丸周辺の大石垣や山王丸裏の石垣に活かされている点が、小谷城の見どころです。

入口~御馬屋跡まで

小谷城の登城口付近(整備された入口の景観)

出丸跡

小谷城・出丸跡の曲輪(広さが分かる景観)

基本的には、なだらかな山登り道です。

金吾丸に到着

小谷城・金吾丸の曲輪(尾根上の平坦面)

(中間分岐型)番所跡

ほどなくして番所に到着。ここからいよいよ城内になりますね。

小谷城・番所跡周辺(道と曲輪の様子)
山城Q
山城Q

わくわくします

虎御前山砦 を望む

小谷城から見た虎御前山砦方面の眺め

小谷城の正面に位置する丘。織田軍の小谷城攻めにおける前線砦群がある。近いなあ。

御茶屋跡

小谷城・御茶屋跡の曲輪(休憩しやすい平場)

御茶屋跡があったり、なんとなく雰囲気もまったり。

戦国庭園

小谷城・戦国庭園(石組みや地割りが残るエリア)

個人的に戦国庭園に興味があります。なんというか豪快というか力強さを感じることが多い。山梨の要害山城でも、本丸に似たような雰囲気の庭跡がありました。

御馬屋跡

小谷城・御馬屋跡(広い曲輪と土塁が分かる景観)
小谷城・御馬屋跡周辺(曲輪の端部と地形の様子)

実際は、立派な曲輪で土塁もあります。この下は、御茶屋跡がありますので、重要な防衛拠点なんだと思います。

馬洗池

実際に水がありますし、ここまで馬で来られたってことなのでしょう。

小谷城・馬洗池(中腹に残る池)
小谷城・馬洗池周辺(池と周辺の地形)

「首据石」、くびすえいしと読むのでしょうか。ちょっと、雰囲気が変わって来ました。

黒金門付近

小谷城・黒金門付近(尾根が締まり雰囲気が変わる地点)

眺望

黒金門付近からの眺望(山麓側の見通し)

大広間跡から山王丸まで

小谷城・大広間跡周辺(段々曲輪が続く上部エリア)
小谷城上部の登り(曲輪の段差と道の様子)
小谷城上部の曲輪群(尾根上の連続する平場)
小谷城上部の遺構(曲輪端部と地形の変化)

本丸跡は この上

本丸方面への案内・登りの区間(上部へ向かう道)
小谷城上部で現れる石垣帯(チャート石が目立つ地点)

ここにきて、ようやく立派な石垣が登場します。チャート石が豊富にあるからでしょう。チャートは非常に硬く、加工が難しいと思います。

本丸裏の大堀切

小谷城・本丸裏の大堀切(幅の大きい掘り割り)
本丸裏の大堀切の周辺(掘り割りと地形の連続)

何やらチャート石がドンドン増え始め、本丸裏の大堀切に繋がります。ここは広いです。横幅約20m程度。ここの土木作業で大量のチャートが出てたはず。

中の丸

小谷城・中の丸(上部曲輪の一角)
小谷城・中の丸周辺(道と曲輪のつながり)
小谷城上部の曲輪群(尾根上の段々配置)
小谷城上部の遺構(曲輪端部と地形の変化)

京極丸から小丸を経て

小谷城・京極丸周辺(曲輪の広がり)
京極丸から小丸へ向かう道(尾根上の移動区間)
小丸周辺の曲輪(段差と平場の連続)

山王丸

小谷城・山王丸(上部曲輪の一角)
山王丸周辺(石材が目立つ地点の景観)
小谷城・山王丸裏石垣(見逃しやすい石垣帯)

山王丸裏にもきちんと石垣があるので、これを見逃すにはもったいない。

目当ての大石垣

小谷城の大石垣(チャート石の迫力が分かる)

かなりの迫力!

小谷城周辺の地質図(産総研シームレス地質図V2を元に加筆)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

地図でもお示しの通り、中腹以上にチャートが産出するので、本丸やここに石垣を造ったのは、以下には岩石が適さなかったのかもしれません。近場の山本山城や虎御前山砦には、石垣らしい石垣はありませんでした。

詰の城 大嶽城 はまだこの先

小谷城上部から先の道(詰城・大嶽城方面)

時間的に余裕が無かったので、詰城の大嶽城はまたの機会に。是非とも登城してみたいものです。

この城の概要

小谷城は、戦国大名・浅井長政の居城として知られる、日本五大山城のひとつです。

尾根上に金吾丸・大広間・本丸・中の丸・京極丸・山王丸などの曲輪群が連なり、山頂付近にはチャート石を用いた大石垣と本丸裏の大堀切が残ります。日本100名城(No.52)にも選定されており、山全体が巨大な戦国山城のフィールドミュージアムになっています。

~参考~ 日本五大山城
1.春日山城(新潟県)

2.観音寺城(滋賀県)

3.小谷城(滋賀県)

4.月山富田城(島根県)


5.七尾城(石川県)

この山城の魅力|3つのポイント

① 体験価値(ウェルネス)
前半は緩やかな尾根道と広い曲輪が続き、散策の延長で入っていけます。黒金門付近から上は遺構の密度が上がり、場の切り替わりがはっきり出るタイプの山城です。

② 遺構の固有要素
戦国庭園・御馬屋跡・本丸裏の大堀切・山王丸裏石垣・大石垣など、見どころが段階的に連続します。中腹は土の要素が中心で、上部に石垣帯が集中する“二層構造”が分かりやすい城です。

③ 景観・地形の固有性
尾根筋の段々曲輪が続き、上部ほど視界が開けます。山麓側の砦群や琵琶湖方面が同じ視野に入り、「平地・湖・山城」が一枚で見える角度があります。

山城Q
山城Q

この城、途中から雰囲気が一変します

地形・地質のポイント

「そこに築かれた必然性」

中腹の広い曲輪群と、上部の石垣帯が分かれているため、現地を歩くと「構造の切り替え」が読み取りやすいです。地形条件と資材条件が噛み合う場所に、要点が集約されたようにも見えます。

特に「黒金門跡」から上部

登城中、突然、岩石がちらほらしてきて雰囲気が変わります。

黒金門跡へ近づく区間(岩石が増え雰囲気が変わる)
小谷城周辺の地質図(産総研シームレス地質図V2を元に加筆)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)
山城Q
山城Q

小谷城の「黄色い部分」

この辺りは、混在岩で、ちょうどその部分に城が築かれております。特に面白いところは、「チャート層」なんです。岐阜城と同じ。位置的にも合っていて、つまり、そこには

黒金門付近の登城道(石材が目立つ区間の景観)

「黒金門」が存在するのです。なぜ、突然この門が出来たのか合点がいきます。

周辺観光・温泉(地域共鳴)

温泉|北近江リゾート「北近江の湯」(車で約25〜30分)

小谷城から北へ向かうと、中高年ハイカーでも立ち寄りやすい大型温泉施設「北近江の湯」があります。地下1500mから湧き上がる天然温泉で、露天・ジャグジー・サウナが揃い、登城後のクールダウンにちょうどいい落ち着きがあります。駐車場も広く、ゆっくり体を休められるのが魅力です。

グルメ|道の駅 浅井三姉妹の郷(約15分)

地元食材を使った定食や軽食が揃い、登城前後の腹ごしらえに便利。甘味処もあり、歩いた身体をやさしく回復してくれます。

名所|虎御前山砦(小谷城の対面)

小谷城と向かい合う戦略的な丘陵で、斜面配置と見晴らしが特徴。小谷城の姿を対面から眺められるため、セット訪問に適しています。

主な出典

  • 長浜市公式サイト「小谷城跡」
  • 小谷城戦国歴史資料館 現地案内板・配布資料
  • 産総研 地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図V2」

免責

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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