
この山城の魅力|3つのポイント
1.雄大でおおらかな「全山山城」を歩く体験
春日山全体に曲輪と屋敷跡が広がり、春日山神社から本丸・直江屋敷・千貫門跡まで「見渡す限り春日山城」というスケール感を味わえます。
2.大きな屋敷跡と連続する段郭の迫力
南三の丸・柿崎和泉守屋敷・直江屋敷などの広い屋敷跡と、斜面にびっしり続く段郭、空堀や巨大な井戸がつくる「土の城」のダイナミックさを体感できます。
3.本丸から眺める日本海と高田平野
本丸天守台跡から高田平野と日本海を一望し、「ここまで登ってきた」道のりを振り返りながら、ふっと力が抜けるような眺望の時間を過ごせます。
今回は、ゆっくりハイキング

今回は、春日山神社手前の駐車場に車を停めて、いざ登城。下調べの段階で、本丸にはいくつものルートがあることが分かっていたので、目一杯の時間を確保して、ぐるりと周遊してみることにしました。
春日山神社前の駐車場〜大手道入口〜番所跡〜南三の丸屋敷跡〜柿崎和泉守屋敷跡〜御成街道〜景勝屋敷跡〜井戸曲輪跡〜油流し〜天守閣跡〜本丸からの眺望〜護摩堂・毘沙門堂〜直江屋敷跡〜虎口跡と堀切〜千貫門跡まで。
現地レポート|ルートと見どころ

春日山城 大手道入口へ
まずは、神社前駐車場から南下し、春日山城大手道入口へ。ちょっと歩きます。


とにかく広大な山城で、この辺りの雰囲気などは、本当にのどかです。

とても雄大!
なかなか表現しづらいですが、「ホッと」できる場所。それが春日山城。ちょうど時期的に雪解けなので、水の音がチョロチョロ聞こえて、歩いているだけで気持ちがゆるむような時間でした。

高い土塁の番所跡



結構、残雪が残っていました。いつも登山靴で登りますので問題はありませんが、固まっていると滑るので注意が必要です。

そんな時、たまにこんな道があるとホッとします。

段郭が下まで続いています。

この切通は厄介。雪渓のようになっていて、とにかく歩きにくい歩きにくい。結局、雪で濡れましたけど。。。
南三の丸屋敷跡


重要な場所のようですが、見る限りは雪原で、「もう何が何やら」という感じです。雪も降り過ぎると、ざまあないですね。

柿崎和泉守屋敷跡


ここからも下まで続く段郭。この程度の雪なら、しっかり押さえられているので、遺構確認がしやすいです。
御成街道



ここをちょっと上がると――。
景勝屋敷跡


重要な曲輪だったということでしょう。

そして、フキノトウがこんなにも群生していました。
井戸曲輪跡



この井戸は、超巨大です。井戸曲輪を冠するだけあって、かなり立派。かつて井戸を掃除した時に、いろいろ遺物が発見されたとか。
油流し

油流しというぐらい急な坂でした。決して登っておりません。
天守閣と城址跡


天守閣からの眺望 見渡す限り春日山城


ずっと上がってきました。見渡す限り春日山城なのです。なかなか見ごたえのある山城です。
護摩堂とか毘沙門堂とか


上杉謙信は、真言宗だったということでしょう

上杉謙信といえば、毘沙門堂で数珠片手に、一晩中、火相手に祈っているイメージが強いのです。
それがここ!?


近づいて撮影すると、中はこんな感じでした。ここで「座禅体験1日プラン」とかあれば、応募殺到間違いなし!

直江屋敷跡


ここの縄張りはしっかりしています。「愛」を感じますね。

直江屋敷側から本丸を見る。こう見ると、「全山山城」というのがよく分かります。
虎口跡と堀切


虎口と堀切ですが、この山城の特徴としては、各屋敷跡は大きく、曲輪もしっかりしていますが、あまり技巧的な防御システムは見られません。
千貫門跡


強いて言えば、この千貫門跡が技巧的な感じです。空堀が確認できます。大手門の逆だから、搦め手門という位置づけだったのでしょうか。



さて、ぐるりと外周を回ってきました。季節柄にも恵まれ、凛とした空気と春の訪れを感じることができました。
林泉寺 上杉謙信公の墓所は必見




人によって感じ方はさまざまですが、管理者は、この御墓前に立つと、

カタガタ身震い
をしました。そして、今、ブログを書いている最中も、この写真を見ると背筋がゾクっとします。
春日山城自体は超巨大山城ですが、ガチガチに凝りに凝った山城というより、どこか雄大で、ゆったりとした印象を受けました。この御墓前に立った時に気が付いたことは、

これが、カリスマ性というものか
と、ストンと腑に落ちたのでした。つまり、「雄大さ」や「落ち着き」、ゴチャゴチャしたものを削ぎ落とした先に残る「ネームバリュー」「存在感」なのだろう、と感じました。
この城の概要
春日山城は、新潟県上越市に位置する山城で、越後を治めた長尾氏・上杉氏・堀氏の居城として知られます。特に戦国の名将・上杉謙信の居城として名高く、現在は国指定史跡となっています。
春日山そのものと周囲の尾根・谷を含む「全山山城」で、主郭・二の丸・三の丸に加えて、南三の丸屋敷跡・柿崎和泉守屋敷跡・直江屋敷跡などの大規模な屋敷群、番所跡の高い土塁、千貫門跡の空堀や堀切、井戸曲輪の巨大な井戸など、土を主体とした壮大な縄張りが山全体に展開しています。石垣よりも土塁・空堀・段郭が主役の「土の巨城」です。
春日山城は日本100名城(32番)に選ばれた山城です。
~参考~ 日本五大山城
1.春日山城(新潟県)
2.観音寺城(滋賀県)
3.小谷城(滋賀県)
4.月山富田城(島根県)
5.七尾城(石川県)

アクセス・駐車場
・登城口
春日山神社前から大手道を進むルートが分かりやすく、最も一般的です。史跡広場側から入る周回ルートも選べます。
・駐車場
春日山神社前に無料駐車場があります。観光シーズンは周辺に臨時駐車場が設けられることもあります。
・トイレ
春日山神社周辺に公衆トイレあり。城域の山中には基本的にありません。
山城ACTレベル 山城Wレベル
山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W3 ★★★
山城ACTレベルの設定理由
標高は200m未満でも城域が広く、歩行距離は3.5〜4.8kmと長めです。
登り下りが細かく続き、累積標高差は300m前後と適度な負荷があります。
道の整備は良好で危険箇所が少ないため、総合的に★2(中級)と判断しました。
山城Wレベルの設定理由
本丸・柿崎屋敷・直江屋敷・千貫門跡を巡る導線で、谷と尾根、景色が静かに切り替わります。
生活の痕跡が残る屋敷跡が連続し、歩きながら“場の奥行き”を感じます。
歩行後の静かな没入感が深く残るため、W3(深い没入)としました。
主なルート
春日山神社〜本丸〜直江屋敷〜千貫門跡(約3.5〜4.8km)
累積標高差:約300m
所要時間:2.5〜3時間(本丸往復だけなら約1時間)
地形の特徴(1行)
尾根上に段状曲輪が広がり、外周に空堀・堀切群がまとまる構造。
注意点(1行)
残雪期は切通しが滑りやすく、初訪問は時間にゆとりを。
一言補足(1行)
広い城域なので、小まめな休憩を入れると最後まで楽に歩けます。
周辺観光・温泉(地域共鳴)
■日帰り温泉:釜ぶたの湯(上越妙高駅前の日帰り温泉施設)
上越妙高駅西口エリアにある「釜ぶたの湯」は、駅前で気軽に立ち寄れる日帰り温泉施設です。泉質はナトリウム−塩化物・炭酸水素塩温泉で、内湯・露天風呂・サウナなどを備えています。電車移動と組み合わせて「春日山城+温泉」で一日を締めくくるのにちょうどよいロケーションです。
■グルメ:直江津「レストラン大宝」のタレカツ丼
上越のご当地グルメとして知られる「タレカツ丼」。直江津エリアの老舗「レストラン大宝」は、長年地元で親しまれてきたタレカツ丼とラーメンの店で、国道沿いに新装オープンした店舗は、地元客や観光客でにぎわいます。タレにくぐらせたカツとご飯をしっかり味わえるボリューム感は、春日山城を歩いたあとのエネルギー補給にもぴったりです。
まとめ
・初心者・中高年に向く理由
・標高はさほど高くなく、整備された大手道を中心に歩けるため、体力に不安がある人でもコース選択次第で無理なく楽しめる
・本丸往復だけのショートコースから、外周を含めたロングコースまで段階的にプランを組める
・春日山神社や林泉寺など、山歩きの前後にゆっくり滞在できる平地スポットが多く、休憩の選択肢が豊富
・ウェルネス総括
春日山城は、「超巨大な土の山城」をゆったり周遊しながら、静けさ・雪解けの水音・広い空・大きな屋敷跡を全身で味わう場所です。本丸からの眺望や林泉寺での時間、下山後の温泉やタレカツ丼まで含めると、一日を通して心と体のペースを整えやすい「山城ウェルネス」のモデルコースといえます。
【免責】
本記事は個人的な体験・調査に基づくものであり、効果や歴史を断定するものではありません。訪問時は最新情報をご確認ください。









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