岐阜

岩村城(岐阜県恵那市)|断層帯に築かれた「六段石垣の大山城」

山城ACTレベル:上級 ★★★ 山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス

山城ACTレベルの設定理由
標高差が大きく、長い登りと尾根歩きが続くため、体力への負荷は高めです。
石垣帯を含む区間は段差が多く、足場の不均一さも登りごたえにつながります。
全体として「しっかり登る山城」であり、上級★★★と判断しました。

山城Wレベルの設定理由
段郭と石垣が連続し、尾根構造と遺構の関係を追いやすい城域です。
高度が上がるにつれて景色や風の抜け方が変化し、山上の静けさが深まっていきます。
遺構の密度と変化が大きいため、W3 ★★★ としました。

主なルート
麓駐車場〜登城道〜六段壁〜本丸〜太鼓櫓跡(往復 約6〜7km)

累積標高差と時間
累積標高差:約450〜500m
所要時間:3時間(目安)

地形の特徴
深い谷と長い尾根が交差する高所に築かれ、石垣帯が連続する山上城郭。

アクセス・駐車場

  • 登城口:城山登山道(麓から山頂へ向かうルート)
  • 公共交通:明知鉄道「岩村駅」から城下町を経由して徒歩で登城口へ

現地レポート|ルートと見どころ

麓に残るなまこ壁(城下町の建物外観)
麓にあった見事な「なまこ壁」
岩村城の登城口(登山道の入口)
登城口

登城口

ここが登城口です。日本三大山城ということで、覚悟をもってやってきました。
基本的に「下から登る」という主義なので、「どれぐらい時間がかかるかな…」と思いつつ歩き始めます。

整備された登城道(登りの序盤の様子)

道は整備されており、体力次第でドンドン登ることができます。

(中間分岐点)一の門

三重櫓付近の石垣群(城域の密度が分かる地点)

そのまま登ると一の門に到着。ちょうどい運動でした。ここからが城内になる。

三重櫓付近

途中には続く石垣群。かなりの居住性が確認でき、これを見ると疲れが吹き飛ぶほど。

石垣と段郭が連続する城域(登城途中の景観)

大手門

大手門付近の大手道(両側に石垣が並ぶ通路)

大手道。両方に石垣を積んだものです。

霧ヶ井戸(城内の井戸跡)

この城には、いくつも井戸があります。霧ヶ井戸。何やら由来もあります。

菱櫓付近の高石垣(見上げる角度の迫力)

このあたりまで来ると、高石垣が迎えてくれる。菱櫓。高い。

六段壁(電柱付き)の高石垣

六段壁(電柱が写る時期の高石垣)
六段壁(電柱付き)
六段壁周辺の石垣帯(近接して見上げる景観)

これか~。六段壁(電柱付き当時)。

なるほど~、これは、意図的に六段にしたのだろうか。石川県の七尾城の馬場らへんにも何段かの石垣がありますが、あちらは技術的に積み上げられなかったとか。こちらもそうでしょうか。

にしても、見事な打ち込みハギ。角が下を向いて積み上げているので、江戸時代頃でしょうか。

六段壁の上部から見下ろした石垣(角石の並びが分かる)

石垣の頂上から、下を覗くと、見事に角が並んでいます。素晴らしい。

う~~ん、意図的に六段にしたような気もします。それにしても綺麗です。こういう整然ととか大好き。隣の菱櫓との対比も面白いかも。

六段壁の石垣面(段差と積み方が分かる)
山城Q
山城Q

重厚感もあって良いです

ここまで来ると、呼吸も落ち着いて、周囲を見る余裕が出てきます。体も温まり、じっくり石垣を眺められるタイミング。

3つの石垣積み方が見て取れる埋門

埋門(石垣の積み方の違いが見比べられる地点)
埋門

ここ、
左:野面積み
正面:切り込みハギ
右:打ち込みハギ

それぞれに造られた時代とか修復された時代が違うのでしょう。

出丸は駐車場でした

出丸跡の駐車場(山上近くまで車が入れることが分かる)
出丸が駐車場

今回、一番驚いたのが、この駐車場の存在。日本三大山城というので、登城手段が徒歩しかないと思い込んでいました。しかし、「なんかやたら、車が上がってくる音がするなあ」と裏の出丸跡を覗くと。。。

「え!そうなん!」
「こっちは、はぁはぁ(*´Д`)いいながら登ってきたんですけど!!」

ここに登るの、結構体力を使ったので「なんだかな~。」という感じながら、下城しました。有名な六段壁も見れたし、ま、良いか!

この城の概要

岩村城は、尾根上に段郭と石垣を連ねた山城で、山上に広がる城郭空間の密度が特徴です。江戸時代には岩村藩の中心となり、後には藩主・松平氏の時代に現在の景観に近い姿へと整えられました。

岩村城は「日本100名城」に選定されている代表的な山城のひとつです。

地形・地質のポイント

岩村城周辺の地質分布(シームレス地質図の引用図)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日),https://gbank.gsj.jp/seamless より山城渡りQが加筆・修正したもの(スマホで拡大可能)

岩村城の周辺は、濃飛流紋岩類と花崗岩類が近接する地域にあたります。

城域では、場所によって岩の見え方や石材の雰囲気が変わり、山上の遺構とあわせて立体的に楽しめる要素になっています。

この山城の魅力|3つのポイント

1. 日本三大山城の威容と圧倒的スケール
石垣群・段郭・大手道など、山城の構造を体感的に理解できる「巨大な城郭空間」です。歩くほどに、静けさと緊張感のバランスが際立っていきます。

2. 六段石垣(電柱付き)の“当時しか見られない姿”
現在では撤去された電柱がかつて立っており、貴重な写真となります。

3. 山上に連続する石垣帯と段郭の密度
石垣と段郭が次々に現れ、見どころが途切れません。城域を進むほど、遺構の重なりが立体的に見えてくるのが、この城の特徴です。

周辺観光・温泉

温泉

クアリゾート湯舟沢(車約10分)

  • 利用:日帰り入浴可(営業状況は事前確認推奨)

※入浴の可否は、当日の体調や予定に合わせて無理なく判断してください。

グルメ

岩村名物:カステーラ
素朴で柔らかく、登城後の甘味としてちょうどよい一品です。城下町の菓子店で味わうと、町並みとあわせて記憶に残ります。

名所

岩村城下町(重要伝統的建造物群保存地区)
江戸の町並みが続く、美しい街道空間。城と町の結びつきを感じられ、「山城+城下町散策」のセットで楽しめるエリアです。

主な出典

出典:『日本城郭大系』、岐阜県・恵那市の文化財資料、産総研地質調査総合センター「日本シームレス地質図」、国土地理院地形図 ほか

免責

本記事は山城Q個人の体験・感想・調査に基づくものであり、歴史的事実や効果を断定するものではありません。訪問・登城の際は最新の現地情報をご確認のうえ、安全に十分ご配慮ください。

コメント