基本情報
形態:山城というか岩城
史跡指定:県指定史跡
標高:530m
城の整備:駐車場 トイレ完備 登城道あり。駐車場までコンパクトカー可
所要時間:3時間
訪問日:2018年3月
駐車場 アクセス
うわさに聞きし、長岩城。。。。まず、注意事項を提案します
注意事項の確認
1.太ってる人
2.足腰が弱い人
3.高所恐怖症の人
4.ザックを背負ってる人
5.運動靴の人
6.二日酔いの人
は、止めた方が良いです。滑落します。
1.雨の日
2.中高年以上の単独登城
何があっても完全自己責任と考えて下さい。
また、
ハイカット登山靴よりも、トレランに使うような靴底が柔らかいローカットをお勧めします。私は、そうしました。中途半端な気持ちでは登らないことをお勧めします。
縄張り図 現地看板
城域に入る
この看板を写真に撮って下さい。石積櫓や、弓形砲座に至る際の心強い味方となります。
一之城戸
二之城戸
一之城戸はやり過ごすと、奥には、二之城戸が迎えてくれます。
両脇を石積が固める。なるほど~。この石塁は、確かに他では見かけることはないなぁ。独特だ。強いていえば、長野県の松尾古城の石積に近いのかな。
三之城戸
途中から道がなくなり、沢を奥に進むと、三之城戸が現れます。より立派になってます。
とりあえず、三之城戸を過ぎると、分かれ道があるので、主郭を目指して進む。
そして、途中にふと振り返る。
「何か先に、人工物が見えるぞ!もしや。。。」
「あ~、なにかある。」
「もしかして、あっちに行くことになるんだろうか」
と、距離の遠さにワクワクが高まるなか。
登るべからず! 長い石塁
登城道を登り進むと、眼前横に石積が現れます。わお!!
なっっっっがい!!よくもまぁ、こんなにも積んだものだ。こんな斜面にこれだけ積むって、相当な労力だろう。
しかし、なぜ、ここまで防備を固める必要があったのだろうか。相当な外界プレッシャーがないと、
ここまではしないだろう。誰に備えたのか???
砲座と呼ばれる石積み
このような砲座と呼ばれる場所が点在します。
主郭の二段石積み
主郭に到着。二段に積み上げられた石積。この急斜面でこれだけの量を積んで400年もよくもったものだと思います。美しい。
そして、主郭から下山することに入口が狭く作られていて、防御度が高い。作り手も石積経験が豊富になってきて、「ここも作ってしまえ」という空気を感じる
本当の戦いは、ここから
さ、いよいよ
ここからが勝負どころです。
弓型砲座へは行けないんですね なるほど
さて、本命。
「これか~。」
「これを登るのか~~。」
「登らせるか~~。」
体重70kgの私に耐えられるか。しかも、若干に斜めに掛けられている。正直、上は、固定が甘い!グラつく!!!だ、大丈夫か!!!
とりあえず、梯子を登り切り上のスペースに。
グラグラなハシゴを登り切った先には、一応、ロープがあり、誘導はしてくれる。しかし、このロープを頼る気は毛頭ない。ユルイ。ノビテイル。掴むときは、落ちる時だろうなぁ。
両サイドは、切り立った谷です。下は良く見えない。
お!!何かが見えてきましたよ。
これがウワサの石積櫓
ここがみどころ!!
こ、これが、有名な石積櫓かぁ。
かっこいいな~。鉄砲銃眼?が開いているし。これは、確かに他所では見たことがない。
でも、チベットとかの山岳でこんな石積をみたことはある。パゴダ (pagoda)。上に旗とかが立ってる。小豆島の星ヶ城山でも同じようなものを見た記憶がありますが、あれは宗教的な建築物だとか
どのように使ったのだろうか。鉄砲銃眼としても、発射方向はほぼ真っすぐのような気がする。弓は幅的に無理だし。ここに数か所だけでは、斉射してもたかが知れているし。攻撃能力は高くないような。
しかし、ここの使い方について後の体験からヒラメクことになる。たぶんそうだと思う。
さらに、弓型砲座を目指すが。。。
さて、少し引き返し、次は、分かれから弓形砲座へ行けるとこまで行ってみようと思います。しかし、万全の注意を払い、一歩一歩進みます。その前に、途中に別の分かれがあるので、そちらを進んでみます。
途中からは、もはやロープなどありません。
ちょっと、降りて進みます。
あ、無理。岩盤むき出しで、これ以上進むことはできません。特に、雨のあとは侵入不可でしょうね。
絶望の断崖絶壁
それにしても、左側を見てください。
断崖絶壁
途中からは、明らかに人が通った形跡がありません。そんな時、ふと
「なんで、こんなとこにいるんだろう。」
「無事に帰られるのか。」
「道は、ここで合ってるよね。」
とか考えはじめましたので、このルートはギブアップ!これ以上は進めません。そして、再び、弓型砲座へのルートに戻ります。
ふと、周りを見渡すと、さっきの、、、石積櫓を見つける。
当然、ロープはなく。もう、馬の背を歩くことになります。
うわ~。落ちたら終わる。絶対に終わる。
そして、転進へ!
かなり、弓型砲座に近づいていると思います。しかし、ここがネック。少し段差があり、飛び降りないといけない。しかし、この草に着地し、その上を滑らずに進む勇気を持てないです。
というか、ここまでで疲労困ぱい。かなり精神をすり減らしすぎ。
ちょっと先を見てみると、まだまだ岩石剥き出し。「これは無理だ。」ここは降りてはいけない。降りたは良いが。帰りにまた、上がらないといけない。たぶん戻れない。
「転進(勇気をもって退却すること)!!」
もう、これ以上の探索は諦めよう。弓型砲座も諦めるしかないと思っていた矢先。車に戻り、少し下った帰路途中に
気を取り直して、別ルートから
弓形砲座への別ルートを見つける!!!
なんということだ
無理をしなくて良かった。
別ルートから登るとしっかり、目の前に石積みが迎えてくれます。ここもきちっと、防備されいます。すると、
弓型砲座
見えた見えた
ここがみどころ!!
これが弓型石積みか~。
でも、これは意味があるのか??どういう風な防御システム?穴は、一つしかない。
そして、本来の上から来るルートを見てみる。かすかに道が見える。こんなの人が通れるのだろうか。ここを通ってくるのは、狂気の沙汰だ。たまに、
「抜けた城」
があります。たとえば、対馬の金田城とか。あの城の頂上も「狂気」。人は、本当に守るべきものがあるときは、狂うことが出来る。多少みんな狂っている。
気づき
それにしても、いろんな疑問が浮かび上がる。
どのような防御システム?
なんだろうかと。ただの石積みだし。後ろからは丸見え。兵士は、どこで待機したのか?守りに付くだけで、必死。たぶん、トイレとか我慢??雨が降った時は、どうする??
謎しか生まれません。
しかし、ここまでの経験で分かったことが一つ。実際に、この馬の背のような道を進む。兵士の気持ちになるとよーーーく分かる。こんな道で突然、鉄砲の音がなったら、、、
「パーーーーーン!」
びっくりして、逃げ場がないこの道で、パニックを起こして、足を踏み外して落ちます。たぶん。これ。これ以上の抑止力はないでしょう。これが、私が経験して感じたこの砲座と櫓の戦術的使い道です。
戦略:抑止力
戦術:一発の鉄砲音のみでOK!!
くれぐれも自己責任でお願いします。
・危険危険危険危険危険危険危険危険
・周辺の山城とは一線を画す「異形の城」
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