香川

【香川県】星ケ城 名勝「寒霞渓」と諸説ありの謎の遺跡 

基本情報

 形態:山城 
 史跡指定:県指定史跡
 標高:817m
 城の整備:登山道あり 
 所要時間:2時間
 訪問日:2020.03

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)

駐車場 アクセス

「日本三大渓谷美」の一つ「国立公園 寒霞渓」ロープウェイ駐車場があります。

地質 環境

分かりやすい地質です。山頂に「讃岐岩質安山岩」が乗っかっており、その下は「角礫凝灰岩」、下層の基盤は「花崗岩」から出来ております。お隣の皇踏山城と似た感じです。

鳥瞰図 縄張り図

西の皇踏山城での第一印象で完全に消化不良に陥り、頭がパニックなりながら、お隣の星ケ城に移動する。

しかも、愛車MINIのガソリンメーターは、坂道になると量が少なく表示されるらしく、ガス欠に怯えながらの移動でさらにパニック。

途中、このような綺麗な山桜をしっかりと鑑賞できる余裕はなかった。ちょっと焦っている。

島なのでそんなにたくさんガソリンスタンドはないし。なんとか、残量少な目で、「国立公園 寒霞渓」ロープウェイ駐車場に到着。

楽しそうな家族やカップルを横目に、ハイキングを開始。いきなりやや登りから始まる。

実は、今回の小豆島訪問の目的は、この星ケ城に行くためでした。なんと言っても、城名に「星」が入る城ってあまり聞いたことがなく。

山城Q
山城Q

なんてメルヘンな名前だ

しかも、何やら謎の遺跡がある様子。これは見てみたいと。

星ケ城神社

星ケ城神社までは、割とアップダウンがりますが、道は下のような感じで歩きやすい。逆に、街服のカップルともすれ違ったりします。

城域に入る

空堀

はっきりとした空堀が確認できます。

鍛冶場跡

鍛冶場を持つ中世山城って、珍しい。古代山城ではありますが。

井戸跡

石組の井戸もあります。これは、山城には必須アイテム。

烽火台

祭祀遺構

いつの時代のものかはわからないが、多数の土師器が発見されたとのこと。

井戸と船形遺構

この石材は、石塁材料にはもってこいです。非常に使いやすいと思います。

そして、謎の遺跡

山城Q
山城Q

あれは、なんだ!

逆光で全く分からない。なんという不気味なシルエット!

山城とは無関係

これは、気になりますね~。なんだこれは。

測量にも使用するとのこと。子供は登りたくて仕方がないでしょう。

実は、昭和35年頃に、安山岩を丁寧に重ねて造られた宗教的建築物パゴタ。ビルマ(ミャンマー)様式の仏塔に似ています。これは城郭とは無関係だと思います。

遠望

この遠望を見ても、この場所が「星ケ城」というメルヘンな名前も納得できます。見晴らしが素敵です。

大事な気付き

それにしても、、、この星ケ城の造りは、いかにも中世戦国の城だということが分かります。

南北朝期の武将である佐々木信胤ささきのぶたねが、南朝側に味方して小豆島に拠った際の城とされていることは、素直にうなずけます。何の疑問もありません。

また、史跡内では時代の異なる輸入陶磁器類が多数確認されているとのこと。

しかし、1362年の「白峰合戦」に参戦した佐々木信胤ですが、その合戦以降の消息は不明とされており、どうもこの城は、その頃に廃城になった様子。となると

山城Q
山城Q

逆に、

西にある「皇踏山城」の異様さは際立ちます。この両城は作り方は全く違います。星ケ城こそ、中世の山城だと素直に感じることができます。

小豆島という島にある二つの山城。

皇踏山城は、遺物がなくが、大規模で雄大な土堤と切岸を備えた山城
星ケ城は、佐々木信胤による伝承もしっかり存在し、中世山城(南北朝時代?)に相応しい各設備を備えた山城

小豆島は謎がいっぱいです。

大阪城残石資料館

この日は、時間の関係で、東海岸にある残石街道に行くことが出来ませんでしたが、ここにもあります。これだけ、花崗岩が多ければ、良質な石材を確保できますよね。やっぱり、小豆島は「石垣の島」

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