香川

星ケ城(香川県小豆島町)|名勝「寒霞渓」と諸説ありの謎の遺跡 

山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス

山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W3 ★★★

ACTレベル設定理由

・登り始めから緩やかなアップダウンが続きます。
・登城路は整備されており、極端な危険箇所は見られません。
・観光客ともすれ違う環境で、体力要求は中程度です。

Wレベル設定理由

・城域に入った瞬間に空気が切り替わる感覚があります。
・遺構の連続と遠望が、自然と足を止めさせます。
・隣城との対比が、場の印象をより深めています。

主なルート
寒霞渓ロープウェイ駐車場 → 星ケ城神社 → 城域

駐車場 アクセス

星ケ城周辺の位置図(国土地理院地図をもとに管理者が加筆したアクセス図)
引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)

「日本三大渓谷美」の一つ「国立公園 寒霞渓」ロープウェイ駐車場があります。

現地レポート

星ケ城の登城口付近(寒霞渓周辺の山道と雰囲気)

西の皇踏山城での第一印象で完全に消化不良に陥り、頭がパニックなりながら、お隣の星ケ城に移動する。

しかも、愛車MINIのガソリンメーターは、坂道になると量が少なく表示されるらしく、ガス欠に怯えながらの移動でさらにパニック。

登城途中の山桜(小豆島の山道に咲く春の景色)

途中、このような綺麗な山桜をしっかりと鑑賞できる余裕はなかった。ちょっと焦っている。

島なのでそんなにたくさんガソリンスタンドはないし。なんとか、残量少な目で、「国立公園 寒霞渓」ロープウェイ駐車場に到着。

楽しそうな家族やカップルを横目に、ハイキングを開始。いきなりやや登りから始まる。

実は、今回の小豆島訪問の目的は、この星ケ城に行くためでした。なんと言っても、城名に「星」が入る城ってあまり聞いたことがなく。

山城Q
山城Q

なんてメルヘンな名前だ

しかも、何やら謎の遺跡がある様子。これは見てみたいと。

(中間分岐点)星ケ城神社

星ケ城神社の境内(登城路の途中にある神社と石段)

星ケ城神社は、体感として登城の中ほどにあり、前半の観光地的な空気から、後半の城域へ切り替わる“節目”になっています。

星ケ城神社へ向かう登城路(整備された歩きやすい山道)

空堀

星ケ城の空堀(形がはっきり残る堀切状の遺構)

はっきりとした空堀が確認できます。

鍛冶場跡

星ケ城の鍛冶場跡(作業場とされる平坦地と遺構の雰囲気)

鍛冶場を持つ中世山城って、珍しい。古代山城ではありますが。

井戸跡

星ケ城の井戸跡(石組の井戸が確認できる場所)
星ケ城の石組井戸(石組の構造が分かる近景)

石組の井戸もあります。これは、山城には必須アイテム。

烽火台

星ケ城の烽火台跡(高所の平坦地と見晴らしの雰囲気)
烽火台周辺の景(見通しの良い場所と地形の様子)

祭祀遺構

星ケ城の祭祀遺構(石の配列と遺構の雰囲気が分かる場所)

いつの時代のものかはわからないが、多数の土師器が発見されたとのこと。

井戸と船形遺構

井戸と船形遺構の全景(石材が並ぶ不思議な構造)
井戸と船形遺構の近景(石材の加工と並びが分かる)
井戸と船形遺構に使われる石材(石塁材料として使いやすい石の質感)

この石材は、石塁材料にはもってこいです。非常に使いやすいと思います。

そして、謎の遺跡

謎の遺跡を遠目に捉えた写真(シルエットで存在感が強い構造物)
山城Q
山城Q

あれは、なんだ!

逆光で輪郭だけ見える謎の遺構(不気味なシルエット)

逆光で全く分からない。なんという不気味なシルエット!

山城とは無関係

謎の遺跡(石を積み上げた塔状の構造物を近くで見る)
謎の遺跡の別角度(石積みの形と高さが分かる)

これは、気になりますね~。なんだこれは。

謎の遺跡の足元(登って遊びたくなるような段差と形状)

測量にも使用するとのこと。子供は登りたくて仕方がないでしょう。

謎の遺跡の全体像(パゴタ状の石積み構造物)

実は、昭和35年頃に、安山岩を丁寧に重ねて造られた宗教的建築物パゴタ。ビルマ(ミャンマー)様式の仏塔に似ています。これは城郭とは無関係だと思います。

遠望

星ケ城からの遠望(海と島々まで見渡せる眺望)

この遠望を見ても、この場所が「星ケ城」というメルヘンな名前も納得できます。見晴らしが素敵です。

大事な気付き

それにしても、、、この星ケ城の造りは、いかにも中世戦国の城だということが分かります。

南北朝期の武将である佐々木信胤ささきのぶたねが、南朝側に味方して小豆島に拠った際の城とされていることは、素直にうなずけます。何の疑問もありません。

また、史跡内では時代の異なる輸入陶磁器類が多数確認されているとのこと。

しかし、1362年の「白峰合戦」に参戦した佐々木信胤ですが、その合戦以降の消息は不明とされており、どうもこの城は、その頃に廃城になった様子。となると

山城Q
山城Q

逆に

西にそびえる「皇踏山城」の異様さは、ひときわ目を引きます。隣接する星ケ城とは、築城の手法からしてまったく異なり、その対比が実に興味深いものです。

小豆島という一つの島に築かれた、ふたつの山城。

皇踏山城は、出土遺物こそ確認されていないものの、圧倒的なスケールの土塁や鋭く切り立った切岸など、雄大な山城としての姿を見せています。

一方、星ケ城は佐々木信胤による築城という確かな伝承を持ち、曲輪や空堀、石積みなど、中世山城。特に南北朝時代を想起させる典型的な構造が随所に残されています。

小豆島には、まだまだ解き明かされていない歴史の謎が、静かに眠っています。

地質 環境

星ケ城周辺の地質模式図(山頂の安山岩・下層の角礫凝灰岩・基盤の花崗岩)

分かりやすい地質です。山頂に「讃岐岩質安山岩」が乗っかっており、その下は「角礫凝灰岩」、下層の基盤は「花崗岩」から出来ております。お隣の皇踏山城と似た感じです。

この山城の魅力|3つのポイント

① 体験価値(ウェルネス)
観光地の賑わいと山城空間が隣接し、気持ちが切り替わる体験が起きやすい構成です。登城前後で緊張と緩和がはっきり分かれます。

② 遺構の固有性
空堀・曲輪・井戸・鍛冶場跡などが連続し、中世山城としての要素が分かりやすく残っています。

③ 景観・立地
高所からの遠望が印象的で、「星ケ城」という名称に納得感があります。視界の抜けが強い場所です。

この城の概要

星ケ城は小豆島中央部に位置する山城で、南北朝期に南朝方として活動した佐々木信胤の拠点と伝えられています。

城内には曲輪・空堀・石組井戸・鍛冶場跡などが確認されており、中世山城の構造を具体的に把握しやすい城跡です。隣接する皇踏山城とは構造・築城思想が大きく異なり、対比によって城の性格がより際立ちます。

周辺観光・温泉(地域共鳴)

温泉
・小豆島温泉郷(土庄町周辺)
登城後の移動圏内にあり、観光動線として組み込みやすい立地です。

観光地

大阪城残石資料館

この日は、時間の関係で、東海岸にある残石街道に行くことが出来ませんでしたが、ここにもあります。これだけ、花崗岩が多ければ、良質な石材を確保できますよね。やっぱり、小豆島は「石垣の島」

大阪城残石資料館の展示(小豆島の石材と石切りの痕跡が分かる)
大阪城残石資料館の展示資料(残石や刻印などの見どころ)
大阪城残石資料館の展示(石材の大きさと加工跡が分かる展示)

グルメ
・小豆島そうめん
島内各所で提供されており、移動途中でも立ち寄りやすい名物です。

まとめ

星ケ城は、
・中世山城の構造を具体的に確認できること
・観光地と隣接しながら、城域で空気が切り替わること
・皇踏山城との対比で理解が深まること
が特徴の山城です。歩きやすさと遺構密度のバランスが取れた城跡と言えます。

免責

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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