基本情報
形態:山城
標高:125m
城の整備:未整備 小径程度 「ピンクリボン先生」あり
所要時間:1時間半
訪問日:2023.03
駐車場 アクセス
周辺は道が狭く、駐車場はないため、綾部八幡神社に停めて徒歩5分程度。
「緑屋根のお堂」がありますので、その西側の道を北側に進みます。すると空き家があるので、そこが入口です。
地質 周辺環境
福岡県と佐賀県の県境、「背振山地」や「天山」を中心とした地域は、地下深くのマグマが冷え固まって出来た花崗岩層が存在します。
特に、この一帯は、花崗岩層と堆積層の境界線であり、その際にいくつもの山城が集合して「城郭群」を形成しています。面白いことに、この三つの地形を見てみると、立地も非常に似ています。
東側に河川が深く入り込んだ段丘を形成しており、そこを中心に山城がいくつもあり、それぞれ一体の「城郭群」を形成しています。それにしても
昔の人の選択眼はスゴイ
と感心するばかりです。これを見ても、勝尾城筑紫氏遺跡は、日本三大城跡史跡群に選ばれるなど、国の史跡なのですが、他の2城郭群も勝尾城筑紫氏遺跡に引けを取らないたいへん立派なモノです。
吉野ヶ里遺跡に予算を使いすぎなのでしょうか、行政区が違うからなのか、もっと3つをセットにするなどして、大々的にPRしても良いと思います。観光資源としてのポテンシャルが非常に高いと思います。
縄張り図 現地看板
案内看板はありません。縄張り図は、ネットに先輩諸氏が掲載されています。私も記憶をもとに書いてみました。このような感じです。一番重要なことは、
分岐を間違わないこと
左側ルートは、多少の道があり、比較的にスムーズに登っていくことができますが、右側ルートは非常にシビアです。竹藪と倒れた竹が進路を塞ぎ、進むことは困難です。つまり、私が今回進んだ道です。大堀切を見ることができるので、多少の収穫はありますが、基本は左側ルートが良いですね。
城内のとある場所にて
実は管理者は、目から入ってくる情報量が一般人の「1.5倍」です。ですので、山の中を彷徨っていると、いろいろな物を見つけます(当然、持ち帰ったりしません)。今回も、山中のとある場所で「土師器」という土器の破片を見つけました。
普段、釉薬付の磁器や陶器の破片は、よく見かけるのですが、土師器はあんまりないですね。焼しめているだけなので、割れて土に帰るので。この先端が地面から顔を出していました。断面は、下の方が薄いので割と新しい物かもしれません。
城域に入る
竹林が残る山城は、本当に見やすい。まず、草があまり生えていないので、平坦地は確認がしやすいです。この辺りから期待が膨らみます。
ここでの選択肢が「超」大事
やがて、分岐地点があります。運命の分かれ道
左に行くか、右に行くか
私は、右の道を選択しました。結果、非常に困難なことに。左のルートを選択すると、
このような祠があり、道がしっかりと見えます。
登り道も確認でき、とにかく非常にスムーズです。今回は、帰り道ということになります。
右ルートを選んだばかりに。。。
まさに地獄
①の竪堀
進むには非常に困難。季節的に冬なので、まだマシでしょうけど、夏場だと「蚊」と「蜘蛛の巣」と「湿度」の攻撃にさらされ、歩行困難になると思います。
平坦地は確認できます。
横に移動するのも大変。バキバキと踏みしめて進むのみです。しかし、こちら側の巨大竪堀を見られたので満足しましたが。これぞ、廃城巡り!
②あたりの石積みと土塁
石積み
途中に、石積みを発見しました。正直、この山城ではこの程度です。
土塁
③あたりの大堀切と巨石
何やらシンボリックな岩です。何か名前がありそうです。
消えかかった標識。
標識と言えば、ほぼこの程度です。少弐城山と書かれているようです。実は、林業の方がいるのか多少、管理されている気もします。あたりに、先人の「赤テープ先生」もちらほらありますので、ルートを確認するには良いかと。
④あたりの大堀切と土橋
土橋
⑤あたりの段郭群
約20段の段郭が続く
この⑤あたりから、景色が一変します。竹藪も消え、非常に見学がしやすいです。段郭の数を数えましたが、大小合わせて20段ぐらいあります。「鉄壁の備え」感がスゴイです。
登頂部についたものの
ようやく山頂かと思いきや
フェンスでこれ以上進むことができませんでした。この向こうに何があるのか
何やらフェンスの反対側には階段があります。そう。つまりこの先は、高速道路なのです。降りるとたぶん、捕まります。
⑥あたり 山頂に満足し、ちょっと降りてきました
真っ平な花崗岩。前情報によると、古墳の石だとか。天板にあたるのでしょうか。この辺りは、段丘でもあるので、見晴らしも良く古墳がたくさんあります。勢福寺城でも「古墳」が重要な場所にありました。
⑦のあたり ここは、疑問でした
縄張り図を見る限り、⑦の場所は、途中から二手に分かれています。
なぜだろう??
と思っていました。しかし、理由は一目瞭然でした。
大きな花崗岩が存在していたようです。真っすぐに落としても良かったのでしょうが、花崗岩があるのでそこは変化を付けたのでしょう。
気づき
この少弐山城は、特に市の指定史跡でもありません。これだけの素晴らしい竪堀があるのに、非常に残念です。市の考え方や条件があると思いますが、整備すれば、立派な観光資源だと思います。この山城は、高速道路で遮断されていますが、さらに上へと城塞群が続きますので、楽しめる山城でした。
絶品!綾部のぼたもち
綾部八幡神社の前にあります。「綾部のぼたもち」は、地元佐賀だけではなく、県外の福岡からも多くのお客さんが来る名店です。
5個入から販売されています。「練り込まれたこし餡」と「柔らかい餅」が口の中で溶けます。風味は伊勢神宮の「赤福」に近いですが、それよりもさらに柔らかく、当日も引っ切り無しにお客さんが買ってました。私は、登城後でもありましたので、なおさら美味しかったです。
単純弱放射能泉 吉野ヶ里温泉 卑弥呼之湯
吉野ヶ里遺跡の近くにあります
山城登りで汗をかいたら、ぜひここへ。おススメです。
先に紹介したこの地図ですが、重要なことが隠されています。それは、
花崗岩帯
花崗岩は、マグマが地下深くでゆっくり冷え固まってできた深成岩の代表です。実は、この花崗岩から「ラドン」を含む「放射能泉」が出ることが多いのです。
放射性物質「ラドン」を含む温泉が最強だと考えます。ここは、吉野ヶ里遺跡の近くにあり、名前も「卑弥呼」ですし、泉質も良いとなると、「正に最強」。加えて、湯舟が広いのでノンビリできます。非常に良い温泉施設です。
特徴:
体に優しい成分の薄い温泉なので、刺激が少なく、心のストレスからも解放され長湯をしても問題のない温泉でもあります。単純温泉と言っても、成分が単純なのではなく、含有成分量が一定量を越えていないだけで、「湯あたりしにくい」温泉ということになります。
特に、平成26年改定の泉質別適応症では、「自律神経不安定症、不眠症、うつ病」への改善効果がと認められました。これは非常に画期的なことであり、三つを持つのは他の泉質の中でも、単純温泉、アルカリ性単純泉だけとなります。
加えて、弱放射能泉でもあるとのこと。「痛風の湯」「万病の湯」とも言われ、「入って良し、飲んで良し、吸って良し」の良泉となります。しかし、特殊成分の放射能泉は強力ですので、湯あたりしやすいのですが、「弱」ということなので、多少の長湯も差支えありません。
泉質:
単純弱放射能泉
療養泉の一般的適応症
筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進、
泉質別適応症
自律神経不安定症、不眠症、うつ病、高尿酸血症、関節リウマチ、強直性脊椎炎など
参考資料:温泉ソムリエテキスト 発刊2021年4月
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