山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

山城ウェルネス
山城ACTレベル:初級 ★☆☆
駐車場から本丸・二ノ丸までは緩やかな登りが中心で、空堀の上り下りも含めても大きな高低差はありません。
主要部は写真を撮りながらでも30分ほどで一周でき、山城ビギナーや中高年の方でも「無理なく歩けて程よく達成感」が得られる負荷のため、ACTレベルは初級(★☆☆)としています。
山城Wレベル:W2 ★★☆
本丸と二ノ丸を分ける大空堀、高土塁、西ノ城からの眺望など、「土だけでどう守るか」が歩きながら立ち上がってくる城です。
南九州型城郭のエッセンスを短時間で掴めて、歩き終えたあとも堀と土塁のスケールを思い返したくなる没入感から、山城WレベルはW2(★★☆)と判断しました。
主なルート
・駐車場 → 二ノ丸 → 本丸と大空堀周辺 → 西ノ城跡 → 駐車場に戻る周回コース
累積標高差と所要時間
累積標高差:未計測 / 所要時間:主要部一周でおおむね30〜40分
アクセス・駐車場
- 駐車場:城の南側に観光客向けの無料駐車場が整備されており、普通車・大型車ともに駐車可能です(トイレ併設)。
- 自家用車:東九州自動車道「西都IC」から約10分。西都原古墳群方面と同じエリアなので、看板に従えば迷いにくい立地です。
現地レポート|ルートと見どころ


前から気になっていたこのお城。アクセスは超簡単なのですが、なによりも空堀のスケールが目を引きます。見た印象は、まさに南九州型城郭です。
本丸と二の丸の間の「大規模空堀」



確かにスゴイ!空堀というより、普通に「通路」として歩けてしまう幅感です。切岸も高く、土の城ならではの独特さがありますね。
二ノ丸



見事な土塁ですね。高さ2mほどあります。シラスだとここまで盛り上げにくい印象ですが、土壌ならではの造り方ができる、ということなのでしょう。


この二ノ丸を維持管理するのって、たいへんでしょうね。広いので草刈りもたいへんそうです。
二ノ丸から空堀を眺める

上から見ても、なかなかの堅城だと分かります。簡単には登れない高さですし、この落差感は迫力があります。
西ノ城跡

眺望

伊東マンショってここの人だった

何よりも「天正遣欧少年使節の伊東マンショ」は、ここの伊東だったことも初めて知りました。

この城の概要
都於郡城は、日向国を支配した伊東氏の本拠として14世紀頃から築かれた大規模な土の城で、本丸・二ノ丸・奥之城・西ノ城などが段丘上に広がります。
戦国期に伊東氏の拠点として栄え、伊東マンショの出身地としても知られますが、その後は役割を終え、現在は国指定史跡「都於郡城跡」として保存・整備されています。
地形・地質のポイント
※ここから先は少しマニア向けです
都於郡城は「シラス台地の城」ではない
都於郡城については、しばしば「シラス台地に築かれた城」と紹介されますが、地形・地質の観点から見ると、この表現はやや大雑把な情報です。
発掘調査報告や地形分類資料では、都於郡城の立地は
三財川が形成した「三財原段丘」上にあり、その構成層は三財原段丘堆積物(洪積層)であると整理されています。
つまり、厳密には「シラス台地そのもの」ではなく、段丘堆積物からなる洪積台地の城という位置づけが適切です。
一方、南九州一帯には火砕流由来の地形が広く分布しており、観光案内や一般解説ではそれらをまとめて「シラス台地」と呼ぶことが多いため、都於郡城も慣用的にそう表現されてきました。
しかし、地形を正確に記すならば、都於郡城は
「シラス台地の城」ではなく、
三財川がつくった三財原段丘(洪積台地)の縁辺に築かれた、南九州型の土の城
とするのが、資料に基づいた妥当な表現といえます。
この違いは一見わずかに見えますが、城の成り立ちや地盤の性質、土塁や切岸の形状理解にも関わるポイントであり、都於郡城の「土の城としての個性」を捉えるうえでも重要な視点だと考えます。

ちょうど矢印のあたりは、「段丘堆積物」とのこと。具体的には、本丸跡の発掘調査では
”法面の下半分が砂か小礫 を含んだ砂礫層であることが判明した。
西都市埋蔵文化財発掘調査報告書第32集 都於郡城跡発掘調査概要報告書 I2002 宮崎県西都市教育委員
これは、三財原段丘堆積物 と言われているもの”
とのこと。

シラス台地じゃない

シラス土壌(ピンク 火砕流帯)ラインは、もっと下です。ざっくり宮崎市周辺まででしょう。
都於郡城周辺は、泥岩や河川堆積物が占める様子。
ここで大事なことは、「南九州型城郭の要素を、土でつくり上げた城」という点になります。
土壌を確認

この山城の魅力|3つのポイント
① 体験価値(ウェルネス)
巨大な空堀に包まれた「土の回廊」を歩く感覚は、短時間でも気分が日常から切り替わります。起伏が緩やかで、自分のペースで巡れるため、「無理なく歩けた」という達成感を得やすい土の城歩きです。
② 遺構の固有性
本丸と二ノ丸を隔てる大規模空堀と高土塁が織りなす防御構造は、南九州型城郭の代表例です。堀底と郭上の視点差がはっきりしていて、土だけで築く守りの知恵を体感しやすいのが魅力です。
③ 景観・地形の固有性
都於郡城は、三財川が形成した三財原段丘の縁に築かれており、段丘上の緩やかな起伏と広がりが、そのまま城域として活かされています。
西都原台地を見渡す穏やかな眺望と、段丘特有のやわらかな地形が重なり、「土の城らしさ」を落ち着いて味わえる景観になっています。
周辺観光・温泉(地域共鳴)
日帰り温泉|さいと温泉(西都市)
西都市内の「さいと温泉」は、地元の方にも親しまれている日帰り温泉施設で、落ち着いた雰囲気の内湯と露天風呂が楽しめます。泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉とのこと。
歩く時間が比較的短い都於郡城と組み合わせれば、城歩きのあとに立ち寄りやすい「締めの一湯」になります。
歴史スポット|西都原古墳群
都於郡城から車で約10分の位置にある西都原古墳群は、300基以上の古墳が密集する古墳群として知られ、季節の花とあわせて古代の景観を体感できるエリアです。
中世の伊東氏の本拠「都於郡城」と、古代の景観を伝える西都原古墳群をあわせて歩くと、「日向の歴史」を一日で行き来できる構成になります。

最高です!
グルメ|西都市内のカフェ・地元グルメ
城跡から西都市街地へ戻る途中には、地元野菜を使ったランチやスイーツを出すカフェが点在しており、ドライブイン形式の食堂やファミリー向けの店も選びやすい環境です。
二ノ丸の広がりと大空堀の迫力を思い返しながら、食事やコーヒーでクールダウンする時間を取ると、体験が整理されやすくなります。
免責
本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。





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