山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス
山城ACTレベル:中級 ★★☆
標高325mの阿蘇火砕流台地の縁に築かれた城で、駐車場から大手道〜本丸〜家老屋敷方面まで、石段と坂道の上り下りが続きます。観光整備は進んでいて道迷いの心配は少ないものの、石畳や大きめの段差が続くため足腰への負荷はそれなりにあります。
「しっかり歩いた」と感じるコースになるため、山城ACTレベルは中級(★★☆)としました。
山城Wレベル:W3 ★★★
大手門の笑積石垣や鏡石、本丸高石垣、家老屋敷群や搦手方面を順にたどることで、「どこをどう守り、どこを見せたかったのか」という意図が立ち上がってきます。
多彩な石組みの表情と、阿蘇の山並みや竹田の町並みを見渡す景色が重なり、歩き終えたあとも石垣と風景の場面を思い返したくなる時間になりやすい城です。その没入感から、山城WレベルはW3(★★★)と判断しました。
主なルート
・大手駐車場 → 大手道・鏡石 → 大手門 → 本丸高石垣 → 二ノ丸・三ノ丸周辺 → 家老屋敷群 → 搦手方面を経て周回
累積標高差と所要時間
累積標高差:未計測 / 所要時間:石垣を眺めながらでおおむね2〜3時間(写真多めなら半日コース)
アクセス・駐車場
- 所在地:大分県竹田市大字竹田(岡城跡)
- アクセスの目安
- 車:大分市内から高速道路経由で約1時間30分前後。熊本市方面から阿蘇経由でもアクセス可能。
- 公共交通:JR豊後竹田駅から徒歩またはタクシーで城跡入口方面へ。駅前から岡城跡へのバスが運行している時期もあります。
- 駐車場:岡城跡入口付近に観光用駐車場あり。場内は石段が多いため、登城前にトイレ・飲み物の準備を済ませておくと安心です。
- 登城口の雰囲気:早朝は観光客も少なく、石垣と谷を独り占めしているような静けさの中で歩き始めることができます。
(細かな駐車場の位置・運行状況は、竹田市や観光協会の最新情報をご確認ください)
現地レポート|ルートと見どころ
鏡石

なんというか、「おもてなし感」が凄い。入口からこの贅沢な岩石の使い方。巨石が出迎えます。そこで、再度、地質を確認してみました。
特徴的な かまぼこ石

特徴的なのは、かまぼこ石。丸みが帯びています。なにやら演出的に西洋の城のような印象を受けます。


同じ大分の佐伯城の主郭部や臼杵城の白塀にも「丸み」が存在するので、共通点はあるのでしょうかね。
大手道の坂(2016年時点)

何気ない坂ですが、ここが滑る滑る。中途半端なスニーカーや革靴は危ないですね。逆に硬すぎる登山靴も滑る。意外でした。

落とし積み。この岩石量には、圧倒されます。
ここにも かまぼこ石

あまりにも歩きづらいので、スロープが設置されています。

お、ついに見えてきました。
大手門の「笑積石垣」



中に、鏡石級が組み込まれている。正に魅せる大手門ですね。大石の周りに比較的小さな石を積む積み方で「笑積」というらしい。

ここの岩の積み方も複雑。

この大手門は、カッコいいですね。素晴らしいです。三つのくぼみもあたかも西洋のお城を彷彿とさせます。実際は、ここに木材を通していた門だったとか。作った石工の強い拘りと技を堪能することができます。
家老屋敷方面を望む

はるか向こうに更なる郭が見えます。遠いですが後ほど行きます。

大手から、東向きに進みますと。
本丸高石垣

これが観たかった!

ここ!撮影スポットですね。この高石垣。本丸に至る入口のところ。これが見たくて、ここまでやってきましたようなもの。それにしても、高いなあ。
三ノ丸の入口 では「技」を観る
超笑い積み?

個人的には、一番の見どころはここ



「超笑積!?」
「何これ!?」
という驚きと共に、背中に電気が走るほどシビレマシタ。いよいよ藩主の居住地に入るという門に設置されていますが、下の装飾岩はもはや「アート」。
意図的な「技」です「技」。切欠加工にもほどがあります。こんな埋め込み方はみたことがありません。これは、一見の価値ありです。

御城門跡の積み方もスゴイ。ここはきっちり切り込みハギ。

これも技ですよね。笑積でしょうか。中央の周りに綺麗に接合させて積んでいる。だいたい6個が合わさるんですが、ここは8個。う~~ん。素晴らしい。

むむむ、これは中は
亀甲積み
ではないだろうか。亀甲積みは、江戸時代に流行ったとか聞いたことがあります。

二ノ丸内 滝廉太郎像

途中、滝廉太郎の銅像があります。そして、反対側に川を挟んで道があるのですが、そこの白線には細工がされており、メロディーロードとなっています。車が通るたびに「荒城の月」が流れるという仕組み。考えましたね。

このような小技がたまらない。
落とし積み

この当たりは、「落とし積み」ですね。いったいいくつの積み方があるのか。勉強になりますね。
家老屋敷方面へ

ハッキリ言って、見どころが多すぎて、全てをカバーしきれません。この当たりで、満腹大満足であり、随分と神経をすり減らしました。とりあえず、家老屋敷群に来ました。
埋門



埋門。実際にどのように使ったのかでしょうか。他の城でも見かけることはありますが、ただの通路なのかどうか。
家老屋敷跡


家老屋敷は、広大でその広さを実感することができます。
搦め手

つぎ足し石垣


廻っていると良く目に留まるのが、積み足しや積み直しが多く見られる点です。どういう経緯でこうなったのかは不明ですが、貴重な遺構ですね。積み方が違う、という事実だけでも見られて最高。
この城の概要
大分県竹田市にある岡城(おかじょう)は、1185年(文治元年)に緒方惟栄が源義経を迎えるために築いたと伝わる山城で、別名「臼杵城」とも呼ばれます。
文禄3年(1594年)頃に中川秀成が入封し大改修され、標高325mの台地上に壮大な総石垣の近世城郭として完成し、「難攻不落」の名城として知られています。
日本100名城の一つ。阿蘇溶結凝灰岩による高石垣と深い谷を活かした堅固な構造が特徴で、現在も石垣群が良好に残っています。
地形・地質のポイント
欠くことができない情報としては、その豊富な岩石の量。
いったいどうしたらこれほどの岩石を供給できるのかという点です。特に岡城は、「石垣の総合百貨店」と言われるほど、様々なタイプの積み方を見学することできます。
豊富な岩石は、どこから来た?

その答えは、上記にも示しますように「Aso-4火砕流帯」がもたらしたということです。結果、大量の「阿蘇溶結凝灰岩」という岩石を供給することに至りました。
阿蘇山周辺は、約30万年前から4回の大規模噴火を繰り返しており、地質調査の結果、「Aso-1」「Aso-2」「Aso-3」「Aso-4」と名付けられております。
一番古い「Aso-1」は、約30万年前、「Aso-4」は、約9万年前におきた大噴火。
この「Aso-4」は特に大規模で、阿蘇山で起きた日本最大級の噴火とされています。600km³の火砕流が時速200kmで九州全土を覆い、果ては島原半島、山口県、大分県、宮崎県と広範囲に影響を及ぼしました。
この岩石は、チェーンソーで切断できるほど柔らかく加工がしやすいので、岡城は様々な表情を見せてくれます。


阿蘇山から噴出した火砕流の流れが確認できます。そのど真ん中に「岡城」はあるのです。
つまり、岡城は、阿蘇山の巨大噴火で生じたAso-4火砕流がつくった溶結凝灰岩の台地上に築かれており、やわらかく加工しやすい阿蘇溶結凝灰岩を石垣に活用しているのが大きな特徴です。
この山城の魅力|3つのポイント
① 体験価値(ウェルネス)
石垣に囲まれた台地の上を、上り下りを繰り返しながら歩く時間は、目と足と頭がフルに動く「石垣ハイク」です。高石垣の迫力に圧倒されつつも、途中でふと足を止めて阿蘇の山並みを眺めると、緊張と解放がゆっくり切り替わっていきます。
② 遺構の固有性
「石垣の総合百貨店」とも言われるほど、多彩な積み方や表情を見せる石垣群が最大の見どころです。鏡石級の巨石、笑積風の装飾的な石組、落とし積みなど、石工たちの「技」と遊び心が城内のあちこちにちりばめられています。
③ 景観・地形の固有性
阿蘇火砕流(Aso-4)がつくった溶結凝灰岩の台地端に築かれ、断崖の縁に曲輪と石垣が連なる独特のシルエットを持ちます。城上から見下ろす阿蘇の外輪山や竹田の町並みは、単なる「眺め」ではなく、火山と人の歴史が重なったパノラマそのものです。
周辺観光・温泉(地域共鳴)
● 周辺観光(歴史・文化)
- 竹田の城下町エリア
岡城の麓には、武家屋敷跡や古い町家が残る城下町が広がり、散策するだけでも「石垣の城と城下の暮らし」がセットで体感できます。滝廉太郎ゆかりのスポットも点在し、「荒城の月」の世界観と岡城の風景を行き来できる時間です。
● 周辺温泉(山城+温泉のウェルネス導線)
- 長湯温泉(ながゆおんせん)エリア
竹田市郊外には、炭酸泉で知られる長湯温泉があります。ぬるめの湯にじっくり浸かるスタイルが多く、歩いたあとに落ち着いて過ごしやすい温泉地です。利用の際は、各施設の案内に従い、体調に合わせて無理のない範囲で楽しむのが安心です。

絶対におすすめ。一度、経験してみるのも
中高年世代でも落ち着いて過ごせる宿や立ち寄り湯が多く、城歩き後に足を伸ばす「締めの一湯」として相性の良い温泉地です。
免責
本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。







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