大分

岡城②(大分県竹田市)|静かに最強、石の岡城 秋

山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

岡城のイメージ図

基本情報は、岡城①に準じます。

岡城①(基本情報)はこちら

現地レポート|ルートと見どころ

今回は、秋の紅葉シーズンに来てみたら、、、やっぱりすごかった。

岡城の紅葉シーズンの景観

西の石垣総合百貨店

岡城の西の丸御殿大階段

この大階段!

このような幅が広い作りは観たことがありません。だいたい上部両脇には高石垣や多聞櫓があったりしますが、ここにはないのです。

つまり防御メインではなく、見せるためか日常使いのための階段でしょうか。大分の他のお城にも共通する優雅さを感じます。

関連記事:岡城(別視点の記事)

岡城の石垣(積み方の違いが見える場所)

こちらも、奥と手前では積み方が違いますね。角度があったりなかったり。

岡城の石垣(角度の違いが分かる)
岡城の石垣と紅葉

西の丸の側面

西の丸側面の石垣

物見台跡手前の改修石垣の一部。途中で方向性を変えたのかな

物見台側から西の丸を観る

物見台側から見た西の丸の石垣
西の丸周辺の石の量感が伝わる景観

それにしても、スゴイ石の量。

素晴らしい紅葉

岡城の紅葉と石垣
岡城の紅葉の色づき

高石垣

岡城の高石垣(撮影ポイント)

有名な撮影ポイント。高石垣。

個人的なお気に入り

御城門跡付近の巨石

この城、一番のお気に入り。

御城門跡の巨石。

なにやら名前があっても良いと思いますが。これは、アートです。石工の方々もだんだんそっち方向に傾倒したんじゃないですかね。

「二重の石垣」

角隅部分の二重石垣(全景)

角隅部分の石垣が二重になっている「二重の石垣」というようです。どういう意図で追加されたのでしょうか。右側の石垣と勾配を合わせるために足したのか、など想像が膨らみます。右側になればなるほど技術が高いように思えます。全くの謎です。

ふたつの正門

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下原御門(正門の一つ)
下原御門

かつては、こちらが正門だったとのこと。道理で造りが裏門ぽくない。

下原御門へ向かう途中の紅葉景色

下原御門に至る途中の紅葉景色。こちらまで来る観光客は少ないのですが、紅葉の時期はこの場所が最も美しい。主郭からちょっと奥なのに、見逃す手はないです。

下原御門周辺の景観

Aso-4火砕流帯とは

阿蘇4火砕流堆積物の分布図
引用:星住英夫・宝田晋治・宮縁育夫・宮城磯治・山崎 雅・金田泰明・下司信夫 (2023) 阿蘇カルデラ阿蘇4火砕流堆積物分布図.大規模火砕流分布図, no.3. 産総研地質調査総合センターを山城Qが追記

この城の豊富な岩石は、どうやって出来た?

上図のとおり、岡城周辺には「Aso-4火砕流(約9万年前)」の影響が及んでいます。その結果、この地域には阿蘇溶結凝灰岩が大量に供給され、岡城の石垣や石段の“石の表情”の多さにつながっている、という見立てになります。

阿蘇山周辺では、約30万年前から4回の大規模噴火が整理されており、地質調査の文脈では Aso-1〜Aso-4 と呼ばれます。最も古いAso-1は約30万年前、Aso-4は約9万年前の大噴火で、広範囲(島原半島、山口県、大分県、宮崎県など)に影響が及んだとされます。

日本シームレス地質図V2(図1)岡城周辺の地質
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城Qが加筆・修正(スマホで拡大可能)
日本シームレス地質図V2(図2)火砕流の流れのイメージ
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城Qが加筆・修正(スマホで拡大可能)

阿蘇山から噴出した火砕流の流れが確認できます。そのど真ん中に「岡城」はある、という見方ができます。

あわせて読みたい

岡城(記事)
岡城(別記事)

周辺観光・温泉(地域共鳴)

◯ 温泉:竹田温泉「花水月」
・JR豊後竹田駅近くで、登城前後に立ち寄りやすい立地です。

※温泉の効能・適応症等の記載は出力しません(運用ルールにより削除)。

まとめ

阿蘇火砕流の影響が色濃い岡城は、石材の表情の多さと、断崖・谷底・高石垣がつくるスケール感が魅力です。紅葉の季節は特に、石垣と色彩の重なりが強く、九州屈指の「眺めて歩ける」城跡だと感じます。

免責

本記事は個人的な体験・調査に基づくものであり、効果や歴史を断定するものではありません。訪問時は最新の交通情報・登城ルート・気象状況等をご確認のうえ、安全第一で行動してください。

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