基本情報
形態:山城
史跡指定:国指定史跡
城の整備:駐車場 トイレあり
所要時間:一時間
訪問日:2013年4月
駐車場 アクセス
北条家の城と言えば、小田原城の次に出てきそうなのが、
山中城
その中でも、障子堀については、山城好きにとっても必見でしょう。
MOTTO:現場に行けば、必ず発見がある!
という訳で、やはり今回もいくつかのなぜが出てきました。
一つ目の疑問 国道1号笹原山中バイパスは蛇行しているのか
山中城まで三島市側から調子良く登っていると、途中から、きつめの蛇行が始まります
坂が急すぎて、蛇行しているのだろうか??
と思いきや、調べてみると
なんと、
旧石器時代(石器)
縄文時代(土器)
戦国時代
の遺跡が存在していたのです
文献によると、昭和63年に事業化されたとのこと。当初の計画では、山中城跡の一部を大きく開削したり、完成した道路が城跡からの景観を著しく損ねたりする予定だったようですが度重なる協議の結果、現在の蛇行に至ったとのこと。特に、山中城遺跡ではありますが、発掘されたのは、
大部分が古い旧石器時代の石器
であったとのこと。その頃に、「文化財を保存する」という考えがあったことにも驚きました。このバイパスを設置するのに、並大抵の苦労ではなかったはず。当時の関係者に非常に感謝したいと思いです。
二つ目の疑問 他に見ない地質
山中城と岱崎出丸部分に分かれる感じ。この縄張りを見ると
守りにくそう
というのが第一印象。箱根街道を挟む形で、睨みは利かせていけど、寄せ手が寡兵だと城ボリュームが勝るだろうけど、結局兵力が二か所に分散するし、街道があるわけで、一気に抜かれたら守備が崩壊するような気がする
さて、気になったのは、
この砂状
上下に分かれるのはなぜだろうか
砂のような土です。その上に、また違う土が乗っかっています。多分、ここが重要ポイントだと直感。
どこから来たものだろうか。ちょっと、地質を調べてみました
山中城は、すごいところにあります。この地質図を見ると、だいたいの想像はつきます。
溶岩の流れ道が見えます
箱根山カルデラの西側にあたり富士山のスコリア(噴火砂礫)や火山灰が降ったりと太古の昔より堆積物が何層にも重なる地形。こうなると、岩石よりも火山灰やスコリアが大量にある。この独特の空堀を造ることができたというわけですか
(参考:出典:三島市教育委員会2014 山中城遺跡 笹原山中バイパス建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書(その 2 )から)
なるほど~。
城域に入る
三の丸
西ノ丸
ここがみどころですよ
山中城 障子堀り
天気が良ければ、先に富士山が見えるらしい。なんとも不思議な障子掘りですね
美しい~
こう見てみますと、戦略レベルでは、城として守りにくいので、戦術レベルで、障子掘りにしたり畝掘りにしたりして、豊臣軍に対して、防備を固めたんでしょうね。
しかし、いくら戦術を極めても、櫓台、西の丸、二の丸、本丸の独立性が高く、戦略レベルで連携が取りにくいようにも感じました
こうみると、一度は、あの真ん中を歩いてみたくなります。キレイに整備されて、見飽きません
山中城 畝掘り
山中城 空堀
まとめ
山中城は、後北条家が火山灰等を巧みに利用し、
持てる技術の粋を集めた最新鋭の山城だったということですね
この美しさには感動しかありません
・一度は訪れたい特徴的な障子堀り 畝堀り群
・「なぜ!?」と感じる国道1号笹原山中バイパスの蛇行道
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