
基本情報
形態:山城
城の整備:駐車場(複数あり)
所要時間:1時間
標高:432m
訪問日:2011年4月
駐車場 アクセス
あるキッカケで山城巡りを始めることになって、思い切って、「山巡り」の旅に出ました。
その初めての記念すべき城がここ「苗木城」
地質から考える 「苗木‐上松花崗岩」帯は宝の山!?

うむうむ。地質図を見てみると、木曽川に沿って出来た河岸段丘の上に出来ています。木曽川は、「苗木‐上松花崗岩」をぶち抜いて流れていますね。南部(黄色 薄緑)は、堆積岩層です。
城がある場所は花崗岩層であり、あのような花崗岩巨石が出来たようです。良い場所に城があると思います。
しかし、もう少し全体を見てみる必要があります。実は、この場所は

ちょっとわかりづらいですが、恵那山付近から北西端にあたる白川村地域にいたる広大な地域に分布する巨大な火山岩。

濃飛流紋岩(のうひりゅうもんがん)
「濃飛流紋岩」とは?
1. 火山岩の一種
- 主成分は流紋岩(リュウモンガン、英語:Rhyolite)で、火山噴出物の中でも高シリカ質の酸性火山岩に分類される。
- 粘性が高く、火山活動によって粘度の高いマグマが地表に流れたり、爆発的に噴出して堆積したもの。
2. 地質的背景
- 主に白色〜淡灰色で、細粒〜微粒なガラス質やクリスタルが混ざっている。
- 岐阜県飛騨地方や濃尾平野周辺に広く分布し、古第三紀〜新第三紀の火山活動に由来するとされる。
3. 岩石の特徴
- 多孔質や気泡構造が見られることもあり、火山噴出物の特徴を示す。
- 硬くて風化しにくく、建築材や石垣材料としても利用される。
濃飛流紋岩は、流紋岩といいますが、実際は溶結凝灰岩であり、火砕流堆積の産物となります。
わずかにある「苗木ー上松花崗岩」は、巨大な一枚岩状の花崗岩体で、地質学的には「花崗岩帯」として分類されており、その中に苗木城が出来ているというわけです。

この地域でも太古に超大爆発があり、
コールドロン(陥没盆地)を形成した!?
コールドロン(cauldron)**とは、地殻内でマグマの移動や噴出に伴って形成される陥没構造(カルデラ)や複雑な火山性変形構造を指す専門用語です。
ただし、通常の「カルデラ(caldera)」と区別して使われる場合もあり、より構造的に複雑で内部にマグマの貫入やドーム形成を伴うものを指します。
城域に入る


自然岩と石垣の重厚コラボレーション 大矢倉
ほぼ、これを観たかったといっても過言ではありません。この岩の造形物を写真で見たとき、ショックを受けました。

ここは日本??
という感じです。自然岩と石垣が見事に調和した構造で、特に注目されています。岩の形状や積み方が多様で、布積みや打ち込みハギなど、職人の技が光りますね。



別の角度から一枚上とは積み方が違いますね。布積みっぽい



これがなんともいえない。調和している。
いろんな積み方があります。

天守の方を見ると



苦労して積んだんでしょうね。割と小さい石で丁寧に積んでいます。


下は野面積みですが、上は打ち込みハギのように見えます。その間に、大きな岩石を散りばめる

これはアートですね!
異形天守展望台の木組み



この日、天守の木組みを詳しく撮りたかったのですが、他に「バードウォッチング」グループがおられまして、あんまり撮影が出来ませんでした。
天守からの眺望

それぐらい高所です。
大矢倉を上方から撮影

ここは見どころですよ

大矢倉を上方から撮影。これが撮りたかったわけです。
この「石垣の塊」は、もはや日本のモノとは思えません。ここを抜かれると天守まではすぐですから。頑固に造る必要があったのだと思います。
この城の要は、この「大矢倉」に掛かっているといっても良いのかもしれません。
異形天守展望台の再現木組みが特に有名 別名「木の城」「日本のマチュピチュ」とも
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