福島

白河関(福島県白河市)|どこが関?いや、関じゃない。

山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

山城ウェルネス

山城ACTレベル:
標高約410mの独立丘陵に位置しますが、関跡一周と神社周辺を歩いても距離は1〜1.5km程度とコンパクトです。

駐車場からの小さなアップダウンと参道が中心で、累積標高差も50〜80mほどの範囲に収まります。遊歩道も整っており、「ゆるやかな歴史散策」として歩きやすい初級レベルです。

山城Wレベル:
古代の国境として知られる場所を歩くことで、「みちのくの入口」に立っている感覚をイメージしやすい史跡です。

社叢の静けさと空堀・土塁の構造が重なり、散策の中で少しずつ空気が切り替わっていきます。
短時間でも、ほどよい余韻が残るW2クラスと考えました。

主なルート
・駐車場・入口 → 白河神社 → 空堀と土塁周辺を一周 → 白河神社・関跡周辺に戻る(散策全体で30〜60分ほど)

累積標高差と所要時間
累積標高差:およそ50〜80m / 所要時間:標準30〜60分(空堀・土塁をじっくり見る場合)

地形の特徴
独立丘陵の肩部分に空堀と土塁を巡らせた砦状の構造で、峠道と社叢が一体となった「峠の関所」という雰囲気を感じられる地形です。

アクセス・駐車場

登山口・入口:
白河神社および白河関跡の入口付近に駐車場があり、そこから参道を進むと、関跡・神社・空堀周辺を巡ることができます。

駐車場:
白河関の森公園や関跡周辺に一般利用可能な駐車場が整備されており、普通車でのアクセスがしやすい環境です。

現地レポート|ルートと見どころ

卯の花をかざしに関の晴着かな 
               曾良(そら)

日本人なら、学校の授業で一度は耳にしたことがあるはずです。

「白河の関」

松尾芭蕉ら一行が通った関所としても知られています。

関西人にはなかなか行く機会がないですが、一度見てみたくて、東日本大震災のボランティア旅程に組み込みました。

白河関跡入口周辺の風景
白河関跡の案内看板と空堀配置図

この案内看板を見た時点で思うことは、

「イメージと全く違う」

ということ。もっと、こじんまりとした小屋程度のイメージでした。

山城Q
山城Q

この規模で「関」??

空堀を備える、しっかりした砦の形をしています。

入口から白河神社まで

白河関跡の参道入口
白河神社へ向かう参道の様子
白河関跡周辺の緩やかな斜面

「砦」というバイアスが強すぎて、畝状竪堀にしか見えない。(違うと思いますが)

白河関跡周辺の斜面と畝状地形

矢立の松 旗立の桜

矢立の松と旗立の桜の案内板
矢立の松と旗立の桜周辺の風景

この辺りには、源平合戦の際の源義経に関わる史跡が、割と残っています。

空堀をぐるりと見学

白河関跡の空堀と土塁の全体図

案内看板を見て思うのですが、なぜ空堀はこの部分だけなのでしょうか。
左側の区画や、空堀内の施設は何のためにあったのか。
A地区の場所がなぜ飛び出しているのか。誰がここを治めたのか。気になる点が多いです。

山城Q
山城Q

いろいろ気になります。

白河関跡の空堀内部の様子
白河関跡の空堀と段差構造

左右に立派な空堀を備えています。段差があるのもわかります。案内看板にある「敵の侵入に備えて」の敵とは誰のことなのでしょうか。気になる~。

土塁群

空堀脇に築かれた土塁の様子
白河関跡を囲む土塁の内側

空堀を造った際の土を盛り上げたのでしょうか。見事に周辺が囲まれています。

土塁の一部が外側に張り出した箇所

なぜ、ここだけ飛び出しているんだろう。櫓などが建てられていたのでしょうか。

白河関跡の土塁上から見た内部の様子
丘陵上に巡らされた空堀と土塁
空堀と土塁に囲まれた内部空間

周囲をぐるりと囲むこの空堀は、歴史的な意味も含めて、見る価値はあります。

白河関跡内に点在する祠や石碑

あちこちに、祠や石碑?があります。一つ一つに、いろいろな思いやら言い伝えやらがありそう。

山城Q
山城Q

情報量が多すぎる!

この城(関)の概要

白河関跡は、福島県白河市にある古代の関所跡で、鼠ヶ関・勿来関と並ぶ「奥州三古関」のひとつです。

奈良〜平安時代に東山道を行き交う人や物資を取り締まった要地と考えられ、その後は歌枕として都人の憧れの地となりました。

近世には松尾芭蕉ら多くの歌人・俳人に詠まれ、寛政12年(1800年)に白河藩主・松平定信がこの地を古関の跡と定め、碑を建てたことで、現在の白河関跡として整えられています。

地形・地質のポイント

白河関跡は、旗宿集落の南に位置する標高約410mの独立丘陵一帯が指定範囲となっており、丘陵の肩部に空堀と土塁を巡らせた防御施設が確認されています。

古代に関所が置かれた東山道沿いの要衝であり、丘陵上に関所機能と神社がまとまっていることで、峠道を押さえつつ周囲を見渡せる「峠の砦」のような地形利用になっているといえます。

周辺観光(地域共鳴)

近場の 追分の明神 (義経伝説)

追分の明神の社と周辺の様子

車を走らせていると、峠にひと際目をひく大木がありました。

追分の明神の大杉の全景

非常に大きな杉の大木で、写真を撮ろうにもフレームアウトし、撮影が難しかった。

追分の明神の社殿と石段
追分の明神の境内の様子

弁慶下駄掛石伝説 (義経伝説)

弁慶下駄掛石の全景

復元らしいですが、本当に義経に関わる伝説が多いですね。ちなみに、弁慶は私の地元、和歌山県田辺市出身とされています。

弁慶下駄掛石と周辺の説明板
掛けられた鉄下駄と石のクローズアップ

この鉄下駄には、いろいろな言い伝えがあるようです。意味深。

弁慶下駄掛石周辺の風景

温泉(地域共鳴)

温泉

きつねうち温泉
白河関跡から白河市内方面へ車で移動すると立ち寄りやすい、日帰り利用が可能な温泉施設です。泉質はアルカリ性単純温泉で、肌あたりがやわらかく、湯あがりはさっぱりとした感覚が残ります。施設側の掲示では、一般的な入浴利用に関する目安が示されています(温泉法に基づく一般的な表示に準じます)。白河関の散策後に、ひと息つく場所として相性のよい温泉です。

グルメ

白河ラーメン(白河市街地一帯)
白河市街には「白河ラーメン」を掲げる老舗店が多く、あっさり系の醤油スープと手打ち麺が特徴です。白河の関跡を訪れたあと、市街地に下りて一杯いただくと、「古代の関」から「城下町の味」へ、時間軸の違う白河を一日で楽しむことができます。

この関の魅力|3つのポイント

① 体験価値(ウェルネス)
「国境の関」をくぐる感覚と、社叢の静けさが重なり、短時間でも空気が切り替わる散策になります。

② 遺構の固有性
空堀と土塁が丘陵の一角をぐるりと囲み、「関」と言いながら砦のような構えを見せる点が、この史跡ならではの見どころです。

③ 景観・地形の固有性
標高約410mの独立丘陵上に位置し、里山と峠道がつながる地形の中で、「みちのくの入口」を身体感覚でイメージしやすい立地です。

免責 

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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