基本情報
形態:丘城
史跡指定:国の指定史跡
標高:230m
城の整備:登山道あり
所要時間:30分
訪問日:2014.04
ここに来るのは、相当な覚悟が必要。地理的に遠いです。
地質を見てみる
この紀伊半島は、約1500万年前には巨大な火山が存在していたことが最新研究から分かっています。そのあとは、「熊野北カルデラ」「熊野カルデラ」と呼ばれ、地質図を見ても、ピンクの花崗岩層が露出。これらは「熊野酸性火成岩類」とも呼ばれております。地質が固いんですね。
ちなみに、この当時の噴火レベル「VEI-8(噴出物の量をもとに0から8に区分される。8が最大規模)」と言われているようで、世界史上でも破局的な噴火であったという学説もあります。恐ろしい。
この熊野カルデラ周辺に、熊野三山があるのです。
阿蘇カルデラの阿蘇神社との関係とも似ている。
そんな「熊野北カルデラ」にあるここ「赤木城」ですが。。。この場所に、なぜ築城したのかを探ってみましたが、戦略的、地理的に要所にあるというわけでもない。石垣に適した花崗岩層はちょっと南側。場所的には、「海成層泥岩」ということで、堆積層にある丘城の様子。
つまり、地形的な戦略性などは関係なさそう
縄張り図 三大築城家 藤堂高虎
城としては、非常にコンパクトに出来ております。特に
「門跡」から「主郭」に至る通路がいくつも折れており、まっすぐに進ませてくれません。この技巧的な感じは、どこかで見たことがあります。それは、
です。ここも、箱庭城のような感じですが、加藤清正が築城した「小熊本城」ともいうべき名城。通路は幾重にも折れており、まっすぐに進ませてくれません。
さすがは、三大築城家と言われる方々の城。凝りに凝ってる。
城域に入る
来る途中にいくつもの看板があり、名所になっている様子。主郭部まですぐそこですので、遭難することはまずありません。
ちょうど、桜の時期で非常にきれいでした
見どころ①虎口
これは、なんでしょう!巨大な一枚岩石の上に石垣が組まれている。超巨大砂岩。これは、ある意味、本来の鏡石ともいうべきものでしょう。その上に石垣としての鏡石もあります。威圧感があります。
見どころ②主郭入口
真っすぐに進めない
この野面積みが無骨な感じで非常に良い。正面は、打ち込みハギで整えられていますが、側面は野面積み。たまんないですね。しかし、この岩はどこから持って来たんでしょうか。一点気になったことがあります。それは、
ちょっと、キレイ過ぎる!?
そうなんです。ちょっとキレイ過ぎるんです。とても、400年前のモノとも思えないほど。多少、整備されているのかなと思い、ちょっと調べてみると
うわ~、めっちゃ整備されていた!!
通りでキレイなはずです。整備前の風景が我々が良く知る「山城」の姿。しかし、この整備も全く不自然ではなく、この山城の存在意義をよく表していると思います。さすが、国の指定史跡。見事です。
遠望
正面の山。通常であれば、あそこに山城があってもおかしくない気がします。
堀切
森との接続部には、堀切もあります。
西郭側から
地区の人々の憩いの場ですね。とても良い活用法だと思います。
気づき
この城は、獲って獲られてという山城ではありません。この存在そのものが地域の治安に貢献したようです。そのために、「威圧」を与えるべく、このような地方に総石垣の最新鋭山城が出来たようです。かなり短期間で築城したような気もします。
非常に満足度が高い城でした。
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