基本情報
形態:山城
史跡指定:国の指定史跡
標高:583m
城の整備:登山道あり
所要時間:往復4時間
訪問日:2014.01
駐車場 アクセス
この時は、まだまだメジャーではなく、かなり奥まで車で登ることが出来ました。しかし、今は観光客増加に伴い、上記駐車場の使用をお勧めします。
地質 周辺環境
地図を見ると、この高取城を境にして、上下で地質が違うことが見て取れます。
もう少し拡大してみると、非常に分かりやすい。ピンク地質は「花崗片麻岩」です。ちなみに、この辺りは、「領家変成帯」と言われています。「領家変成帯」については、長篠城でも解説しております。つまり、上記の赤線は、、、
中央構造線!
ということになります。
注目するべきは、その地下
ここは「中央構造線」の「境」にあるという点は見逃すことはできません。
この辺りの花崗岩帯は、中央構造線に沿って、長篠城、果ては長野県まで伸びており、その際には重要なお城があります。河岸段丘のようになっていたりするので、堅固な城を作るのに好条件だったということでしょう。
花崗岩は、本来は地下深くにあるものが、なぜ、こうも広範囲に地表に出てきたのか。。。それは、フィリピン海プレートの沈み込みにより、削り取られ「付加体」となり地上にせり出したからです。名称としては、「領家変成帯」と「四万十帯・日高川層群」。つまり、
ピンクが「領家変成帯」で花崗片麻岩
中央構造線を挟んで、グレーが「四万十帯・日高川層群」で砂岩・泥岩
になります。
この豊富に取れる大量の「花崗片麻岩」が、この高取城の築城に深く関与しているのです。砂岩・泥岩ではおそらく難しく、「花崗片麻岩」だからこそ、しっかりとした城を作ることができそうですね。
城域に入る
登城口~猿石まで
いきなり大量の岩石に、胸もトキメキマス。
基本的に、このような切通道を登ります。そこに至るまでのちょこちょこ石積みがありますが、1月でも結構な藪です。
この城のシンボル「猿石」。麓には、明日香村があります。そこには、亀石や二面石など、謎の石像がたくさんありますので、これもその一つなのかと思います。「猿」=「去る?」=「魔物が去る??」で結界とか。
いよいよ二の門から入ります
その脇の池。こんな山頂にこれだけの規模の池はそんなにありません。
そこから見上げた三ノ門櫓方面。高い!
国見櫓からの展望
やっぱり寒い時期の朝一は、眺めが最高!奈良の端っこだけに、奈良盆地が良く見える
松ノ門からが実質的な城内
宇陀門付近
千早門付近
辺りに瓦が散乱
壺坂口中門
大手門から本丸
もはや、ものすごい防備で開いた口が塞がりません。。。
この城は、細かく門の名前が付けられ、その場所その場所で見どころがあります。やはり、千早門を越えて、三の丸に入ったあたりから、野面積みから、打ち込みハギが多様されていて、美しい。
この辺りは、落とし積みに見えるので、江戸時代ぐらいでしょうか。
みどころはここ!
見どころですよ!
この打ち込みハギと野面積みの合わせ技!美しすぎる。そして、どれだけの土木量!お金が掛かっている。
みどころはここ!②
本丸の高石垣!ここは、標高約600mですよ。よくもまあ、これだけの石垣を築いたものです。たぶん、花崗片麻岩だと思います。やっぱり、泥岩や砂岩ではここまで積み上げることは出来ませんよね。花崗岩最高!
本丸に入る
ここのクランクはスゴイなあ
本丸の最後の防衛拠点だるこのクランク。この手の込みようは、近世城郭に見る到達点。個人的に、熊本の「佐敷城」の凝りようを思い出します。
この余裕のある山頂敷地面積。ここが標高約600mだということを忘れます。なんという広さ。雰囲気的には、大分の岡城や朝来市の竹田城にも近い気がします。
気づき
今回、4時間を掛けて、ゆっくり見学しました。まさにちょうど良い登山で、このブログのテーマとしている
を感じることが出来、「日本三大山城」の一つに相応しい素晴らしい山城でした。明日香村散策と併せて訪れ見ると、この土地の過去に触れることが出来ると思います。
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