愛知

【愛知県】長篠城 大断層「中央構造線」上にある要の城 電車時刻確認必須 

基本情報

 形態:平城
 史跡指定:国の史跡
 城の整備:アクセス簡単
 所要時間:30分
 訪問日:2013年8月

駐車場 アクセス

しっかりとした駐車場があります。

地質 周辺環境

立地を確認

引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)
引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)

等高線図でその場所を確認すると、長篠城の位置は、交通の要衝であり、「豊川」と「宇連川」が合流する場所に突き出した断崖絶壁に守られたという点だけでも、

山城Q
山城Q

「難攻不落」

「天然の要害」

という言葉がぴったりの平城です。

しかし、ここはそれだけではないのです。他に注目するべきことがあります。

注目するべきは、その地下

実は、ここは「中央構造線」の上にあるという点は見逃すことはできません。

長篠城近くの「長篠露頭」では、外帯の黒色片岩の上に内帯の花崗岩源圧砕岩が覆いかぶさっている様子をはっきりと見ることができます。中央構造線の基本的な断層の観察には非常に適しています。

この中央構造線は、全長1000キロメートル以上に及び、九州から四国北部を経て紀伊半島を横断し、伊勢湾を横切り、天竜川に沿って北上して、長野県諏訪湖付近で本州の中央部を横切る「フォッサマグナ」とよばれる巨大な地溝帯にぶつかります。(「フォッサマグナ」については、下記を参考)

中央構造線には、ひずみが多く周辺には活断層が多い要注意な大断層なのです。

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

さらにこの場所は、上部のピンクの部分と下部の青の部分の「境」にあります。

ピンクの部分は、領家(りょうけ)変成帯といい、岩石は高温低圧型の広域変成岩と、花崗岩などの貫入岩(地下でゆっくり冷え固まった火成岩)で構成されています。地質の「境」の城。

縄張り図 現地看板

城域に入る

巴城郭にて、超ピンチ!

全く、前もって理解していなかった点が一つ。かなり楽しみにしていたお城でもあったので、その空堀の撮影に超夢中。実際に見えていたのに、全く気に留めていませんでした。それは、

山城Q
山城Q

線路の存在

この線路の存在は、「認識」としてはありました。しかし、城内に線路があってもそれは、

山城Q
山城Q

廃線になっているのだろう

と、勝手に思い込んでしまったのです。こっちの人間ではないので、知りません。特に注意することもなく、カメラ片手に踏み切りに侵入した瞬間、なんと電車が来たのでした。

JR飯田線

「蛇に見込まれた蛙」とは正にこのこと。反射行動を取る前に、頭の中で理解しようとしたため一瞬、動くことができません。しかし、電車に激しく「警笛」を鳴らされ、

山城Q
山城Q

間一髪!!!

避けることができたのでした。死ぬかと思いました。ここは、現役の線路です。電車が走ります!

ここでも、ちらっと線路が写っています。今、思い出しても汗が出ます。

綺麗にな空堀です。

本丸へはアクセス近し

本丸曲輪は、見晴らしの良い原っぱで、その向こうが崖だとは気が付きません。

「さかさ桑」というのがありました

「長篠の戦いで敗れた武田勝頼が休んだ場所で杖をついたら、桑の芽を出し枝が下に伸びていった。」という、そのような伝説があります。

「真」に天然で出来た城だった

長篠城がある場所は、交通の要衝であり、「豊川」と「宇連川」が合流する場所に突き出した断崖絶壁に守られ、段丘を利用した「天然の要害」という点だけではなく、

地下には大断層の中央構造線が走り、近くには、その「中央構造線長篠露頭」が顔を出し、「大花崗岩」帯(領家変成帯)と「泥岩」との「境」に出来た

山城Q
山城Q

「真」に天然出来た

であり、

山城Q
山城Q

本当に、昔の人の「着眼点」はスゴイ!

と、関心させられるばかりです。

橋からの遠望

鳶ヶ巣山砦跡にも

現地は、駐車場が無かったので、歩いて行きました。道もあぜ道ですし、歩くにはちょうど良い距離です。

現地の案内看板

大案内看板の横の小案内看板

段郭や土塁あり

あくまで砦ですので、規模は大きくありませんが、関係史跡として必見です。

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