山城ACTレベル：初級 ★☆☆
山城Wレベル：W2 ★★☆
この山城の魅力｜３つのポイント
① 体験価値（ウェルネス）
登り始めからずっと海の気配を感じながら歩ける登城路で、階段を一段ずつ上がるごとに、街のざわつきが少しずつ遠のいていきます。頂上に着くころには、呼吸と歩幅がそろい、ほどよい疲れと静かな集中が残ります。
② 遺構の固有性
東側の急崖と、その上に重なるように並ぶ段郭が、「崖を背にして守る」後瀬山城の戦い方をそのまま形にしています。派手な石垣は少なくても、斜面の切り方や曲輪の配置を見るだけで、防御線のイメージが自然と立ち上がってきます。
③ 景観・地形の固有性
主郭に立つと、樹間から若狭湾がふっと開き、海と山が近い若狭らしいスケール感が一度に味わえます。登りの記憶と海のひろがりが重なり合い、「ここまで来てよかったな」と素直に思える眺めです。
現地レポート｜ルートと見どころ
山頂まで基本的に一本道。整備もされており、問題なく登ることができます。見るべきポイントもしっかりあります。とにかく、東側が急峻な崖となっており、守りやすいということです。
どこまでも登りやすい？
立派な階段を備えた登城道
展望は、、、
座っても全く景色は見えないベンチ
東側に崖が続くので、とにかく途中から曲輪群が続きます。守りはそれで十分に果たせます。
段郭が続く
八幡神社側との合流地点 ここから真価を発揮
そして、八幡神社側との合流地点に土塁を備えた本格的な曲輪が出現
この場所の守りが堅いですね
このキュッとしまった登城道。左右共に崖。実際は、写真の奥らへんに丁度、門があったような土盛があります。となれば、守りは堅いと思います。
主郭部に到着
途中、いくつもの曲輪の横を登り続けるとこの石垣と石段が迎えてくれます。
瓦がかなり散乱しております
お～チャートの石積み～。
この愛宕神社背後の石垣ですが、当時のものか、後世のものか不明です。海側にあるため、
愛宕社を守るためのものかもしれません。入口の石垣とのクオリティが違う気がします。
そうすると、石段も愛宕社のものなのかどうか不明です。
眺望
若狭地方山城によくある風景
城の山頂から日本海がすぐそこに見えます。
チャートの大岩もあります。これは、良いです。象徴的な岩でしょうね。
磐座かなあ？
謎の石組
この石組は、、、もしかしてカマド跡とか？？もしそうならば、徳島の一宮城にもありました。主郭石垣の裏スペースにありましたね。
これ以上は止めました
この先に行こうとしたのですが、この看板が目に入り、この裏にある「御殿曲輪跡」の散策は止めました。若狭地区周辺の山城は、リアス式海岸を活かした切り立った山にある比較的に古いタイプのモノが多いと思います。ひとつ言えることは、
アクセス・駐車場
登城口：能瀬地区登山口
駐車場：登山口付近に数台分あり
公共交通：小浜駅より車で約15分
トイレ：登山口周辺なし（事前利用推奨）
この城の概要
後瀬山城は若狭湾沿岸を見下ろす立地に築かれた山城で、段郭と急峻な地形を活かした防御構造が特徴である。主に周辺交通と海上の監視拠点としての役割を担ったとされる。
出典・参照元：現地看板、小浜市文化財資料
山城ACTレベルと山城Wレベル
山城ACTレベル：初級 ★☆☆
標高約168mの後瀬山に築かれた山城で、登城口から主郭までの比高はおよそ120mです。
整備された階段道と緩やかな登りが続き、距離も往復約1.2kmと短めで、中高年でもペースを整えれば無理なく歩ける負荷感です。
山城Wレベル：W2 ★★☆
登るほどに段郭と急崖の関係が見えてきて、防御構造をイメージしながら歩ける山城です。
主郭から若狭湾を望む景色が、登城の記憶と重なって静かな余韻を残してくれます。
主なルート
・能瀬地区登山口 → 段郭群 → 八幡神社側との合流曲輪 → 主郭（往復約1時間）
累積標高差と所要時間
累積標高差：約120m ／ 所要時間：約1時間（往復）
地形の特徴
東側の急崖と山頂部の段郭が連続し、海側へ視界が抜ける主郭を中心に、防御と眺望が一体化した構成です。
地質から読み解く
地質を確認すると、入り組んでいるのが非常に分かりやすい。岩質は、立地場所は、泥岩質となっていますが、下の黄色層は、チャート層なので、ここでも一部が見えるのだと思います。昔は、海水が奥まで入り組んでもっとリアス式海岸を造っていたのでしょうね。
リアス式海岸といえば、
長崎対馬の金田城ですね。あそこもリアス式海岸を使っている。そして、チャートと言えば、の超有名な山城
周辺観光・温泉（地域共鳴）
■ 温泉
御食国若狭おばま 濱の湯
登城後のクールダウンに立ち寄りたい、小浜市の公共温浴施設。
泉質はアルカリ性単純温泉で、肌あたりがやわらかく、湯あがりのすっきり感が心地よいのが特徴です。
露天風呂やサウナのほか、海草風呂・薬草風呂なども備え、歩き続けた身体をゆっくりとほどいてくれる場所。
山城で高まった感覚を、海と湯の静けさの中で自然に平衡へ戻していく — そんな締めくくりにふさわしい温泉です。
■ グルメ
御食国若狭おばま食文化館内レストラン
地魚を中心とした郷土料理が楽しめる。
■ 歴史名所
明通寺（国宝本堂・三重塔）
若狭地方の宗教文化を象徴する静謐な空間。
まとめ
後瀬山城は、静かな登城路と海を望む眺望がバランス良く楽しめる、初心者にもやさしい山城です。特に主郭からの若狭湾の景色は、歩いた者だけが味わえる心の余白を残してくれます。山城ウェルネスの入口として、穏やかな一歩を踏み出すには最適な場所といえますね。
免責
本記事は個人的な体験・調査に基づくものであり、効果や歴史を断定するものではありません。訪問時は最新情報をご確認ください。
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