愛媛

【愛媛県】【番外】伊予松山城 全ての道は天守に通じる 香川県引田城との共通点 道後温泉

基本情報

 形態:平山城 
 史跡指定:国の指定史跡など
 標高:132m
 城の整備:登山道あり 
 所要時間:一時間
 訪問日:2020.02

駐車場 アクセス

足腰の悪い方は、ロープウェイであがるというのも「アリ」です。

地質を確認

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

四国でも付加体立地からは外れ、比較的安定した地質が伺えます。

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

特に、北部は深部の花崗閃緑岩が貫入。海成層の礫岩・砂岩・泥岩が道を作っていますので、かつては海の底だった可能性があります。

そんな松山市の「勝山」にある松山城ですが、この「勝山」は、北部は「花崗閃緑岩」、南部は上部白亜系和泉層群「礫岩」との合わせ技。残丘のようにも見えます。加藤家も

山城Q
山城Q

良いところに、目を付けましたね

実は、この上部白亜系和泉層群「礫岩」ですが、ずっと東の方へ追っていくと、似たような山城に行きつきます。それは、

引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

香川県引田城なのでした。この海城も、北半分は花崗岩、南半分は和泉層群「礫層」になります。しかも、この層は、さらに和歌山県まで伸びます。その距離は東西約300㎞

山城Q
山城Q

なんという長さ

参考文献:和泉山脈における上部白亜系和泉層群の砂岩組成とその堆積テクトニクス上の意義
米谷奈々 前島 渉 堆積学研究 第 72 巻 第 1 号 27-30(2013)

城域に入る

西暦2000年頃の天守閣

実は、管理者はまだ学生の頃、国内卒業旅行と称し、この伊予松山城に来たことがあります。しかし、この時は、写真の通り、改修中でして中に入ることができませんでした。当時は今ほどインターネットも発達していませんし、非常に残念な思いをしたのでした。

山城Q
山城Q

なので、今回は楽しみでもありました

黒門口登城道から登る

とはいうものの、この日、愛媛の南部の山城をいくつ登り、車も南予から運転し、ほぼ体力の限界でした。しかし、あえて体に鞭打ち歩いて登ることにしました。ま!平山城だし、有名観光地だし、広い登城道はあるし、人も多いし、夏目漱石の坊ちゃんで有名だし、遭難することはないだろうと。

この「際」の接合部分とか、もはや芸術 アートの世界。やはり来て良かった。

仮に近代に改修工事があったとしても、この直線は

山城Q
山城Q

かなり美しい

なんという岩石量。この花崗閃緑岩がこの勝山産だけでは賄いきれるものではないでしょう。北部の花崗閃緑岩帯からも持ってきているはず。キレイです。かつて、この上に多聞櫓とかあったかと思うと、それだけで戦意喪失。

脇道に反れる

門を越えて、登っていると

山城Q
山城Q

何やら道がある

何やら怪しい匂いがプンプンします。絶対に何かある。道があるわけだし、進めるってことで「レッツゴー!」

でも、だいぶ足に来てる。しかも、落ち葉が滑るってなんの。

埋もれた石垣を発見

ほぼ急登していると、おっと!

やはり、石垣がありました。これぞ、山城登り冥利に尽きるというもの。埋もれている。

むむむ。これは、黒門の石垣とは少し違います。黒点が多いので「トーナル岩」か「黒雲母花崗岩」かもしれません。見られて良かった。

乾門の下に出る

順調に登っていくと。。。あれ、どっかに出ました。

ここの位置を確認すると、どうも「乾門」の下になります。ここを上がるのは難しいかも。参ったな~。どこに進もうか。しかし、ここからの眺めは最高ですね。

山城Q
山城Q

すごい眺めです

これは、攻め手の足軽の気持ちが分かります。この高さ。鉄砲銃眼。石落とし。絶望感半端ないです。

熊本城のあの石垣、あの角度と似ている

でも、待てよ。この感じは、どっかで見たことがある風景。そう!あそこ

復興熊本城「飯田丸ゾーン」二様の石垣
山城Q
山城Q

雰囲気がめっちゃ似ている!

熊本城の二様の石垣周辺に雰囲気が似ています、我ながら、良く覚えていました。

今は無き「愚陀仏庵」にて

西暦2000年頃の看板

学生時代、国内卒業旅行の目的の一つに、この「愚陀仏庵」に行くというものが含まれていました。管理人は、かつて国語だけが突出して大得意でしたので、明治の文豪に触れられると思い、非常に楽しみでした。他のメンバーからは、疑問符が付きましたが。

正岡子規 
俳句・短歌・新体詩・小説・評論・随筆など多方面にわたり創作活動を行った
明治を代表する文学者の一人

夏目漱石
日本の教師・小説家・評論家・英文学者・俳人

あの「正岡子規」と「夏目漱石」が一緒に過ごした離れの一軒家。中には入ることはできませんでしたが、玄関先で座って寛いだことを覚えています。しかし、2010年の7月12日土砂災害により全壊してしまったそうです。残念。

道後温泉 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)

誰もが知る「道後温泉」。日本最古の温泉の一つです。この一帯は、花崗岩の際でもあります。花崗岩層があるということは、その割れ目から地下深くの温泉が湧出するというわけです。花崗岩があれば「ラドン」も検出されると思いましたが、「ラドン」は検出されないようですね。

山城Q
山城Q

管理人は、アルカリ性単純温泉が大好きです

特徴:

体に優しい成分の薄い温泉なので、刺激が少なく、心のストレスからも解放され長湯をしても問題のない温泉でもあります。単純温泉と言っても、成分が単純なのではなく、含有成分量が一定量を越えていないだけで、「湯あたりしにくい」温泉ということになります。

特に、平成26年改定の泉質別適応症では、「自律神経不安定症、不眠症、うつ病」への改善効果がと認められました。これは非常に画期的なことであり、三つを持つのは他の泉質の中でも、単純温泉、アルカリ性単純泉だけです。

泉質:

単純温泉(弱アルカリ性)

療養泉の一般的適応症

筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進、

泉質別適応症

自律神経不安定症、不眠症、うつ病

参考資料:温泉ソムリエテキスト 発刊2021年4月

気づき

ここ、伊予松山城周辺は、歴史・有名温泉地が揃う「一大観光地」。特に、現存天守の持つ「リアルさ」は、復元天守にはありません。その点は、他の現存天守で有名温泉が近くにあるのは、「松江城・玉造温泉」ぐらいであり、そこがライバルとなるでしょう。

「松江城・玉造温泉」の場合は、近くに「出雲大社」があります。「歴史・温泉・神道」を備える強力なライバルです。「石鎚山登山」「お遍路体験」など、ここでしかできない「アクティビティ」に力を入れれば、さらに魅力的な観光地になるのではないでしょうか。

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