佐賀

勝尾城(佐賀県鳥栖市)|館と山城が連なる、筑紫の城郭群

山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

山城ウェルネス

山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

山城ACTレベル
筑紫神社からの登城は、明確に「山歩き」の要素があります。登りが続く区間があり、体力配分とペース管理が必要です。曲輪の散策も含めると行動量が増えるため、中級相当としました。

山城Wレベル
筑紫神社の空気感から、登りでの集中、山頂部での展望へと場の切り替わりがはっきりしています。森の中を歩いた先で一気に視界が開けるため、印象の切り替わりが出やすい構成です。

遺構の観察と歩行が自然に交互に現れ、流れが単調になりにくい山城です。

主なルート
・筑紫神社(登山口) → 出丸 → 大手曲輪 → 主郭(展望) → 大堀切 → 二段石垣 → 二ノ丸 → 筑紫神社へ戻る

累積標高差と所要時間
累積標高差:未計測 / 所要時間:未計測

アクセス・駐車場

国土地理院地図を加筆した位置図(拡大可)
引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qが加筆修正(スマホで拡大可能)

:鳥栖ICから一般道で筑紫神社へ(ナビは「筑紫神社」推奨)
駐車場:筑紫神社に参拝者用の駐車スペースあり(利用時はマナー配慮)
公共交通:JR鳥栖駅からタクシーで筑紫神社までが現実的
登山口:筑紫神社からの登山道が一般的ルート

※道路・駐車場は変更の可能性があります。最新情報をご確認ください。

現地レポート|ルートと見どころ

勝尾城 登城口付近

筑紫神社から登る

筑紫神社の登りはじめ

早速の階段ですが、ここは筑紫氏の館跡。気持ちを落ち着けて登ります。

登城路に現れる石垣

いきなり石垣が現れます。後世のものか当時のものかは分かりませんが、見た目は古そうにも見えます。

登山道区間の様子

基本的に登山道です。この日は12月でかなり寒かったのですが、登り始めてすぐに体が温まりました。

削れた花崗岩の足元

雨の浸み込みなどもあるのか、花崗岩の表面がかなり削れている箇所があります。

(中間分岐点)出丸から本丸を望む

途中の出丸から山頂を望む

筑紫神社から登ってほどなくして、出丸に到着。ここから先は明確に城域に入った感覚になります。

同様の階段が続く登城路

ここにも、同じような階段があります。削れてますね。

大手曲輪の堅い守り

山城Q:いわゆるキルゾーンに立ってますよ

大手曲輪の様子(1)
大手曲輪の様子(2)
大手曲輪の様子(3)

少し開けた!と思うと、そこは大手曲輪でした。

正面攻撃を意識させる地点

この並びに板壁などがあったのでしょうか。正面に向かって攻撃を仕掛けられる配置に見えます。

岩石が多い区間(1)

途中もそうですが、岩石が豊富にあります。

岩石が多い区間(2)
岩石が多い区間(3)

山頂へ

お、開けてきました。山頂!?

山頂部に近づく登城路

筑紫平野が一望できる開けた展望

山城Q:うわーーーー

筑紫平野の展望(1)

山城Q:絶景!

なんという展望!朝霧に包まれているけど、筑紫平野が一望です。なんか 立花山城 もそうでしたが、ものすごく近く見えます。

筑紫平野の展望(2)

雲仙普賢岳を望む

雲仙普賢岳方向の眺め

これは、島原の雲仙普賢岳ではないですか。近くに思えます。

石仏の発見ポイント

いくつかの石仏も発見。花崗岩だから掘りやすいのでしょうか。これは同じ一乗谷裏の山城でも見たことがあります。同じ共通点ですね。

登城路の風景(紅葉)

主郭は少し奥にあります

主郭方面への道
主郭近くの遺構

大堀切

大堀切の様子

勝尾城の二段石垣

二段石垣(1)
二段石垣(2)

この石垣、良いですね。苔の生え方も見栄えがあります。花崗岩が豊富な場所ですが、二段になっているのは、当時の施工条件や意図があったのかもしれません。

二ノ丸

二ノ丸の様子(1)
二ノ丸の様子(2)

この辺りの石垣(石積み)も小規模です。調べると「1586年に廃城」とされる情報もあり、時期によっては大規模な石垣技術が全面的に使われる前段階だった可能性もあります。いずれにしても、登山コースとしても成立していて、歩いて楽しい山城でした。

この城の概要

勝尾城は、佐賀県鳥栖市の山地に築かれた中世山城で、戦国期には筑紫氏の拠点の一つとされます。

山上に主郭を置き、その周囲に曲輪群や堀切を備えた構造で、麓の筑紫神社周辺(館跡とされるエリア)とあわせて歩ける点が特徴です。

出典・参照元:鳥栖市公式資料・現地案内板、文化庁「国指定文化財等データベース」、ウィキペディア「勝尾城(佐賀県)」ほか。

日本三大城跡史跡のひとつ「勝尾城筑紫氏遺跡」とは!?

日本には「三大城跡史跡群」と呼ばれることがある場所があります。私は過去に、

福井県の特別史跡「一乗谷朝倉氏遺跡
熊本県の国指定史跡「八代城跡群 古麓城跡 麦島城跡 八代城跡」

を訪問しました。そこで今回は「勝尾城筑紫氏遺跡」にやって参りました。こうして並べて見てみると、それぞれ性格が違っていて面白いです。

地形・地質のポイント

勝尾城は、筑紫平野を見下ろす山頂部に築かれ、麓から見ると独立丘陵的に立ち上がる山体の頂部を利用した山城です。

産総研シームレス地質図V2を加筆した地質図(1)
引用元:産総研地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図V2」(地質図更新日:2022年3月11日)より当ブログ管理者Qが加筆・修正(スマホで拡大可能)
産総研シームレス地質図V2を加筆した地質図(2)
引用元:産総研地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図V2」(地質図更新日:2022年3月11日)より当ブログ管理者Qが加筆・修正(スマホで拡大可能)

地質が切り替わる帯が見て取れます。周辺一帯で花崗岩系の岩体が目立ち、城跡の岩塊斜面や石材の雰囲気にもつながっているように見えます。

産総研シームレス地質図V2を加筆した広域地質図(拡大可)
引用元:産総研地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図V2」(地質図更新日:2022年3月11日)より当ブログ管理者Qが加筆・修正(スマホで拡大可能)

特徴的なのは、少し入り組んだ地形の縁に城が載っている点です。このタイプの立地は周辺にも見られ、似た構成の山城が点在しています。

山城Q:立地として、なかなか面白いタイプです。

この山城の魅力|3つのポイント

体験価値(ウェルネス)
筑紫神社からじわじわ高度を上げ、花崗岩の巨岩が点在する山道を抜けて、最後に筑紫平野の大パノラマが開ける「登り+展望」の山城体験が楽しめます。

遺構の固有性
石段状の登城路や大手曲輪、主郭近くの二段石垣や大堀切など、「岩と斜面を生かした守り」がコンパクトに詰まっています。館跡(筑紫神社周辺)から山上の城跡まで、一体で歩けるのも特徴です。

景観・地形の固有性
主郭付近からは筑紫平野方面へ視界が開け、天候次第では遠方まで見通せる眺望が広がります。稜線と花崗岩の岩塊斜面が連続し、「岩場の山城」らしさが際立ちます。

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周辺観光・温泉(地域共鳴)

吉野ヶ里温泉 卑弥呼乃湯

吉野ヶ里歴史公園から車で約5〜10分と近く、散策後に立ち寄りやすい日帰り温泉です。露天風呂は開放的で、散策のあとに一息つきたい時の選択肢になります。

吉野ヶ里温泉 卑弥呼乃湯|祐徳温泉グループ 公式サイト――佐賀・福岡の日帰り入浴施設
お湯三昧の湯ったり空間。種類豊富な『吉野ヶ里温泉 卑弥呼乃湯』

筑紫神社(館跡)

登山口となる筑紫神社周辺は、筑紫氏の館跡とされる場所でもあり、勝尾城と合わせて「館跡+山城」を一体として歩けるエリアです。
下山後に境内をゆっくり回ると、山上と麓がつながっていた感覚が残ります。

まとめ

勝尾城は、「勝尾城筑紫氏遺跡」の山上部分にあたる山城で、筑紫神社からの登山コースとしても歩けるフィールドです。

大手曲輪、主郭背後の大堀切、二段石垣といった遺構に加え、筑紫平野を一望し、条件が合えば遠方まで見通せる展望が残ります。歩きと眺めがセットで成立するタイプの山城でした。

【免責】

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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