長崎

清水山城(長崎県対馬市)|曲輪ごと違う石垣の積み方

山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス

山城ACTレベル:初級 ★☆☆
市街地から登城口まで徒歩で約15分。登城口から三ノ丸までは約10分で、急登や長距離行程はありません。曲輪間の移動も短く、全体周回でも身体負荷は抑えめです。

山城Wレベル:W3 ★★★
市街地からの歩行区間でも港・街・斜面の関係が途切れず視界に入り続けます。三ノ丸到達時点で眺望・石垣・虎口が同時に立ち上がり、体験の密度が急激に高まります。

三ノ丸・二ノ丸・一ノ丸で石垣や虎口の構造差が明確で、短い歩行距離の中で切り替わりがはっきり作用します。

主なルート
市街地側から歩行で登城し、三ノ丸→二ノ丸→一ノ丸を巡る周回。

累積標高差と所要時間
・所要時間:約2時間

駐車場 アクセス

清水山城へのアクセス案内図(国土地理院地図に加筆)
引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)
清水山城 二の丸の石垣を市街地側から見上げた写真

下からもばっちり見える二の丸の石垣
厳原の街は、ほどほどの大きさなので、近い真上に見上げることが出来ます。

清水山城へ向かう市街地側の歩行ルート周辺の様子

ここへの行き方は、いろんなパターンがあります。基本的に山を目指して、歩いていけばそのうち辿り着けます。ちなみに、韓国の方もたくさん歩いています。

現地レポート

清水山城 登城途中の石段(または登城路)の様子
清水山城 登城路から城域が近づく雰囲気が分かる写真

どんどん登ると、

「お!」

見えてきました。

三ノ丸

清水山城 三ノ丸の曲輪内部の様子
清水山城 三ノ丸周辺の石垣・通路の様子
清水山城 三ノ丸の石垣(側面・隅部)の様子
清水山城 三ノ丸の石垣(積み方が分かる近景)

眺望

清水山城 三ノ丸から見下ろす厳原の町と港の眺望

「お~~」厳原の町が良く見える

三の丸に到着。さ~ゆっくり見ていきますか。ここ三の丸は、段丘のようです

清水山城 三ノ丸の段状地形(曲輪の段差)が分かる写真
清水山城 三ノ丸の通路・石垣の様子
清水山城 三ノ丸周辺の石垣(積み方の違いが分かる近景)

朝鮮の倭城で見られる竪石垣 登り石垣

清水山城 竪石垣(登り石垣)の様子
清水山城 曲輪間をつなぐ石塁(竪石垣)の連続
清水山城 石塁が曲輪と曲輪の間を結ぶ構造の写真

曲輪と曲輪のあいだを石塁が繋いでおります。倭城の形式だとか。戦国の城には珍しい

二ノ丸 織豊系城郭をここでも

清水山城 二ノ丸の石垣(虎口周辺の様子)
清水山城 二ノ丸へ上がる石段・通路の様子

二の丸に上がってきました。

清水山城 二ノ丸虎口の石垣(左右非対称が分かる位置から)

虎口の両石垣の形が左右で違う!下から見える左側は、なんだか尖がっている。もっと、反りが上向きでも良いとも思いますが。尖がっています。

清水山城 二ノ丸虎口の石垣(右側:角が少ない積み方)

が、しかし、右側はこんな感じです。角が無い。しのぎ積みってやつですね。120度ぐらいで組んでます。この組み方は、どっかで見たような。。。

そうそう、安土城の黒金門付近で見た記憶があります。

清水山城 二ノ丸周辺の石垣(隅部・折れの様子)
清水山城 石垣の角に大きめの石を配置した箇所

下から見えたのはここでした。バッチリ角があります。大き目の岩を「あえて」配置。

清水山城 二ノ丸虎口の石垣(左右の角度差が分かる再掲写真)

やっぱり、左右で角度が違います。こんなケースもあるんですね。

清水山城 一ノ丸周辺(虎口や石垣の作りが変わる地点)

上から見るとそんなに違和感はないですが一の丸に到着。二の丸の虎口とは作り方が違うのにお気づきでしょうか。それぞれの虎口を担当した大名が違うってことなのでしょう。

三ノ丸

清水山城 三ノ丸の石垣(通路脇の立ち上がり)
清水山城 三ノ丸の石垣(積み方の違いが分かる近景)

直線にはならない食い違い虎口

清水山城 食い違い虎口(直線で進めない虎口構造)の様子
清水山城 食い違い虎口(虎口が二つ配置された区画)の写真

ここは、虎口を二つ配置し、まっすぐ進めないようになっています。やたら厳重でより実戦向きという感じです。

眺望 

清水山城から見下ろす厳原港(フェリーが入港する様子)

ちょうど、厳原の港に韓国からフェリーがやってきました。韓国にとって、対馬は「近くて安い外国」らしいです。たしかに、韓国の立地を見てみると、上には行きづらいですし。

とにかく、韓国の方が日本人以上に町を闊歩しています。

一ノ丸

清水山城 一ノ丸の曲輪内部の様子
清水山城 一ノ丸の石垣(通路沿いの立ち上がり)
清水山城 一ノ丸周辺の石垣(積み方が分かる近景)
清水山城 一ノ丸の石垣を回り込んで観察する場面

一の丸の石垣をぐるりと見てみますと、、、ちょっと気になるところが、

清水山城 一ノ丸石垣の下部がはらみ出した箇所(近景)
清水山城 一ノ丸石垣のはらみ出し・積み直しが見える箇所
清水山城 一ノ丸石垣の変形(押し出し)を示す写真

やっぱりモロイのでしょうか。下部でハラミ出しているところを発見。なにやら積み直しもされていますが。。。一枚はガッツリ出てしまっています。こうなると、崩壊は時間の問題では??

秀吉の御座所 でランチ

清水山城 『秀吉の御座所』とされる地点(休憩・昼食の場所)
山城Q
山城Q

「秀吉の御座所」で軽めのランチ

この城の概要

清水山城(しみずやまじょう)は、長崎県対馬市厳原町西里の清水山(標高約206-219m)に築かれた安土桃山時代の山城で、国指定史跡です。

文禄・慶長の役(朝鮮出兵)の拠点として天正19年(1591年)に豊臣秀吉の命により対馬領主・宗義智らが急造し、名護屋城から壱岐・朝鮮半島への軍事中継点として機能しました。

一の丸・二の丸・三の丸の連郭式山城で、石垣・桝形虎口・門址などの遺構が極めて良好に残り、織豊系城郭の特徴をよく示す対馬の代表的な城跡となっています。

地質から

清水山城周辺の地質図(堆積岩互層と石英斑岩の分布が分かる)
清水山城周辺で見られる石材(砂岩・泥岩など)の写真

このタイプの砂岩か泥岩がたくさんあります。そして、石英斑岩の2種類
地質図で確認しても、堆積岩互層(緑) 石英斑岩(ピンク)が分布しているので、混在する場所のようです

この山城の魅力|3つのポイント

① 体験価値(ウェルネス)
市街地から歩いて登城口に至るまでに約15分を要し、その間も港・街・斜面の関係が途切れず視界に入ります。

登城口から三ノ丸までは約10分と短いものの、到達時点で眺望・石垣・虎口が同時に立ち上がり、体験の密度が急激に高まります。

② 遺構の固有要素
三ノ丸・二ノ丸・一ノ丸で石垣の積み方や虎口構造が明確に異なり、歩行距離は短くても構造の切り替わりがはっきりしています。左右非対称の虎口や食い違い虎口など、織豊系城郭の特徴が要点として集中しています。

③ 景観・地形の固有性
厳原の町と港を常に見下ろす位置関係が維持され、城内を移動しても「市街との距離感」が失われません。国境の島という立地が、眺望と構造を通して一貫して体感できる配置です。

周辺観光・温泉(地域共鳴)

観光地
・厳原港周辺(城から見下ろした街並みを、下山後に歩けます)

グルメ
・厳原市街の食事処(登城後に立ち寄りやすい立地です)

まとめ

各曲輪ごとにバラエティーにとんだ組み方で興味深い山城でした。この城は、文禄・慶長の役の際に作られました。しかも、役後は、それまで交易で成り立っていた対馬は、朝鮮との国交断絶で窮地に陥った様子。

江戸時代には、なんとか国交を回復させられたようですがここ清水山城は対馬という国境の島ならではの、「城」であり、単なる戦国の城ではないと思います。対馬は、魅せられますね!

免責

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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