熊本

人吉城①(熊本県人吉市)|城と庭園が溶け合う、人吉時間

山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W1 ★☆☆

山城ウェルネス

山城ACTレベル:初級 ★☆☆
平山城で、大きな急登は少なく、石段と坂道中心でゆるやかに周回できます。城内+庭園を含めて約1時間30分ほどの歩き方が目安で、登山装備が必要になるほどの負荷ではありません。石段・石畳が多いので、膝や足首に不安がある方はゆっくりペースが安心です。

山城Wレベル:W1 ★☆☆
城下から石段を上がって曲輪をめぐり、庭園まで歩くと、景色の切り替わりがわかりやすい構成です。石垣や虎口のディテールを追っても、全体はコンパクトで、落ち着いたペースを保ちやすい印象でした。没入は深くなりすぎず、散策の余韻が軽く残るためW1としました。

主なルート
・駐車場 → 大手門 → 二ノ丸 → 本丸 → 庭園を周回

累積標高差と所要時間
累積標高差:未計測 / 所要時間:城内+庭園で約1時間30分

人吉城は、城下から入ってすぐ石垣と地形の関係が見え、初動で城の構造が把握できる一方、行程全体は穏やかで、公園散策のようにも歩ける二面性を持った城です。

現地レポート|ルートと見どころ

人吉城は、昔から

「いつかは行きたいが、遠すぎて行くことはないだろう」

と思っていましたが、なんてことはない。仕事の関係で3年間、通うことになったのでした。

人吉城の石垣と城内の様子

一般的な見学場所は「近世人吉城」であって、実は、背後に上原城・中原城・下原城という3城が存在する大城郭であった。

火災から場内を守る槹出(はねだし)工法

人吉城の槹出(はねだし)工法の石垣
人吉城の武者返し石垣の近景

さて、こちらが有名で目を引く槹出(はねだし)工法で作られた武者返しです。国内でも数か所らしいです。確かに珍しい。

人吉城の武者走りの様子

武者走りも作りが丁寧。

大手門から

人吉城の大手門周辺の石垣
人吉城の石垣と通路の様子
人吉城の石垣を別角度から見た様子

この二つの石垣は作られた時代が違いますね。見た感じ、反り具合が違います。右側が後から付け加えられたのでしょうか。

人吉城の石垣構造が分かる場所

この造り方の原型であろう場所は、別の場所でも確認できました。「パート2」にて紹介。

関連記事:人吉城(パート2)

人吉城の石垣と通路の連続
人吉城の曲輪周辺の石垣

二ノ丸の構え

人吉城二ノ丸周辺の石垣
人吉城の中御門跡
中御門跡

左石垣と右石垣は作り方が違う。たぶん、左側があとから付け加えられたのでないでしょうか。

人吉城の中御門跡を別角度から
中御門跡

この中御門あたりの作りは、非常に堅固です。石垣も高く、折れを曲がると

人吉城の中御門跡の折れ
中御門跡

主郭部へ

人吉城の主郭部の様子

主郭に到着です。
綺麗に整備されています。

人吉城二の丸から三の丸を見下ろす眺め

二の丸から三の丸を見下ろす。
壮観な景色です。

二の丸の「不自然」な階段

人吉城二の丸の不自然に見える階段

個人的に、この階段が気になって仕方がない。どうみても、あとから取って付けた感じ。明らかにおかしい。

[speech_balloon id=”11″ style=”flat” align=”right” balloon=”talk” name=”山城Q” avatar=”https://yamatano.blog/wp-content/uploads/2011/05/kao3.png”]クレームが入ったな[/speech_balloon]

と、思います。

人吉城の野面積み石垣の様子

こちらは、ちょっと時代が古いのか作りが未熟。野面積みだけど、孕み出しで崩壊手前。

廻遊式大名庭園(無料)

こんな素敵な場所があります。

人吉城の廻遊式大名庭園の景色

普通に入れるのですが、私は、かつて京都で学生だった時、散々、日本庭園を見てきました。枯山水が多かったです。

人吉城の庭園の水辺と景観
人吉城の庭園の散策路

あまりの素晴らしさに、眺めることで、日々の忙しさを癒しておりました。説明書きにもありますが、戦国時代の豪快さと視野角まで計算された造りがたいへん素晴らしく、ずっと見てられました。

どうしても、城の石垣に目が行きがちですが、ぜひここもおススメです。人吉城、たいへん素晴らしいお城です。

関連記事:人吉城(別記事)

アクセス・駐車場

この城の概要

熊本県人吉市にある人吉城(ひとよしじょう)は、別名「織月城」「三日月城」とも呼ばれ、鎌倉時代末期の1198年(建久9年)頃に相良長頼が地頭として入部し築城を開始した平山城です。

相良氏は約35代・670年にわたりこの城を居城とし、戦国時代に球磨地方を統一、江戸時代には人吉藩(2万2千石)の藩庁として機能し、明治維新まで支配を続けました。

現在は天守こそ失われていますが、石垣や曲輪、復元された隅櫓・長塀などが残り、日本100名城の一つで、球磨川と胸川を天然の堀とする難攻不落の名城として知られています。

地形・地質のポイント

人吉城周辺の地質図(日本シームレス地質図V2を加筆)
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城Qが加筆・修正したものである(スマホで拡大可能)

人吉城は、球磨川沿いの段丘地形の縁部に築かれ、段丘崖を天然の防御線として取り込んだ立地です。歩いていると「川の流れ」と「段丘の高さ」が同時に視界に入り、城下町の位置関係がつかみやすいのも特徴です。

人吉城内のシラス土壌の様子
城内のシラス土壌

周辺観光・温泉(地域共鳴)

ひみつ基地ミュージアム(旧・人吉海軍航空基地跡)

人吉城から車で約15分。第二次世界大戦期に存在した「人吉海軍航空基地」の遺構を保存・公開するフィールド型ミュージアムです。

公式サイト:にしき ひみつ基地ミュージアム

人吉温泉との出会いが資格取得につながった話

人吉温泉を仕事上、二週間に一度訪れ、宿泊する中、湯ざわりの違いと泉質の組成が「体で理解できる体験」として残りました。その後、「この温泉とは何か」を体系的に学びたくなり、結果として温泉ソムリエの資格取得へとつながりました。

[speech_balloon id=”15″ style=”flat” align=”left” balloon=”talk” name=”山城Q” avatar=”https://yamatano.blog/wp-content/uploads/2011/05/kao7.png”]温泉の楽しさに気づかせてくれた名湯群です。[/speech_balloon]

高速道路のカントリーサイン(美人の湯)
高速道路のカントリーサインは「美人の湯」

この山城の魅力|3つのポイント

体験価値(ウェルネス)
城下の街並みから、なだらかな斜面と石段を上がり、総石垣に囲まれた曲輪をめぐります。ほどよい運動量に加えて、球磨川と城下町を見下ろす開放感が重なり、短時間でも気分の切り替えがしやすい歩き方ができます。

遺構の固有性
段丘の縁を活かした城域に、槹出(はねだし)工法による武者返しや、中御門まわりの屈曲する石垣、二の丸の階段など、見どころがコンパクトにまとまっています。石垣の細部を追いながら歩けるのが魅力です。

景観・地形の固有性
球磨川と段丘崖を背にした立地に、総石垣の平山城と廻遊式大名庭園が重なります。「川・城・庭園・街並み」が一枚の風景として立ち上がる、球磨地方らしい空間体験が味わえます。

免責

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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