富山

松倉城(富山県魚津市)|支城群が描く「アルテミスの首飾り」

山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W3 ★★★

山城ウェルネス

山城ACTレベル
標高431mの城山で、麓から本丸までの累積標高差はおおむね400m前後と中級クラスの負荷です。
急斜面や細い尾根道、小さなアップダウンが続きます。汗ばむ区間が長いので、夏場は暑さ対策と水分を前提に組み立てるのが無難です。

山城Wレベル
麓からの登りと、山上で日本海と魚津の町並みを一望する時間のギャップが大きく、登り切った瞬間に景色で意識が切り替わりやすい山城です。

本丸だけでなく周囲の支城群をたどることで、谷と尾根に連なる「首飾り状の防御線」を身体感覚でなぞるような面白さが出ます。眺望と広域の縄張構成が重なり、下山後もしばらく地形と配置を思い返したくなる深度からW3としました。

主なルート
・各川ダム付近の簡易駐車スペース → 登山口 → 大見城平・二の丸を経て本丸 → 城域周回(所要約3時間)
・山頂駐車場 → 本丸(往復10分前後)

累積標高差と所要時間
累積標高差:約400m / 所要時間:約3時間(麓から城域一周の場合)

地形の特徴
早月川と角川に挟まれた尾根上に主郭と曲輪群が並び、急斜面と谷を天然の堀としつつ、支城群が首飾りのように本城を取り巻くダイナミックな構成になっています。

アクセス・駐車場

本丸下まで車で侵入できますが、今回は、麓から登っていきたいと思います。場所はちょうどここです。

松倉城と支城群の位置関係を示す地形図の画像
引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)
山城Q
山城Q

飛騨高山にも松倉城がありますので、注意

今回も麓から歩いていきます。近場の各川ダムの空きスペースに駐車。

各川ダム付近から見た松倉城登山口周辺の写真

現地レポート

松倉城の登城道入口の写真

7月ということもあり、この日も暑い

八幡堂平

八幡堂平の曲輪周辺の写真
八幡堂平に残る石垣の一部の写真

確かに石垣らしきものはあるものの、シダ類で見えないですね

(中間分岐点)石の門

石の門と呼ばれる岩の門状遺構の写真

石の門です。ここが実質的な城内となるようです。

お、何か拠点が見えてきました。

大見城平に到着

大見城平曲輪周辺の写真

大見城平には、有力武士が住んでいた拠点であり、水飲み場もあったとのこと。本丸の近くに住むというのは、お隣の七尾城や観音寺城と同じパターン。

室町末期や戦国初期の城は、主従関係が縦よりも横の繋がりの方が強いような気がします

大見城平の説明板と周辺の様子の写真

土塁

松倉城の土塁遺構の写真

山頂駐車場~本丸

山頂駐車場付近の様子の写真

山頂の駐車場にまで上がって来ました。

山頂駐車場から本丸方面への登城道の写真

ここから本丸まで20m 近い。ここまで車で来ることもできるのです。

本丸まですぐ

本丸直前の登城路の写真

眺望

本丸から望む魚津の町と日本海の眺望写真

なんという眺め!魚津の町と日本海が遠く見通せます!

戦国庭園?

戦国庭園風の平場と石組みの写真

これは、庭園跡でしょうか?戦国庭園風です。整備されてる感じがします。

二の丸 地名の通りに遭遇

二の丸周辺の削平地の写真
山城Q
山城Q

????

二の丸にやってきましたが、この削った感じは何??と思っていた矢先。奥から・・・

二の丸で出会ったカモシカの写真
二の丸周辺の植生と斜面の写真

こっちに気が付いた

こちらを振り向いたカモシカの写真
山城Q
山城Q

天然記念物 カモシカ!!

なんという足の筋肉!初めて見ました。

山城Q
山城Q

ヤバい、目が合った!

そういえば、ここの地名は、魚津市鹿熊字城山 別名:鹿熊城

山城Q
山城Q

そんな城の名前ってある!?

各土塁と堀切

松倉城の大堀切の写真

大堀切

土塁に囲まれた曲輪内部の写真

土塁に囲まれた場所もあります

高い切岸斜面の写真

高い切岸

四の丸の大きな堀切の写真

四の丸 堀切。ここが最大の堀切でしょう。

のろし台(平ノ峯)に向かうも

のろし台方面へ向かう山道の写真
のろし台手前の茂った登山道の写真
山城Q
山城Q

ここで、茂みでガサガサ音がなる!

ここで身の危険を感じ転進しました。

ちょっと、さっきのカモシカ遭遇で危険度UPしました。越中三大山城。。。その名の通り、松倉城自体は、造りが大規模です。しかし、特に技巧的ではなく、正直、少々物足りませんでした。

そして、疑問

ここまで見学してみて思ったことは、確かに土塁や堀切は大きくかなりの土木量ではあります。しかし、

山城Q
山城Q

なぜ、こんなに作りがザックリなのだろうか。

と感じたのでした。巨大なのに技巧的な部分がほとんどない。

首飾りが本城を守る

そこで、今一度、地形を見て調べてみました。すると

松倉城と周辺支城の配置を示す地形図の画像
引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)
山城Q
山城Q

なんと!

早月川と角川に囲まれた松倉城周辺の地形図の画像
引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)

早月川と角川の二本を水堀。その周辺を、多くの支城を備える本城だったのです。これはすごい。九州の大分県に佐田城という本城を砦で囲んだ城や、城郭群はありますが、これだけ「密」なのは珍しい。

規模が全く違います。なので、本城である「松倉城」はこのダイナミックな城造りで良いのです。初めから支城も回っておけば、また本城の印象も違ったと思います。ここは、セットで回ることをお勧めします

山城Q
山城Q

本城なんですから 堂々としていれば良いのです

この城の概要

・越中東部を押さえるために山稜上に築かれた中世山城で、麓の集落や街道、扇状地と日本海を広く見張ることができる位置にあります。
・本丸そのものよりも、周囲に配置された複数の支城・砦を含む「広域防御ライン」としての性格が強く、越中を代表する規模の山城といえます。

縄張り図 現地看板

松倉城縄張り図の現地看板の写真
連郭式縄張りを示す説明板の写真

う~ん、なかなかな連郭式ですね~。

地質をみてみる

地形・地質のポイント

・早月川・角川に刻まれた谷と急斜面、尾根の連なりをそのまま防御線として使い、支城を点在させて本城を「首飾り状」に守る配置が分かりやすい城域です。
・地図(等高線)と現地のアップダウンを照らし合わせると、この城の「広域の守り方」がつかみやすいです。

この山城の魅力|3つのポイント

① 体験価値(ウェルネス)
・麓からじっくり登れば、汗ばむ登りと稜線歩きが続く「ほどよい達成感」の山城ハイクになります。・山上では日本海と魚津の町並みが一望でき、登り切ったあとの景色で気分が切り替わりやすいです。

② 遺構の固有性
・本丸そのものよりも、周囲に散りばめられた支城群が印象的で、「首飾り」のように本城を取り巻く構えが特徴的です。・曲輪・土塁・堀切が山稜沿いに連続し、規模の大きさで守る「ダイナミックな山城ネットワーク」を体感できます。

③ 景観・地形の固有性
・早月川と角川に挟まれた高まりに築かれ、山上からは扇状地と日本海を一望できる「山と海をつなぐ眺望」が魅力です。谷と尾根が幾重にも入り組む地形に支城が点在し、地形そのものが防御線になっている様子を地図と見比べながら楽しめます。

周辺観光・温泉(地域共鳴)

温泉|金太郎温泉(魚津市)

立山連峰を望む日帰り入浴施設。登城後に立ち寄りやすく、行程の締めに向きます。
※営業状況・入浴条件は来訪前に公式情報をご確認ください。

グルメ|魚津漁港周辺の海鮮定食

ホタルイカや白エビなど地元食材を使った刺身・焼き魚定食がおすすめ。登城後でも食べやすいです。

名所|魚津埋没林博物館

国の特別天然記念物「埋没林」を展示。松倉城の眺望とあわせて、魚津の地形と土地の時間感覚を立体的に感じられます。

【免責】

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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