山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

この山城の魅力|3つのポイント
① 体験価値(ウェルネス)
古代の国境に足を踏み入れる感覚と、静かな社叢の空気が重なり、短時間の散策でも心が落ち着いていく時間を味わえます。
② 遺構の固有性
空堀と土塁が丘陵の一角をぐるりと囲み、「関」といいながら小さな砦のような構造をしている点が、他の史跡とは異なる見どころです。
③ 景観・地形の固有性
標高約410mの独立丘陵上に位置し、周囲の里山や峠道と一体になった地形の中で、「みちのくの入口」を身体感覚でイメージしやすいロケーションです。
現地レポート|ルートと見どころ
卯の花をかざしに関の晴着かな
曾良(そら)
日本人なら学校の授業で聞いたことがある
「白河の関」
松尾芭蕉ら一行らが通った関所
関西人にはなかなか行く機会がないですが、一度、見てみたくて東日本大震災ボランティア旅程に
組み込みました。


この案内看板を見た時点で思うことは
「イメージと全く違う」
ということ。もっと、こじんまりとした小屋程度のイメージでした。

この規模で「関」??
空堀を備える完全な砦です。
入口から白河神社まで



「砦」というバイアスが強すぎて畝状竪堀にしか見えない。(違うと思いますが)

矢立の松 旗立の桜


この辺りには、源平合戦の際の源義経に関わる史跡が割と残っています。
空堀をぐるりと見学

案内看板をみて思うのですが、なぜ、空堀はこの部分だけなのでしょうか。左と空堀内の施設にはどのような意味があったのかA地区の場所がなぜ、飛び出ているのか。誰がここを治めたのか

いろいろ気になります。


左右に立派な空堀を備えています。段差があるのもわかります。案内看板にある「敵の侵入に備えて」の敵とは誰のことでしょうか。気になる~。
土塁群


空堀を造った際の土を盛り上げたのでしょうか。見事に周辺が囲まれています。

なぜ、ここだけ飛び出しているんだろう。櫓などが建てられていたのでしょうか。



周囲をぐるりと囲むこの空堀は、歴史的な意味を含めて、見る価値はあります。

あちこちに、祠や墓石?があります。一つ一つにいろいろな思いやら言い伝えやらがありそう。

情報量が多すぎる!
アクセス・駐車場
登山口・入口:
白河神社および白河関跡の入口付近に駐車場があり、そこから参道を進むと関跡・神社・空堀周辺を巡ることができます。
駐車場:
白河関の森公園や関跡周辺に一般利用可能な駐車場が整備されており、普通車でのアクセスがしやすい環境です。
公共交通:
JR東北新幹線・東北本線「新白河駅」から路線バスを利用し、「白河関の森」停留所で下車するルートが案内されています。所要時間はおおよそ40分前後とされています。
この城(関)の概要
白河関跡は、福島県白河市にある古代の関所跡で、鼠ヶ関・勿来関と並ぶ「奥州三古関」のひとつです。
奈良〜平安時代に東山道を行き交う人や物資を取り締まった要地と考えられ、その後は歌枕として都人の憧れの地となりました。近世には松尾芭蕉ら多くの歌人・俳人に詠まれ、寛政12年(1800年)に白河藩主・松平定信がこの地を古関の跡と定め、碑を建てたことで現在の白河関跡として整えられています。
山城ACTレベルと山城Wレベル
山城ACTレベル:初級 ★☆☆
標高約410mの独立丘陵に位置しますが、関跡一周と神社周辺を歩いても距離は1〜1.5km程度とコンパクトです。
駐車場からの小さなアップダウンと参道が中心で、累積標高差も50〜80mほどと穏やかです。
遊歩道も整っており、中高年でも気負わず歩ける「ゆるやかな歴史散策」の初級レベルといえます。
山城Wレベル:W2 ★★☆
古代の国境として知られる場所を歩くことで、「みちのくの入口」に立っている感覚を味わいやすい史跡です。
社叢の静けさと空堀・土塁の構造が重なり、散策の中で少しずつ時間感覚が昔へと切り替わっていきます。
短時間ながらも、歴史への想像がふくらみ、ほどよい余韻が残るW2クラスと考えました。
主なルート
・駐車場・入口 → 白河神社 → 空堀と土塁周辺を一周 → 白河神社・関跡周辺に戻る(散策全体で30〜60分ほど)
累積標高差と所要時間
累積標高差:およそ50〜80m / 所要時間:標準30〜60分(空堀・土塁をじっくり見る場合)
地形の特徴
独立丘陵の肩部分に空堀と土塁を巡らせた砦状の構造で、峠道と社叢が一体となった「峠の関所」という雰囲気を感じられる地形です。
地形・地質のポイント
白河関跡は、旗宿集落の南に位置する標高約410mの独立丘陵全体が指定範囲となっており、丘陵の肩部に空堀と土塁を巡らせた防御施設が確認されています。
古代に関所が置かれた東山道沿いの要衝であり、丘陵上に関所機能と神社をまとめることで、峠道を押さえつつ周囲を見渡せる「峠の砦」のような地形利用になっているといえます
周辺観光(地域共鳴)
近場の 追分の明神 (義経伝説)

車を走らせていると、峠にひと際、目をひく大木がありました。

非常に大きな杉の大木で、写真を撮ろうにも、フレームアウトし撮影が難しかった。


弁慶下駄掛石伝説 (義経伝説)

復元らしいですが、本当に義経に関わる伝説が多いですね。ちなみに、弁慶は私の地元 和歌山県田辺市出身とされています。


この鉄下駄を触ると、浮気をしなくなると言われている。らしい。意味深。

温泉(地域共鳴)
温泉
きつねうち温泉
白河関跡から白河市内方面へ車で移動すると立ち寄りやすい、日帰り利用が可能な温泉施設です。泉質はアルカリ性単純温泉で、肌あたりがやわらかく、湯あがりはさっぱりとした感覚が残ります。一般的には神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、疲労回復などへの適応症が掲げられており(温泉法に基づく一般的な表示に準じます)、白河関の散策後に体をゆるめる休憩スポットとしても相性のよい温泉です。
グルメ
白河ラーメン(白河市街地一帯)
白河市街には「白河ラーメン」を掲げる老舗店が多く、あっさり系の醤油スープと手打ち麺が特徴です。白河の関跡を訪れたあと、市街地に下りて一杯いただくと、「古代の関」から「城下町の味」へと時間軸の違う白河を一日で楽しむことができます。
まとめ
白河関跡は、「白河の関」のイメージを超えて、空堀や土塁がつくる砦的な構造を実感できる史跡です。規模はコンパクトながら、国境としての役割と歌枕の文化性が重なり、静かな社叢と峠の空気が歴史の深みを感じさせます。
みちのくへの入口に立ち、時代の境界を歩いてみたい方におすすめの場所です。
免責
本記事は、公開されている資料と一般的な体験イメージに基づいて作成しており、歴史的事実や効果を断定するものではありません。訪問の際は、最新の交通情報・安全情報を必ずご確認ください。





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