山山城ACTレベル：中級 ★★☆ 山城Wレベル：W3 ★★★
この山城の魅力｜３つのポイント
① 体験価値（ウェルネス）
城下町のすぐ背後から急に立ち上がる久松山を、森の静けさの中でひたすら登る行程は、“歩く冥想”のように気分が切り替わりやすく、頂上で一気に視界が開く瞬間に心がふっと軽くなります。
麓の近世城郭から山上の中世山城まで、自分の足で「時代をまたいで移動していく」ような時間旅行感も味わえます。
② 遺構の固有要素
麓では近世城郭の立派な石垣や堀、山上では本丸・天守台跡・石垣ラインといった中世山城の骨格がまとまって残り、「城郭の博物館」と呼ばれるほど構造のバリエーションが豊富です。
急峻な大手道や山上の石垣前に立つと、「ここを攻め落とすのは相当きつい」と実感できる、防御力の高さと視覚的な迫力が体感できます。
③ 景観・地形の固有性
釣鐘のように街中からストンと立ち上がる久松山は、かつて入り江に突き出した花崗岩岬だったとされる独立性の高い地形で、要塞としての必然性を感じさせます。
山頂からは鳥取市街と日本海方面を一望でき、条件が良ければ鳥取砂丘まで見通せる、「城と海と砂丘」を一度に感じられる眺望が魅力です。
現地レポート｜ルートと見どころ
あのマスコットキャラ。。。
既に封印された旧ご当地キャラの「かつ江（渇え）さん」。
このキャラクターを見たときの衝撃が今でも忘れられない。
とても切ない気持ち
というもの、管理者には、この「かつ江（渇え）さん」によく似た雰囲気を持つ知り合いが居て、名前の最後の「江」も一緒という偶然。（その知り合いは、バリバリの優秀営業マンでしたが）
近代鳥取城の立派な石垣
この久松山は全山花崗岩とのことで、岩石量が豊富だった様子。これだけの岩石量は凄いです。
贅沢にふんだんに使っています。
ちょっと気になる「アゲハ蝶」
この「中坂稲荷神社鳥居」が中世鳥取城への入口です。
中世鳥取城へ
かれこれ一時間の山登り。
くまが居るの！？まさかと思いながら。
ひたすら登る。
途中に、ご老人と近くなったのですが、なんともスイスイと上がっていきます。
なんとも、健脚だなあ～。
結構な登りです。割とつらい。景色が見えないし。幅が狭いし、延々と登りです。
こんなものも。これは凄い。いったいどうすればこうなる！？
こんな感じで、「〇合目」標識が、ポイントポイントであるので、気持ちもつなげる。合ってるよね！？
いよいよ山頂へ
ぶわーと一気に目の前が開けます。気分爽快。ごっつい石垣があります。
ただし、ちょっと崩壊しかけていますね。
急峻な大手門
これは、実際に門があると打ち破るのは苦労しますね。道が急な坂道だし、転がりますよ。
山頂からの眺望
釣鐘型の山だってことが分かる！
すぐ真下に街が広がるような不思議体験ができます。岐阜城に近い。
エモイ木
この木、、素敵だ。なんとも言えない。
井戸跡
天守台跡
天守台跡。地下室もあったのでしょうか。
鳥取砂丘も見渡せます
中段付近から
やっぱり、この山上の丸の特徴は、抜けた風景です。
見ているだけで爽快な気分になる。ずっと居られます。
遺物
この茶碗は当時のモノかどうかは不明。
虎口
仁風閣
驚きました。
石垣の城。「渇（かつ）え殺し」の城
というイメージが強すぎて、どよーーんとしてましたが、この洋館を見たとき、面食らいました。すごくキレイな明治時代の建築だそうです。手前の松との調和も素晴らしい。イメージを払拭する意味もあるのかな。
アクセス・駐車場
車
- 鳥取自動車道「鳥取IC」から県道42号経由で約15〜20分。
- 鳥取城跡・久松公園に専用駐車場はなく、周辺の鳥取県庁駐車場（休日開放）、県庁北側緑地駐車場、鳥取市営片原駐車場（30分未満無料、その後時間制）などを利用します。
この城の概要
鳥取城（久松山城）は、久松山山頂部の中世山城と、麓の近世城郭が一体となった国指定史跡で、「城郭の博物館」とも呼ばれる複合城郭です。鳥取城は日本100名城（63番）に選ばれております。
山城ACTレベルと山城Wレベル
山城ACTレベル：中級 ★★☆
山城Wレベル：W3 ★★★
山城ACTレベルの設定理由
標高263mで累積標高差は260m前後、前半は整備道だが後半は一定の急登が続く山道です。
岩場や鎖場はないものの、登りが一気にまとまる区間があり体力負荷は適度。
総合すると「散歩以上・本格登山未満」の中級（★★☆）と判断しました。
山城Wレベルの設定理由
石垣帯から樹林帯の急登、山頂の大開放と、景色の切り替わりがわかりやすい構造です。
歩くほどに足音や風音に意識が寄り、心が静かに整っていく時間が続きます。
終盤で広がる海・街・砂丘の眺望が余韻を深め、総合的にW3（深）としました。
主なルート
久松公園〜山頂往復（約3.0〜3.5km）
累積標高差：約260m
所要時間：登り50〜60分／下り40分（全体2.5時間目安）
地形の特徴
前半は整備された園地、後半は花崗岩の砂状路面と樹林帯の急登が続く構造。
注意点
雨上がりや落ち葉の時期は下りの滑りやすさが増すため足元の確認が必須です。
一言補足
ゆっくり登れば初級〜中級ハイカーでも無理なく歩ける難易度です。
地形・地質のポイント
「渇（かつ）え殺し」は正しい戦略だったのか
この地質図をご覧いただくと一目瞭然です。
鳥取城は、遠くから見ると釣鐘のような形でポンと空高く突き出しているのが特徴。その地質は、全山花崗岩（ピンク）。太古は、入り江の花崗岩岬があり、海水が入り込んでいたとのこと。
この状況を見ると、急峻な山城が逆にアダとなり、秀吉軍に首元を抑えられたら、あとは孤立するしかないという状態。
「渇（かつ）え殺し」は、極めて有効な戦略だったということでしょう
周辺観光・温泉（地域共鳴）
温泉｜鳥取温泉「日乃丸温泉」（鳥取駅徒歩7分）
鳥取駅周辺に湧く“鳥取温泉”の源泉をそのまま楽しめる昔ながらの温泉銭湯。街中でありながら湯あたりがやさしく、山城の下山後にすぐ汗を流せる立地が魅力です。こぢんまりしつつも湯の回転がよく、中高年にも使いやすい施設です。
温泉｜元湯温泉（鳥取駅徒歩12分）
大正期から続く老舗の温泉銭湯。暖簾をくぐる瞬間から“温泉地らしさ”を感じられる雰囲気で、落ち着いた湯舟が歩き疲れた身体をしっかり温めてくれます。鳥取駅周辺では最も伝統を感じられる温泉です。
温泉｜宝温泉（吉方温泉エリア・駅近）
吉方温泉エリアに位置し、市街地にありながら静かな環境で入浴できる温泉銭湯。レトロな浴場と地元の方が多く訪れるアットホームな空気感が特徴で、山城巡りの“締めのリセット時間”として相性が良い温泉です。
グルメ｜すなば珈琲 “新”鳥取駅前店
“スタバはないけどすなばはある”で全国的に知られる地元系カフェ。軽食や休憩に使いやすく、下山後のちょっとした甘味・コーヒータイムに丁度良いスポットです。
名所｜鳥取砂丘（鳥取城から車で10〜15分）
日本最大級の海岸砂丘。鳥取城の山頂からも望めるほど近く、山城→砂丘という“地形のコントラスト”が一度の旅で楽しめます。時間があればぜひ立ち寄りたい名所です。
まとめ
山麓近世城郭＋山頂中世城郭＋近代建築＋鳥取駅周辺の温泉群＋美味しい魚介類
「５拍子揃った最強☆山城ウェルネス体験」が出来る名城です。
急登を登り切った山頂で、街と海を見下ろしながら石垣に寄りかかる時間は、心身のリセットと歴史への想像を同時に味わえるひとときになります。
鳥取城は、街からすぐの位置にありながら、しっかり汗をかける中級クラスの山城。
中高年ハイカーにとっては、
- 危険箇所は少ないが負荷はそこそこ
- 下山後に温泉と城下町グルメがセットにしやすい
という点で、「週末半日＋α」で組み立てやすい最強の山城ウェルネススポットと言えるでしょう。
主な出典
- 現地案内板・説明板（鳥取城跡・久松公園内）
- 国土地理院ウェブサイト掲載の地形図（当ブログ管理者による加筆図）
- 産総研地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図V2」（当ブログ管理者による加筆図）
- 鳥取市・鳥取県公式観光情報サイト等の公開情報
免責
本記事は個人的な体験・調査に基づくものであり、歴史や効果を断定するものではありません。
訪問時は必ず最新情報をご確認ください。
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