長崎

島原城(長崎県島原市)|過剰な石垣の理由

山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W1 ★☆☆

山城ウェルネス

山城ACTレベル
天守・石垣・武家屋敷をつなぐ行程はおおむね平坦で、石段の昇り降りが中心です。街歩き感覚でゆっくり周回でき、足腰への負荷が少ないため、山城ACTレベルは初級(★☆☆)としました。

山城Wレベル
高石垣や鏡石、城内外の石造物、武家屋敷の石垣などに目を向けながら歩くことで、「日常の延長の中で歴史に浸る時間」が生まれます。

行程が短く地形変化も穏やかなため、山上の山城のような大きな切り替わりまでは起こりにくい一方で、静かに集中が続くタイプです。ここではその性格から、山城WレベルはW1(★☆☆)としています。

主なルート
・島原城天守周辺 → 高石垣と鏡石 → 城内の石造物 → 武家屋敷街を周回

累積標高差と所要時間
累積標高差:未計測 / 所要時間:約1時間(城内と城下を写真を撮りながら散策するペース)

地形の特徴
有明海に面した微高地の段丘上に高石垣と堀を巡らせた平城で、城内からそのまま城下町や武家屋敷へ歩き出せる「城と町が一体化した構造」が特徴です。

現地レポート

見応えがある塔タイプ

島原城天守の外観(層塔型の輪郭が分かる近景)
島原城天守を斜めから見た眺め(青空に映える構図)

層塔型の見た目はすっきりしていて、青空に良く映えます。斜めの角度から見た時の輪郭がきれいで、写真でも「形」が出やすい印象でした。

島原城の天守と石垣(城内の主景観がまとまる位置)

大名の石高に見合わない異常な折れの数

島原城の折れが多い高石垣(圧の強さが伝わる区間)
島原城の高石垣(折れの連続が分かる側面)

折れの数が多く、高石垣も相まって圧が強いです。石高との釣り合いを考えると「やり過ぎ」に見えるほどで、当時の支配のあり方や、見せ方の意識が強かったのだろうな、と感じました。

島原城の石垣と堀(折れと高低差を観察できる場所)

ご法度な石垣の積み方「立て積み」

島原城の鏡石付近の石垣(独特な据え方が見える角部)

鏡石の角付近の石垣。ここはかなり強烈です。石の据え方が独特で、一般的な積み方と違って見える箇所があります。
なぜこの形にしたのかは現地の説明や調査資料も確認したいところですが、少なくとも「目を引く」意図は強く感じました。

島原城の石垣(別区画でも見られる特徴的な石の据え方)

他の場所でも、似た据え方が見られます。

鏡石

島原城の鏡石(本城最大級の巨石と周辺の石組み)

その隣は、本城最大級の鏡石。大きいですね。周辺の石の組み方も含めて、ここだけでも見ていて飽きません。

島原城は、登りの負荷で切り替える城ではなく、城内に入ってすぐ「石垣の折れ」と「高低差の圧」で視線が止まり、意識のモードが切り替わるタイプです。

その意味では、歩いて整う山城とは異なり、初動で“城の論理”に入っていく初動分岐型に近い印象でした。

このキリシタン墓碑って

島原城内の石造物(由来が気になる墓碑状の石)

城内に石造物が置かれていて、ふと足が止まります。説明板を読んでも「なるほど」と言い切れない部分があり、この違和感は強いです。

ここは、断定せずに「現地で感じた引っかかり」として残しておきます。

島原城内の石造物(形状が分かる別角度)

ただ、この形はどこかで見た覚えがあります。大分県の岡城で見た「カマボコ石」に近い印象です。

山城Q
山城Q

「カマボコ石」

岡城(竹田)は、領内にキリシタンが多かった地域として語られることがあり、石造物にも土地の背景がにじむ場面があります。形が似ているからといって同一視はできませんが、「石の文化」という視点で見比べると面白い題材です。

この島原城の石造物も、由来や移動の経緯を追っていくと、別の見え方が出てきそうです。

アクセス・駐車場

・自動車 島原外港から約10分、長崎自動車道「諫早IC」から国道251号経由で約1時間〜1時間20分です。城周辺には来訪者向け駐車場が整備されており、天守までは徒歩数分でアクセスできます。

・公共交通機関 島原鉄道「島原駅」から徒歩約10分。駅前から城郭の高石垣と天守が見えるため、街歩きを楽しみながらアプローチできます。

この城の概要

島原城は、長崎県島原市に江戸時代初期(1621年頃)に松倉重政が築いた近世平城で、有明海に面した微高地に位置し、海上交通と島原街道を押さえる要衝として機能しました。

高石垣と多数の折れ、鏡石、層塔型天守(昭和39年再建)などの特徴的な遺構が残り、城内から武家屋敷街まで一体的に歩ける「城+城下」の景観が魅力です。

現在は島原城天守閣として博物館・資料館が併設され、島原・天草一揆の歴史展示も行われており、観光地として人気の史跡です。

この山城の魅力|3つのポイント

① 体験価値(ウェルネス)
石垣と天守、城下町と武家屋敷をゆっくり歩ける平城さんぽコースです。折れの多い石垣や鏡石、城内に置かれた石造物などに目を向けながら歩くうちに、足腰への負担が少ないまま自然と「歴史に集中する時間」に切り替わっていきます。

② 遺構の固有性
高石垣と折れの多い縄張り、鏡石、復元天守など、城としての見どころが密集しています。石垣の積み方に特徴が見られる箇所もあり、城内を一周するだけでも観察ポイントが途切れません。

③ 景観・地形の固有性
有明海を望む微高地に築かれ、石垣越しに海と城下町を見下ろすと、海上交通と島原街道を押さえる要衝だったことが伝わってきます。武家屋敷の石垣や水路も含めて歩くことで、「城+城下」の一体的な歴史景観を体感できるのが魅力です。

周辺観光・温泉(地域共鳴)

温泉

ホテル南風楼(島原市)

島原城からアクセスしやすい海沿いの温泉宿で、日帰り入浴が可能な日もあります。露天風呂は有明海に面しており、海風を感じながら湯に浸かれる開放感が魅力です。

特徴:
・海が目の前に広がる露天風呂
・大浴場あり
・島原城から車で約3〜5分

雲仙温泉(雲仙市)
島原城から車で約40〜50分。温泉街と地獄エリアが近く、歩いて回れる範囲で見どころがまとまっています。日帰り入浴ができる施設も多いので、城下歩きと組み合わせやすいです。

山城Q
山城Q

山形の蔵王温泉!

観光:武家屋敷のたたずまい

一方、城下には武家屋敷が残ります。石垣や水路がまとまっていて、歩いているだけで雰囲気が出ます。

島原武家屋敷の街並み(石垣と水路が残る通り)
島原武家屋敷の石垣(亀甲積みに見える積み方の例)

亀甲積みに見える石垣もありました。

島原武家屋敷の石垣(布積みに見える積み方の例)

こちらは布積みに見える箇所もあります。

グルメ:島原そうめん

城下の食事処では、手延べ「島原そうめん」や、根菜・餅・かまぼこなど具だくさんの「具雑煮」といった郷土料理を味わえます。

島原そうめんの由来にはいくつかの説がありますが、島原の乱後の復興の流れの中で人の移動が起き、その過程で製麺の技術が広がっていった、と語られることがあります。

同日訪問

免責

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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