山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

山城ウェルネス
山城ACTレベル:A2 ★★☆
山城Wレベル:W2 ★★☆
ACT理由
登城口から西の曲輪まで約15分。ルートは明瞭で短時間だが、花崗岩・礫岩・堆積岩が混在する岩場や、石垣が近接する箇所があり、足元への注意が必要です。
完全な散策路ではなく、「軽い山城歩き」として意識を向ける必要があるため、ACTレベルはA2と判断しました。
W理由
港町の気配から城山の静けさへと空気が切り替わり、曲輪と石垣を辿ることで、海と城の距離感が立体的に見えてきます。
北二の丸の高石垣では体験密度が一段跳ね上がるものの、意味が反転するほど深く沈み込む構造ではなく、全体としては心地よい集中と余韻に留まるため、W2相当としました。
主なルート
登城口 → 本丸 → 西の曲輪 → 北二の丸など周遊
累積標高差と所要時間
所要時間:30〜60分(西の曲輪まで約15分)
アクセス・駐車場
・鉄道:JR高徳線「引田」駅から徒歩約20分。旧街並みを抜け、城山の登城口へ向かいます。
・自動車:城山麓に無料駐車場が2か所あり、どちらも登城口まで徒歩数分。案内板に従えば迷いません。
現地レポート
展望


内海というか、いつ来てもこの城から見る海はキラキラです。まぶしい。昔からの良港とのことなので、戦略的な意味もある場所なんでしょう。

屋嶋城との狼煙連携!?
この辺りの狼煙台は、屋嶋城との連携で使われていたとか。
「いや~~本当かな~~!?」

屋嶋城との距離は、約30kmってところです。中継視点などがあったのかな。

しかし、景色が綺麗なのは間違いないです。
花崗岩と礫岩の境目

ここは結構な岩場ですね。下方の徳島県の城は、緑石とか阿波青石といわれる緑色片岩で全く違う感じですが、ここは花崗岩っぽく見えます。


しかし、こちらは堆積岩ですね。ピンクが花崗岩。オレンジが礫岩。そう、地質図の通りに「境」の場所。面白いですね。

(中間分岐点)西櫓の石垣

多少の野面積みがあります。
天守台

天主台とされる場所に、祠があります。

雑木で覆われていますが、敷地としては広いですね。また、あちこちに石垣が散在しており、
あまり撮影には適さないかあと思いきや!!!
本格的な生駒氏時代の野面石積み


「スゴイ!」
北二の丸に立つと、周辺の素朴な石垣とのギャップの大きさにまず驚かされます。
山中の限られた環境で、これだけの量と規模をどうやって積み上げたのか——ただただ感心するばかりです。
石材は、花崗岩・砂岩・礫岩など、この地域で手に入る岩石を徹底的に集めて使っており、
それぞれの大きさや形を“そのまま”活かした野面積みのダイナミックさが際立ちます。
城域の規模は小さいのに、北二の丸だけは急にスケールが跳ね上がる。
この「違和感をともなう迫力」こそ、引田城の最大の見どころの一つだと思います。
その他の曲輪など



周辺にもところどころ石垣があります。北二の丸の石垣がベストでしょう。
気になる島の名前
ちょっと気になる

女郎島。。。なんだろう。降りていくには、時間の関係で難しいけど。
遠望

遠方から見てもはっきりとわかる城山
この城の概要
引田城(香川県東かがわ市)は、標高約82mの城山に築かれた平山城で、瀬戸内海交通の要衝・引田港を押さえる拠点として整備された城です。
天正15年(1587)に生駒親正が入城し、讃岐で初めて総石垣による本格的な近世城郭へ改修したとされます。
元和元年(1615)の一国一城令で廃城となりましたが、主要部の石垣が良好に残り、続日本100名城(No.177)にも選定されています。さらに、令和2年(2020)3月10日付で国史跡に指定されました。
仙谷秀久という武将
仙谷秀久

漫画『センゴク権兵衛』で知られる仙石秀久ですが、私にとっては少し違う印象を持つ人物です。
藤堂高虎とともに、かつて私の故郷に関わった武将でもありました。
その仙石秀久が、短いあいだとはいえ領したことがある城が、ここ 引田城 です。
瀬戸内の穏やかな海を見下ろしながら歩いていると、歴史の中の複雑さが、静かに胸の奥で揺れるような時間になります。
↓↓下記動画の終盤に経緯が出てきます
縄張り図 現地看板

地形・地質のポイント
引田城は、中央構造線北側で播磨灘に突き出す岬状の小山に築かれ、シームレス地質図では城山周辺に花崗岩類と堆積岩類の境界が走ります。尾根先端をおさえることで、良港・引田港を一望できる立地が選ばれたのだろうと感じます。
花崗岩帯と堆積岩帯の際に出来た山城
なんとも、面白いことが判明


なるほど、中央構造線よりすぐ北は堆積層なんですね。そして、ちょうど引田城があるあたりが花崗岩、礫岩と堆積層の境でした。「適度な岩もあるし、港もあるし、ここに城を造ってみようか」となるのも、感覚としては分かります。
それにしても、昔の人は、なぜこうも「境」や「際」を知っているのでしょうか。
この山城の魅力|3つのポイント
① 体験価値(ウェルネス)
海風を受けながらゆるやかな登城路を歩き、山頂で瀬戸内の光を浴びる「海辺の低山ハイク」です。短時間で登れる一方、港町の気配と静かな城山の空気のギャップが、気分の切り替えをつくってくれます。
② 遺構の固有性
讃岐で初めて総石垣で築かれたとされる山城で、北二の丸をはじめ生駒氏時代の野面石積みがコンパクトな城域に凝縮されています。石垣の折れや横矢が、小規模ながら織豊系城郭の要点を感じさせます。
③ 景観・地形の固有性
標高82mの城山が岬状に播磨灘へ突き出し、三方を海・一方を陸に開いた「海城的な山城」として、良港・引田港と旧街並みを一望できます。地質図上では、花崗岩帯と堆積岩帯の境目付近をおさえた立地であることも特徴です。
周辺観光・温泉(地域共鳴)
● 翼山温泉(つばさやま温泉)
引田城から車で約10〜15分。高台にある日帰り温泉で、城歩き後のクールダウンにちょうどよい落ち着いた湯処です。
● 引田の町並み(町並み保存地区)
風待ち・潮待ちの港町として栄えた古い町並みが残り、醤油蔵や商家が続く静かな通り歩きが楽しめます。日本唯一の「むしろ麹製法」で知られる かめびし屋 も近くにあります。
● 活魚料理 讃岐家(海鮮)
播磨灘で揚がる地魚が味わえる海鮮店。静かな座敷席もあり、中高年でも利用しやすく、ハイク後の“海の恵み”としておすすめです。
瀬戸内の海、港町の気配、そして温泉。
「歩く → 眺める → 町を歩く(→ 湯に浸かる)」という流れが自然にひとつにつながる、
引田城らしい 「山城ウェルネス × 地域共鳴」 の時間をつくってくれます。
まとめ
引田城は、標高82mとは思えないほど瀬戸内の眺望と総石垣の存在感が凝縮された小さな織豊系山城です。JR駅から徒歩圏で登れる手軽さと、海を望む開放的な景観が、初心者や中高年でも楽しみやすいハイクをつくっています。
北二の丸の高石垣や折れの多い登城路など、防御構造を読み解く“知的な山城歩き”も魅力のひとつ。下山後は、港町の旧街並み散策や温泉をあわせることで、「海・山・まち」が静かにつながる一日になります。
免責
本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。




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