熊本

久玉城(熊本県天草市)|山城ウェルネス × 山城ACT

山城ACTレベル:初級 ★☆☆
山城Wレベル:W1 ★☆☆

この山城の魅力|3つのポイント

体験価値(ウェルネス)
港町を見下ろす小さな丘をぐるりと歩きながら、高石垣や井戸をのぞき込む「ミニマル山城ハイク」を気軽に楽しめます。

遺構の固有性
天草の他城とは雰囲気の異なる無骨な高石垣と複数の井戸が残り、海城としての機能と寺沢氏期の改修を感じ取れる構えです。

景観・地形の固有性
かつて入り江が深く入り込んでいたとされる海に面した丘陵上に築かれ、港と海を見張るための「見せる城」としての位置取りが印象的です。

山城ACTレベルと山城Wレベル

山城ACTレベル:初級 ★☆☆

標高は約50m規模で、登り自体は短時間で収まります。
歩行距離は往復約0.8kmが目安で、城域はコンパクトです。
石段や石垣周りで足元注意が必要なため、油断せず「初級」としました。

山城Wレベル:W1 ★☆☆

港町を見下ろしながら一周でき、短時間でも気分転換が成立しやすい城です。
「高石垣」「井戸」などの見どころが要点としてまとまり、集中が散りにくい構成です。
滞在を深めるより“軽く整える”タイプの場としてW1にしました。

主なルート
無量寺付近 → 登り口 → 主郭(往復)30〜40分

    累積標高差と所要時間
    累積標高差:約60m / 所要時間:30〜40分

    現地レポート|ルートと見どころ

    久玉城跡の現地写真

    縄張りを見る限り、典型的な馬蹄状の丘城ってところ。

    天草地方を「城」で検索すると、一番端っこにあるのが「久玉城」。素朴に、、、

    ま~~遠い

    地図で見れば「日本の西の端」ですが、当時の人びとの感覚では、おそらく「世界の果て」ではなく、西洋文化がいち早く流れ込んでくる最前線だったのだと思います。

    南蛮貿易や宣教師の往来を通じて、新しい信仰や価値観が静かに入り込み、武家や町の暮らしにも少しずつ影響を与えていったはず。

    久玉城跡近くの風景

    適当な駐車スペースがなく、近くの「無量寺」に許可を得て、車を置かせていただきました。ありがとうございます。

    久玉城跡の登城口付近
    久玉城跡の案内表示

    雰囲気が近くの棚底城に似ております。

    久玉城跡の現地看板

    細かく看板もありイメージがしやすいですね。

    佐賀の獅子城との共通点 高石垣

    久玉城跡の高石垣

    天草のお城の雰囲気に合わない。無骨な高石垣。

    これは、佐賀の獅子城の石垣と共通点があるとのこと。確かに似ている。作られた時代が寺沢氏統治時代らしい。

    加えて、ここの岩は、泥岩か砂岩のようで、獅子城の岩石は砂岩だった。

    久玉城周辺の地形図(加筆)
    引用元:国土地理院ウェブサイト(当該ページ)を当ブログ管理者Qさんが加筆修正したものである(スマホで拡大可能)

    昔は、入り江が深く入り込んでいたとのこと。場所的にここら辺にあるので、海からもしっかり見えたのではないでしょうか。見せるための石垣でもあったのかもしれません。

    久玉城跡の曲輪周辺

    最高所

    久玉城跡の最高所付近
    久玉城跡の高所からの眺め

    多数の井戸

    久玉城跡の井戸跡
    久玉城跡の井戸周辺

    井戸も複数あります。コンパクトながらも、地形を活かした丘城でした。

    この城の概要

    久玉城は、熊本県天草市牛深町久玉に位置する中世〜近世初頭の城郭です。中世には天草氏の一族である久玉氏の居城とされ、その後、江戸初期には寺沢氏による統治のもとで高石垣などの改修が行われました。

    入り江に面した丘陵上に主郭と腰曲輪が段状に配置され、海上交通と港を監視・防御する「海城」としての性格が強いとされています。熊本県指定史跡「久玉城跡」として保存が進められ、石垣や井戸跡などが現在も確認できます。

    出典・参照元:熊本県文化財情報、天草市関連資料、現地説明板内容の要約。

    アクセス・駐車場

    • 登城口:熊本県天草市牛深町久玉・久玉城跡登り口付近
    • 駐車場:近隣の無量寺に事前に声をかけて駐車させてもらう形が基本となります(最新の状況は現地でご確認ください)。
    • 公共交通
      • 天草市本渡地域から牛深方面行きのバスで牛深市街へ。
      • 牛深市街から久玉方面行きのバスで「久玉」周辺下車、徒歩圏。

    周辺観光・温泉(地域共鳴)

    下田温泉(天草西海岸の素朴な温泉地)

    牛深から北上すると、天草下島西海岸に位置する「下田温泉」エリアにアクセスできます。波静かな入り江沿いに旅館や共同浴場が並び、落ち着いた雰囲気で中高年世代にも過ごしやすい温泉地。

    しかも、「日本の端」に来ているという感覚をとても感じます。しかし、しっかりと日本なのです。名湯です。

    • 泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
    • 一般的な適応症の一例(温泉法に基づく代表例)
      • 筋肉・関節のこわばりや慢性的な痛み
      • 冷え性・末梢循環の不調
      • 胃腸機能の低下や疲労回復
      • きりきずや皮膚の乾燥傾向 など

    ここの特徴は、温泉だけではありません。それは、

    日本一美しい 天草の夕陽

    ここ天草には、「天草夕陽八景」と言われている夕陽鑑賞スポットがあります。

    今回は、その中で、「天草夕陽八景① 下田の夕陽 鬼海ヶ浦」から見てみました。

    天草は、元気が出る土地なんです。

    仕事柄、海岸線を走ることも多いので、自然と夕陽を眺めることが多くなりました。

    天草の海に沈む夕陽

    何にも遮るものがなく、真っ赤な夕日が地平線に徐々に沈む。誰もいないし、この風景は

    もう、感動しかありません。

    牛深といば、「牛深ハイヤ」

    天草ハイヤ大橋

    天草ハイヤ大橋

    これは一見の価値あり。のどかな漁港にビシッと巨大な橋が通り存在に圧倒されます。夜間は、イルミネーションもありすごくキレイです。

    遠見山公園からの景色

    遠見山公園からの港の眺め
    牛深周辺の海景観

    まとめ

    久玉城は、標高約50mの小さな丘に、井戸群・高石垣・帯曲輪がまとまる海城タイプの丘城です。規模は大きくありませんが、港を真下に収める立地と素朴な石垣が独特の気配をつくり、天草の城の中でも少し異色の表情を見せてくれます。

    そして牛深は、地図で見る“西の端”でありながら、海の道を通じて文化や交易が交わってきた「最前線」の土地でもあります。

    城跡の後は牛深ハイヤ大橋へ。海風と夕景のグラデーションが、山城とは別種の「海のウェルネス」を静かに整えてくれます。

    天草の最深部で、海・城・港町・夕景が一日でつながる体験は、とても貴重です。

    免責

    本記事は個人的な体験・調査に基づくものであり、効果や歴史を断定するものではありません。訪問時は必ず最新の現地情報・交通情報・規制状況をご確認ください。

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