山城ACTレベル:中級 ★★☆
山城Wレベル:W2 ★★☆

この山城の魅力|3つのポイント
体験価値(ウェルネス)
東京都とは思えない静かな雑木林と土の道を歩きながら、「毎日でも来たい」と思うような日常リセットの時間を味わえる丘城。
景観・地形の固有性
加住丘陵の先端部に広がる城域は、深い空堀と竹林の谷が幾重にも入り組み、「ここって東京都ですよね?」と感じる別世界の景観を見せてくれる。
遺構の固有性
東・南・角馬出し、S字クランク、桝形虎口など、多段の馬出しと巨大空堀が連続する「キルゾーン体験」ができる、北条流築城術のショールーム。
縄張り図 現地看板

北条築城術って、くすぐられます。
巨大山城なので、全部を見て回る時間的余裕もなく、ホンモノの「馬出し」だけを見たくてやってきました。電車とバスを乗り継いで。しかし、この城は、どこからでも入れるようですが、旅行者にとって、これほど困ることはないです。
逆に。一番効率よく、ベストコースを回りたいのですが、悩む~~~。とりあえず、金龍山少林寺前を通って登城
金龍山少林寺 にて偶然発見



由緒正しいお寺のなかあ~!?はっ!?

これは、北条家の家紋ではありませんか!うお~テンションが上がる!
現地レポート|ルートと見どころ
基本的に活動エリアは、糸魚川ー静岡構造線よりも、西をメインフィールドとしているため、なかなか、関東以北には行くことができません。ですので、当ブログは関東以北は薄~~~いブログです。

カテゴリーも一つにまとめています
しかし、抑えておくべき山城には虎視眈々と機会を狙っております。その一つは、ここ滝山城です。
「かたらいの路」を経て、いざ登城


もう城域に入っているのかな??


我々、関西人にとっては、東京はどこも人が多い都会に思えます。そんな都会に、こんな山中を思わせるような道があるなんて。

最高やね!!
毎日でも来たい

いよいよ城域へ 信濃・刑部屋敷を通り


怒涛の馬出し 東馬出

キルゾーンの連続ですよ


これが馬出し!この先にあるのが「行き止まりの曲輪」両方とも道が細い!進めない。

ふくろのねずみ曲輪
しかし、ここで馬出しあるある。上空からでないと全景がなかなか撮られない

左右を見渡すと、なんという空堀の広さ、関西ではあまり見られない広さ。無理して、来て良かったです。

怒涛の馬出し 一番の南馬出


北側から分けて撮影

真ん中

右側

バッチリ確認できます
こんなところ通りたくない。絶対進めない。

南側から南馬出しを撮影。土手がいい感じに邪魔になって、先が見えにくい

しかも、両サイドはこの空堀。通路がここしかないなら、、、ほぼ無理です。

引橋を通ってみる



高い!


その先は、枡形になってます
どっちみち渡ってもやられる。危ないです。

なんとか本丸へ 桝形虎口

本丸は、空間的には狭いですね。こんな巨大城郭なのになんか小田原城の本丸的なイメージ。小さい


ここは、本丸の手前にある枡形虎口。とにかく、まっすぐ進めない
怒涛の馬出し 角馬出し


上部からは撮影ができないので、側面から

細い道です。攻めるのはつらい
S字クランク

千畳敷下のS字クランク。
ここも、細い道を通るしかない。しかも、側面には三の丸がありますので、狙い打ち。何よりも、この時、軽トラックが道に沿って、ぶっ飛ばして走っていたのが凄かった。攻めてますね!

戦いを終えて、、、山の神曲輪からの眺望

陽も落ちてきました。
予想以上に激しい縄張りにフラフラです。この風景にホットします。
いや~ずっと、「スゴイ」ばかりの連発でした。北条築城術は、やっぱり凄かった。徹底的に作り込んでいる。それが再開発もされずに、現代まで残っているわけですから。
もっと深く探索したいと思いました。
本来の入口ですね。最後まで楽しませてくれました。

この城の概要
滝山城は、戦国時代に大石氏が築いたのち、後北条氏の北条氏照が本拠とした中世城郭で、多摩川と秋川を押さえる要衝として発展しました。
加住丘陵の上に広がる城域には、本丸・二の丸・千畳敷などの曲輪群に加え、東馬出・南馬出・角馬出しといった大規模な馬出しや、深く広い空堀が連続する防御構造が残っています。現在は「滝山城跡」として国の史跡に指定され、続日本100名城にも選ばれています。
山城ACTレベル:中級 ★★☆ 山城Wレベル:W2 ★★☆
山城ACTレベル
比高はそれほど大きくありませんが、加住丘陵上の広い城域を空堀の上下動も含めて歩くと、想像以上に脚にくるコースです。主要な馬出しや曲輪群を一通りめぐると、おおよそ3時間前後の行程となり、中強度のウォーキングが続きます。危険箇所は限定的で遊歩道も整備されているため、山歩きに慣れた中高年にとって「ちょうどよい負荷」の中級クラスと判断しました。
山城Wレベル
東京都内とは思えない静かな雑木林や竹林の空堀を歩きながら、日常から少し離れるような時間を過ごせる山城です。馬出しやS字クランク、桝形虎口などを自分の足でたどることで、地形と遺構に意識が向き、歩いている間は余計なことを考えにくくなります。山の神曲輪からの眺めや帰り道の林道の空気感が余韻となって残り、「また歩きたい」と感じる深さがあるため、W2としました。
主なルート
・金龍山少林寺前 → かたらいの路 → 東馬出・南馬出・角馬出し → 本丸・千畳敷 → 山の神曲輪(所要約3時間)
累積標高差と所要時間
累積標高差:比高は大きくないが空堀の上下動が多いコース / 所要時間:約3時間
地形の特徴
多摩川と秋川の合流部北岸に広がる加住丘陵の先端を利用し、河岸段丘の縁を深い空堀で刻み込んだ上に馬出しや曲輪を重ねた構成で、空堀の底と曲輪を何度も登り下りするアップダウンの多い地形が特徴です。
地形・地質のポイント
多摩川と秋川の合流部北岸に広がる加住丘陵の先端部を利用した丘城で、河岸段丘の縁を深い空堀で刻み込み、その内側に馬出しや曲輪を配置することで、平地側からの攻撃を段階的に受け止める構造になっています。
(比高そのものはそれほど高くないものの、空堀の底と曲輪を何度も登り下りするため、歩いてみると「想像以上に脚に効く」アップダウンの多い地形です。)
周辺観光・温泉(地域共鳴)
温泉|竜泉寺の湯 八王子みなみ野店(車で約15〜20分)
滝山城から南東へ車で向かうと、アクセスしやすい立地にある大型日帰り温浴施設「竜泉寺の湯 八王子みなみ野店」があります。広々とした露天風呂と開放感のある休憩スペースが整い、城歩きで使った脚や腰をゆっくりとほぐす時間を過ごせる場所です。
泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、やわらかな湯あたりが特徴。登城後の火照った身体を落ち着かせながら、心身をクールダウンさせる立ち寄り湯として選びやすい施設です。サウナや岩盤浴も充実しており、「山城ウォークの締め」としてリズムよく組み込める点も魅力。
歴史名所|八王子城跡
北条氏照が本拠を移した山城で、滝山城よりも険しい立地に築かれた防御拠点。
丘城の滝山城と山岳城の八王子城を歩き比べることで、北条築城の思想の違いを立体的に体感できる。
まとめ
滝山城は、東京都内とは思えない静けさと緑に包まれた北条屈指の丘城であり、馬出しや巨大空堀、S字クランク虎口などが生み出す防御線を、実際に歩くことで体感できるフィールドです。
中高年でもルートと時間配分を意識すれば無理なく楽しめる行程で、山城ウェルネスとしても取り入れやすい構成となっています。南馬出や竹林に囲まれた空堀、山の神曲輪からの眺めは、ここが本当に東京都なのかと錯覚するほどの別世界感を感じさせてくれます。
関東の山城にまだ馴染みがない方にとっても、北条山城の魅力と思想を身体で理解できる、入口としてふさわしい一城です。
免責
本記事は個人的な体験・調査に基づくものであり、効果や歴史を断定するものではありません。訪問時は最新の現地情報・交通情報・気象状況を必ずご確認ください。






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