※現在「殿の道」は石垣保護のためルート自粛制限中。危ないです。
基本情報
形態:山城
史跡指定:国指定史跡
高さ:標高445 m
所要時間:2時間
駐車場:登城道整備
訪問日:2015年4月
駐車場 アクセス
地質から読み解く
近場の滝山城と岩層を比較しても違いがわかります。滝山城付近は、砂地であっても礫岩程度
しかし、八王子城付近は、海底で堆積物が作られており、
砂岩が豊富
な様子。滝山城の防御度に憂いた北条氏照が近場で適度な岩石がある山を探したら、ここになったというのは納得できます。
縄張り図 現地看板
前回の2011年訪問を振り返る
フィールドが西日本なのでなかなか来られないのが、こちら関東以北エリア。こればかりは仕方がない。しかし、たまーーに、東京出張があるので、タイミングを合わせて今回はリベンジ。前回、2011年は、この敷地に入った瞬間から「謎の体調不良」に襲われるは、心霊体験にも合うは、散々な目に。
そこで、今回は、例のあの場所
ここには近づかず、一路、山頂を目指すことにしました。
城域に入る
金子丸
道は整備されており、特に問題なく進むことができます。
途中に石積みも散見されます。
高丸
これ以上は進まないようにという感じ。
本丸周辺 地図
八王子神社
この「八王子城」という名前は、この「八王子神社」から来たものでしょう。西日本の人間にはあまりなじみがないので、ちょっと調べてみました。
八王子神社(はちおうじじんじゃ)は、スサノオ(牛頭天王)の八柱の御子神(八王子権現)を祀る神社である。八王子宮、八柱神社(やはしらじんじゃ)などとも言い、日本全国にある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
へーーー。そういえば、似たようなネーミングで思いつくのは、
山形の長谷堂城ですね。こちらも、かなり年季の入ったお堂があります。こういうのをみると、山城って元々は神聖な場所が存在し、それを祭る人々がおり、やがて領主が目を付け、要塞化するというやっぱり「象徴」的な意味合いがあります。
小宮曲輪
それにしても、この城は、各地に丁寧に案内看板があります。非常に分かりやすい。それだけ、文献が残っているということなのでしょうね。
なんとも、気になる狛犬です。傍らの鬼?の表情がコミカルで面白い。なんという名前なのでしょうか。イタチ??
本丸跡
本丸跡。でも
狭い!?
先ほどの、八王子神社にしろ、この本丸跡にしろ、スペースが狭い。これは、来てみて感じたことです。対して、滝川城はかなり広大で、「これこそ、北条の城だ」という印象を受けたのですが、ここ八王子城の狭さを見て、ちょっと驚きました。
城域こそ広大ですが、居住スペースがこの程度だと、そんなに大軍が常駐することは難しいのではないでしょうか。
井戸跡
山城には重要な「井戸」です。これは、最近まで使われてた感じでしょうか。この場所が下が分岐地点となります。
一路、詰の城へ
本丸周辺から奥となると、急に道が悪くなる。高グリップ力の靴を履いているので、問題はないですが、岩石露出場とか苔が付いていて滑りやすいので、注意が必要です。
サクサク進みます。
馬冷し(こまびやし)地点
だんだん、普段の山城の雰囲気が出てきました。掘りきっていますね~。
やがて、詰の城へ
岩石がたくさん転がっています。これは、最後の抵抗用でしょうか。しかし、やはりここも
狭い
というのが感想です。
本命 詰の城裏の大堀切
これが見たかった。
だいたい、詰城の裏は、深い谷か大堀切で区切られている。10m×10mぐらいの堀切でしょうか。
特に、この大木は、阿吽のように左右にあります。ここまであまり人は来ないでしょうから、この苔むした感じがとても良いです。岩石が剥き出しの大堀切。工事は大変だったのではないでしょうか。
帰路に就くが、、、山城の本性に出くわす
詰の城裏の大堀切を見学したし、帰ろうとしたものの、来た道を再び戻るのも味気ないと感じた管理人は、別ルートで下山することを考えました。そこで、目に入ったのがこのルート。
たしか前回は、御主殿上の石垣群を下から登り、途中の「氏照腰掛石」らへんで満足し引き返した、道的にもショートカット出来て、なんか近そうだから良いやん。こっちへ行ってみよう。
という考えがアサハカでした。ここは山城。あらゆる防御設備があります。
この道って。もはや獣道。ここはルートマップに載せてはダメ。いくら高グリップの靴を履いているといっても、枯葉は滑ります。へばりつく様に歩く。引き返すのも面倒なので進む。
そして、極めつけは、この場所!
無理でしょ!!
岩石が通路側に出っ張っている。そして、ちょっと下ったところに岩石通路。しかもやや斜面で枯葉が堆積。これは下手に飛び乗ろうものなら、出っ張った岩石が邪魔になり、着地に失敗し、滑落の危険性大。掴まるところもない。
本当に困った。
仕方がないので、枯葉を払いのけて、道を確保し、頼りない枝か根っこを摘まみながらゆっくり進むことに。
山王台
こんなところに碑があります。八王子城落城に際しての慰霊碑とのこと。ここまで、これを運ぶのってたいへん。合掌。といいますか、私も先ほどの道で危なかったですが。
氏照の腰掛石へ
この場所って、なんか落ち着く。狭い空間の背後に頑固な石垣。そして、この腰掛石。すごく雰囲気が良くて、やっぱり今回もちょっと座っていました。
気づき
2011年の前回と今回の二度に渡った訪れ、見て回りました。確かに、城域は広大で岩石マミレの山塊です。そこを巧みに石を積み上げ、堀切を作って防御を固めています。しかし、岩石の性質上、小粒であり、石垣を作る努力は感じますが、やはり北条は「土の城」に強みがあるように感じました。
西日本の山城と比較しながら登ると、各大名の強み・弱みを感じられると思います。
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