石川

鳥越城(石川県白山市)|汽水成層(三角州)に出来た要害

山城ACTレベル:中級 ★★☆ 山城Wレベル:W2 ★★☆

山城ウェルネス

山城ACTレベルの設定理由
標高差は大きくありませんが、登り区間に傾斜が集中します。谷側が鋭く落ちる箇所もあり、足元への意識が必要な場面があります。短時間で登れる山城としては負荷がはっきり感じられるため、中級★★☆としました。

山城Wレベルの設定理由
堀切・段々曲輪・復元城門がまとまって現れ、構造の連続性を自然に読み取れます。丘陵上の小山ながら谷側の落差が強く、景観の切り替わりが印象的です。遺構の緊張感が重なり、没入度が中程度に高まるためW2★★☆と判断しました。

主なルート
・鳥越城跡駐車場〜後三の丸〜後二の丸〜本丸〜中の丸〜二の丸〜三の丸(周回 約1.5〜2km)

累積標高差と時間
・累積標高差:未計測
・所要時間:60〜90分

地形の特徴
大日川と手取川の三角州丘陵の頂部に築かれ、谷側が鋭く落ちる要害地形。

アクセス・駐車場

・車:北陸自動車道・小松ICまたは白山ICから一般道で白山市鳥越方面へ。鳥越城跡近くに整備された駐車場があり、そこから登城開始となります。

現地レポート

後二の丸と後三の丸

後二の丸の曲輪跡。平坦面と周囲の切岸が分かる
後三の丸方面の段郭。連続する平場と高低差

あやめが池

鳥越城跡のあやめが池。水面と周囲の自然環境
あやめが池周辺の景観。池の縁と曲輪側の斜面

確かに「あやめ」です。キレイです。しかし、「あやめ」と聞いた時、ドキッとしました。「あやめる」が語源の池じゃないかと

あやめが池の周囲。湿地状の地面と植生

後三の丸

後三の丸の曲輪跡。奥行きのある平坦地
後三の丸周辺の斜面と土の起伏
後三の丸から谷側を見下ろす眺望
後三の丸一帯の段郭景観。平場が連続して続く

本丸と後二の丸の間の堀切

本丸と後二の丸を分ける堀切。深く鋭い切れ込み

本丸と後二の丸の間の堀切。鋭い!

本丸へ

本丸へ向かう道と門前の空間

復元 城門

鳥越城の復元城門(正面)。木造の門と周囲の土塁
復元城門を内側から見た様子。門の構造が分かる

空の色と言い。復元の完成度といい。雰囲気がバッチリです!素晴らしいです。

復元城門と土塁・曲輪の取り合わせ
復元城門周辺を別角度から見た景観
山城Q
山城Q

どの方向からも絵になります

本丸付近から見た城内の曲輪景観

本丸

鳥越城本丸跡。広い平坦面と周囲の土の縁

小屋がいくつかあった程度でしょうね

中の丸~二の丸へ

中の丸から二の丸へ続く通路
二の丸の曲輪地形。段差と通路が分かる
中の丸門の外観。門と周囲の土塁の雰囲気

この中の丸門も雰囲気が出ています。これだけの門があるんだったら、ふるさと納税企画とかで、城攻め体験プランとかあると人気が出ると思いますよね。甲冑と模擬弓なんかを使って。

二の丸周辺の曲輪と登城動線

三の丸方面

三の丸方面へ続く尾根道と段郭

さらに向こうにも段郭があります。

三の丸付近から大日川方面を望む眺望

大日川方面を見ています。

谷側に落ちる切岸。崖のような落差が分かる

切り立ってますね。切岸というか崖ですね。ここ。

為政者と一向一揆の戦い 島原の原城に通じるものがある

この城の概要

鳥越城は、加賀一向一揆が籠城したことで知られる山城で、現在は国指定史跡「鳥越城跡及びその周辺遺跡」として整備されています。

三角州丘陵の小さな山頂部を最大限に利用して、本丸・二の丸・三の丸・後二の丸・後三の丸などの曲輪を配置したコンパクトな構造で、復元された城門や土塁が当時の姿をイメージさせます。

日本城郭協会の「続日本100名城」にも選定されており、北陸の宗教一揆を語る上で欠かせない城跡です。

縄張り図 現地看板

鳥越城の現地案内板(縄張り図)。曲輪配置と堀切が示される

日本史を勉強した者なら一度は耳にする

鳥越城跡の入口付近。周囲を谷に囲まれた丘陵端の地形
山城Q
山城Q

加賀一向一揆

その終焉の地と聞いており、ちょっとドキドキしていました。また、イメージとして一揆勢が立て籠もったと聞くと、丘にある砦程度の小城だと思っていましたが如何に!?

鳥越城跡の登城路。曲輪へ向かう山道の様子

汽水成層(三角州)に出来た要害

この城の形は特徴的です。ポコッと盛り上がった山の頂にあります。しかも、そんなに広いとは言えない。なぜ、一向宗はそんな城に籠ったのか。実は、

鳥越城周辺の地質図(加筆図)。三角州丘陵と河川地形の位置関係
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

この地質図を見て、どこに城があるかお気づきでしょうか

鳥越城の位置を示した図(加筆図)。合流域の丘陵上に城があることを示す
引用元:産総研地質調査総合センター,20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2022年3月11日) より山城渡りQが加筆・修正したものである (スマホで拡大可能)

こういうことです。ここは、大日川と手取川の合流地点にある

山城Q
山城Q

三角州丘陵に出来た丘城なのです

この川は、現在は両方ともに大きなダムを備えており、昔は、もっと流れが急だったかもしれません。

大日川または手取川水系の川筋。削られた岩盤が見える

これが、川の写真です。岩が見事に削られております。こうした地形条件が、谷側の守りに効いていた可能性は高いですね。

愛知県の長篠城も二つの川の合流地点に出来ていますけど、あちらも要害ですね。

山城Q
山城Q

守りが堅いですね~。

この山城の魅力|3つのポイント

1)体験価値(ウェルネス)
川と谷に囲まれた主郭に立つと、短時間の登りでも「場が切り替わる感覚」がはっきりと生まれ、日常から自然に距離がとれます。
復元城門をくぐり段々曲輪をたどる動線は、攻めと守りを行き来する「歩く時間旅行」のような体験です。

2)遺構の固有性
本丸・中の丸・二の丸・三の丸がコンパクトに配置され、鋭い堀切で区切られた構造が非常にわかりやすい山城です。
復元城門の存在が、土の遺構に当時の空気感と立体的な臨場感を与えています。

3)景観・地形の固有性
手取川水系の丘陵端に築かれ、谷側は崖に近い落差を持つ自然要害の地形です。
大日川方面へ開ける眺望は、小さな山ながら地形のスケールを強く感じさせます。

周辺観光・温泉(地域再生)

【温泉|バードハミング鳥越「弘法の湯」
鳥越城跡からほど近い鳥越地区にある温泉保養施設で、登城後に立ち寄りやすい日帰り入浴スポットです。
落ち着いた雰囲気の浴場で、登城後にゆっくり過ごしやすいです。

【グルメ|道の駅 一向一揆の里・食彩館せせらぎ】
鳥越の歴史をテーマにした道の駅で、そばや定食など地元食材のやさしい食事が楽しめます。
登城前後に立ち寄ると、無理のないボリュームで土地の余韻を静かに味わえます。

【歴史・文化スポット|吉野工芸の里】
古民家を活かした工房とギャラリーが並ぶ静かな里山の文化拠点。
山城のあとに訪れると、手仕事の空気が一日の流れをやわらかく整えてくれます。

【免責】

本記事は、現地での観察メモをもとに整理し、筆者なりの解釈を加えた記録です。史実の正確性を保証するものではありません。また、整備状況・所要時間・交通手段・施設情報等は変更される可能性がありますので、訪問の際は必ず最新情報をご確認ください。

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